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「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」デヴィッド・フィンチャー監督作品 [映画・DVD]


ベンジャミン・バトン 数奇な人生 [DVD]

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD


デヴィッド・フィンチャーが監督した映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」、2週間ほど前にテレビ放送されたものを観ましたので今日はその感想を書きます。

「私は数奇な人生のもとに生まれた」・・・
80 歳で生まれ、年をとるごとに若返っていく男を描いた『ベンジャミン・バトン数奇な人生』は、この独白で幕を開けます・・・

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ハッキリ言って主役のブラピに興味がないので、最初の頃はながら視聴でしたが・・・
しかしさすがは、デヴィット・フィンチャー監督。
見始めると登場人物に感情移入してしまい、すっかり見入ってしまいました。
主役のベンジャミン・バトン役にはブラッド・ピット。
ブラピで思い出すのは、リドリー・スコット監督作品の「テルマ&ルイーズ」って!古っ!
D・フィンチャーとブラピが、「セブン」「ファイト・クラブ」に続いて3度目のコンビを組んだ作品です。
主役はブラピなんだけど、この映画は登場する女性陣が圧倒的に良いものと感じました。

観客に訴えかけてくる、ベンジャミンの人生を介しての「生」と「死」。
異形の姿で生まれたベンジャミン・バトンは、実の父親に捨てられてしまう・・・
それでも、そんな姿の彼を育ててくれたのは、血のつながらない母親クイニーの無償の愛。
彼の生涯に影響を与えたベンジャミンを取り巻く女性達の、「母性」を描いた映画であるとも思った。

ベンジャミンの娘役には、ジュリア・オーモンド、彼女をこうして見るのはお久しぶりです。
捨て子のベンジャミンを育てるのは、黒人であるクイニー=タラジ・P・ヘンソン。彼女はこの映画の演技によりアカデミー助演女優賞にノミネートされました。当然ですね!

デカプリオとの共演作「ザ・ビーチ」の時から注目していた・・・・「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」ではクール過ぎて怖い、白の魔女を演じていたティルダ・スウィントン。
本作での彼女は、ベンジャミンと不倫関係になる人妻役です。
ティルダにはヴァージニア・ウルフの小説『オーランド」を映画化した、肉体が男性から女性へと代わって生き続ける人物を演じた「オルランド」という映画もあります。

中でも圧倒的なのは・・・
見た目は老人でも中身は子供であるベンジャミンと、運命の出会いをするデイジー=ケイト・ブランシェットの存在感と、魅力!!
容姿の美しさプラス、どんな役でもこなす演技力の確かさ。
「エリザベス」「エリザベス・ゴールデンエイジ」のエリザベス一世役、「ロード・オブ・ザ・リング」でも妖精のような女王役。
「アイム・ノット・ゼア」では、女性でただ一人ボブ・ディラン役を。これだけは少々無理があったかも!?
「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」黒髪のボブスタイルに変身し、憎々しげなロシアスパイ役も。

しかし中でも私が好きな出演作品は、ハリウッド進出を果たした直後にレイフ・ファインズと共演した映画「オスカーとルシンダ」です。
こちらの映画、映画好きな人しか知らないであろうマイナー作品ながら、かなり良質な作品に仕上がっているものに思えました。
シェークスピア作品の日本での公演のために来日したレイフ・ファインズも、自分の出演作品の中でもお気に入りの一本であるとインタビューに答えているのを読んだことがありました。

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本作の中で・・・。
自分とは反対にドンドン若くなって、それはいつの日にか子供になってしまうであろう・・・・ベンジャミンの将来全てを受け止める覚悟をしたデイジー。
「子供二人を育てていくのは無理だ」と、一度は家を立ち去るベンジャミンであったが・・・
加齢が進みすっかり幼い子供の姿になってしまったベンジャミンは、元の場所に戻ってくるのだった。そんな彼に優しく、しかし複雑な心境で接するデイジー。
彼女の腕の中で、赤ちゃんになってしまったベンジャミンが息をひきとるところでの演技など・・・
彼女は本当に素晴らしいです。

「オスカーとルシンダ」での、泳ぐことが出来ないために水死してしまうレイフ・ファインズの遺児を引き取って育て、その子供に泳ぎを教えて終わる映画での心に響くラストシーンと重なるものがありました。
年齢的にはすでに40代に入っているものと思うが、10代の役に扮した時の美しさ。
バレーの舞台シーンで踊るところも立派そのもの。
本当にいい女優さんだと改めて思ってしまいます。

