人生ベストテン、出世花、スプートニクの恋人 [本]
- 作者: 角田 光代
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/03/02
- メディア: 単行本
今日は、ここ数日間に読んだ本の紹介をします。
最初一気に、数時間で読み終えたのは角田光代の「人生ベストテン」でした。
読者に｢母性｣や「因果」と言う重いテーマをつきつけた「八日目の蝉」。こちらは、作者がその前に発表した短編集です。
「床下の日常」「観光旅行」「飛行機と水族館」「テラスでお茶を」「人生ベストテン」「貸し出しデート」の6編が収められています。
どこにでもいそうな平凡な冴えない登場人物達。
力の抜けた文章はどれも読みやすい。ここから作者が中々のストリーテラーであるのもわかってきた。
ただ短編なので書き込みが浅いだけに、ただ面白いだけ心に残るものがないような。。。
「八日目の蝉」はドラマ化されて昨年の3月からNHKで放送されました。その原作が今度は映画化され4月29日から公開されるのです。
時を同じく文庫化もされましたので、これを機に多くの方々に読まれる事と思われます。
不倫の末に我が子を中絶せざるをえない状況に身をおいた希和子。
彼女は絶望の中でその夫婦の子供を奪い、それからは偽りの親子として逃亡生活を続けます。
誘拐された子供・恵理菜は成人になって後、妻子のある男と付き合い希和子と同じ道をたどろうとしている。
本を読んだ感想については、簡単なものながら･･･http://hana2009-5.blog.so-net.ne.jp/2009-11-27
- 作者: 角田 光代
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
新進女流作家･高田郁の時代小説は、「出世花」。
母親が不義密通の相手と駆け落ちし、そのことで父娘は仇討ちの旅に出た。
長旅の末、空腹に堪えかねた親子。野生の草を食べ毒にあたった父親は、運ばれた寺で自分の素性と事情を話して残す娘のことを頼むのだった。
成長をした娘は、亡くなった後の父が湯潅される様を見てから後、寺で亡きがらを綺麗にする仕事をしたいと願うようになる。
「艶」から仏縁の「縁」と改名した少女が、美しく成長する姿を透明感あふれた筆致で描いた時代小説である。
「屍洗い」なる仕事が死と直接向き合う行為であるゆえ、悪意に満ちた視線、理不尽と思える非情も登場するのは勿論のこと。
しかし縁は周囲の心根の優しい者達に守られ、生きる事の苦難や悲しみ、喜びを感じながら成長していくのであった。
その中で垣間見られる人の情には心が熱くなります。決して声高でもなく、派手なストーリー展開もないものの・・・じわっと心に効いてくる内容に思えました。
表題の「出世花」は、「小説NON短編時代小説賞」の奨励賞を受賞した作品だそう。
時代は違っても、人の営みや思いは変わらなく同じものだと感じた次第でした。
- 作者: 高田 郁
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/06/12
- メディア: 文庫
意味深なタイトルから手にした「スプートニクの恋人」は、村上春樹による書き下ろし長編小説。
「スプートニク」の意味は「旅の連れ」。単純に「衛星」と言う意味があるとも書かれている。
語り手の「ぼく」と、大切な友人である「すみれ」、すみれが恋した17歳年上の女性「ミュウ」。
男女三人の奇妙な関係、プラトニックな恋愛を描いた本作品。
出来事の全てはすみれの恋によって引き起こされ、そして終わる。
失踪したすみれ、しかし彼女の不在はぼくの中で存在の消滅にはつながらない。
すみれを失った後に残された孤独は深い。それでも彼女の失踪を受け止めて理解しようとする。
人は絶対的に孤独であるからだろうか。
そこに村上ワールドがあり、過去に読んだ作者の「ねじまき鳥クロニクル｣のミステリー要素とが絡み合っている作品であった。
作品内容をうんぬんより、淡淡とした描写や表現が強く読後感につながっているものと感じました。
- 作者: 村上 春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/04/20
- メディア: 単行本
「八日目の蝉」読んでいるうちに、主人公になっちゃいそうです（＾ ＾；。
花粉だらけで、こう寒いと、おうちの中で読書もいいですね～。
by はなちゃん１０４M (2011-03-28 19:42)
こんばんは。
村上春樹でふと思い出しましたが、1Q84を読まねば！？（笑）
確かに、村上春樹作品って淡々としている印象が強いですね。
「スプートニクの恋人」は興味があったのですが、まずは手元の
本を何とか読破しなければ！？
by perseus (2011-03-28 20:13)
桐生さんの紹介をhanaさんの記事で拝読依頼、
本屋さんで小説コーナーに長時間居座るようになりました＾＾。
が、作家さんをよく知らないので同じ方の作品ばかりに目が。。。
八日目の蝉、映画の前に単行本を読まねば！
by らびちゃん (2011-03-28 20:51)
本はいいよねえ〜〜
私は、相変わらず、WOWOWで、ビデオ三昧です。
物語りを読んだり、見たりは・・・・大好きです！
最近は、目が疲れて・・・ビデオのみですが・・・（笑）
大阪は、花盛りですよ〜〜♪
by hatumi30331 (2011-03-28 21:31)
村上春樹のみ読みました。独特のワールドにちょっとついていけないと思いつつ、読んでしまう。最近はめっきり小説を読む時間がないです＾＾；映画もとんとご無沙汰です。
by タケノコ (2011-03-28 22:00)
やっと少し落ち着かれて、読書もされるようになられたのですね。
最近は、老眼が進んだことを言い訳に(笑)新聞以外の活字はほとんど読んでいないような^_^;
TVすら、目が疲れるのでニュース以外はほとんど見なくなってしまいました。
「人生ベストテン」なら、こんな私でも読めるでしょうか。。。
(mhirochiki)
by hirochiki (2011-03-28 22:11)
最近読書がしまくってます＾＾
by くまら (2011-03-28 23:26)
この中では「八日目の蝉」が新聞に掲載されている時に
読んだくらいかなぁ。
本はちょこちょこ読むのですが、なかなかblogには
載せられません。
いえ、ヘンなのを読んでいるわけではないのですが・・・。
by じゅりあん (2011-03-29 00:33)
本も長いこと読んでないなぁ。読んでいると言えば皆様の記事ですが…。
週刊誌の芸能記事を読むのは読書に入りますか、ブログは読書に入りますか、というアンケートを思い出しちゃいました。
by わた (2011-03-29 03:11)
おはようございます。ブログに復帰します。
by miyata (2011-03-29 06:44)
本はいいですよね。
でもそろそろ積み上げた文庫本、整理しないと。
地震で崩れて散らばってしまいました...(^^;
by hayama55 (2011-03-29 07:21)
村上春樹さんの作品はよく読みます。
会話部分がアメリカの作家のようにおしゃれで
面白いですよね。
by 綾小路曽根斗麿 (2011-03-29 09:51)
はなちゃん１０４M様へ
段れい主演のドラマ「八日目の蝉」も良かったですよ。映画では永作博美だそうです。
本を読むのは、私の毎日の楽しみのひとつなのです。その割りに中身は大したことありませんけど・・・
perseus様、こんにちは。
ネタ切れなどと、失礼なこと申し上げてしまいました。
そうです。
1Q84を読まねばなりませんわよ！読んで感想を私にも教えてください。
らびちゃん様へ
桐野作品を覚えていてくださったのですね。
そう言う私も、あまり知っているわけではないのです。本を探している時には特に忘れてしまって、結局同じ作者の本ばかり読んでしまったり！
本は娯楽ですから、気楽に参りましょう！！
hatumi30331様へ
こうして偉そうに言っている私にしても、長編や難解なものを読み続ける気力がもうすでにありませんの。
年々頭が衰えているのが自分でもわかるのですから、自分の経験だけで若い人になど絶対に勝てるはずがないですね。
タケノコ様へ
村上作品は｢ノルウェイの森」は発売当初に。その後に長編で読んだものは「ねじまき鳥クロニクル」のみ。それ以外では短編をいくつか。
私も、どれもあまり好みではなかったように思います。
mhirochiki様へ
上のものは、落ち着いたから読んだと言うものではないのです。
明るい内に停電になった時などには、他にすることがありませんので・・・
角野作品は読みやすい、どれもとっつき易いものばかりかと思います。
くまら様へ
読書がしまくって・・・とは、どのような状態でしょう！？
じゅりあん様へ
「八日目の蝉」は、新聞連載小説だったようですね。
こんなおもっ苦しいテーマの作品！私は好きですけどね。
そうですね。もっといっぱい読んだのに、簡単でもまとめられたのはこの3点だけでした。
わた様へ
お忙しいわたさんの事です。それに必要を感じなければ、無理と言うわけでもありませんし･･･
私個人の考えでは、ブログは読書には入らないものと思います。なーんちゃって！！
miyata様、こんにちは。
お帰りなさいませ。そちらにもすぐお伺い致します。
hayama55様へ
hayamaさんの日記の中で登場した、宮脇俊三さんの書かれたものも大好きでした。
家に居ながらにして、日本中、世界中の鉄道の旅へと誘ってくれましたもの。
たぶんほとんどのものは、私も読破しているかと思います。
綾小路曽根斗麿様へ
久しぶりに手にしてみて、こんなに気取った文章を書く人なんだと改めて思いました。
そこが好きな人ははまる、海外でも人気のある理由なのでしょうね。
nice!を下さった皆様へ
何時もありがとうございます。
by hana2009 (2011-03-29 11:38)