共にエリザベス女王を演じた演技派であり、イギリスを代表する大女優のケイトと、ジュディ・デンチはすでに共演済みなのだから・・・
その映画「あるスキャンダルの覚書」についてはhttp://hana2009-5.blog.so-net.ne.jp/2010-04-20

ケイトと言えばもう一人のケイト、ケイト・ウィンスレットも大好きな女優さんのひとりです。
二人のケイトの競演、演技合戦も見てみたいものと思ってしまいます。。。

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pandan

TVの放送で観ました、
いろいろ考えさせられる映画でした。
by pandan (2012-01-21 06:12) 

song4u

ぼくも録画してあるんですが、まだ観ることができてません。
2時間オーバーとなると、なかなか難しくて・・・。^^;
by song4u (2012-01-21 10:22) 

ミッチー

楽しく読ませていただきました
我が家はBSはつないでいません(あんてなっはるのでお金は取られています。またDVDはパソコンでしか見られません今はDVDを化しているところはDVDプレーヤーでしか見られないものばかりです。

読ませてくださいね。映画館はバス代が760円映画は1000円ぐらいですが行こうと思っても今はインフルエンザが怖くてどこにもでかけません。
by ミッチー (2012-01-21 12:19) 

薔薇少女

>ケイトと言えばもう一人のケイト、ケイト・ウィンスレット
超お恥ずかしいのですが、ケイト・ブランシェットとケイト・ウィンスレット
二人のケイトさんごっちゃにしておりましたっていうか、全て『タイタニック』の
ローズの人だと思い込んで見てましたナンデヤ( `д´⊂彡☆))Д´)ネン!
今迄お二人の映画結構見てきたつもりなんですけど・・・(´-∀-`;)
>「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
この映画を先日のテレビ録画したのを見た時もてっきり
『タイタニック』のローズの人だと思い込んで見てましたヲィヲィ(o´゚д゚`)っ))
この人いつも印象が違い過ぎるなぁ~と思っていたのですが
お蔭さまでやっと長年の疑問が解けてスッキリしましたありがとう♪(#^ー゚)v
by 薔薇少女 (2012-01-21 12:50) 

ゆっか

うわ~、何だかとっても観てみたくなりました^^♪
映画について、これほどもコメントが出来るなんて、
これまた素晴らしい~って思いました!!
私なんて、いつも見終わって夫にどんな映画だった?って
聞かれると、・・・・・うまく言えないんですよ~^^;
by ゆっか (2012-01-21 13:36) 

がり

私実記事読んで絶対見たくなってきました。
ギャオとかテレビで、一度放送してくれないかしらん。
無理ならレンタルします。
タイトル メモっとこ。
by がり (2012-01-21 15:59) 

nano

ロバート・レッドフォードの
A River Runs Through Itも
良かったですね~♪
by nano (2012-01-21 15:59) 

perseus

こんにちは。
私もこの映画に興味がありました。
なかなか見る時間が無くて、そのままになってしまい・・・
ただ、今回のhanaさんの記事を読んで、見たさが増幅してきました。
ものすごく、文章で引き込まれました^^b
そういえば、演技力で魅入らせる俳優や演出、最近あまり見てないなあ~(汗)
by perseus (2012-01-21 16:12) 

hana2011

pandanさんへ
あのしつこい程の前宣からも、見ることはないものと思っておりましたが・・・
期待がなかっただけに、とても良かったです。余韻の残る作品でしたね。

song4uさんへ
途中からはスゴク良くて・・・私ももう一度レンタルで観ようと思いながら…やはり観られるときに観ておくべきと思います。

ミッチーさんへ
家も有料放送の契約はしておりません。
映画は大好きなのですが、映画館まで足を運んで観るのは時間的にも大変な事です。

薔薇少女さんへ
薔薇少女さんに、そんな天然なところがおありになるとは!?ププッ!
ケイト・ブランシェットとケイト・ウィンスレット。二人とも、かなり好きです。
どちらのケイトも出演作品はほとんど見ています。
ケイト・ウィンスレットの出演作品の中では、「日蔭のふたり」「クイルズ」「アイリス」「愛を読む人」とかが好き。
ハッキリ言って「タイタニック」でのローズ役は、彼女にとってマイナスだったものに思えます。

ゆっかさんへ
子育て中は私だって、本も読めず、映画を観る余裕なんてありませんでしたもの…それは仕方がありませんわ。

がりさんへ
これは全て、ただ好き勝手に書いている私の自己満足記事なのです。
それでもこの映画、見る価値のある一本と思いました。

nanoさんへ
デビュー時のブラピは、そのルックスの良さが第二のレットフォードと言われたくらいですからね。
そのレッドフォード作品で注目をされたのですもの、幸せな出会いであったと言えるでしょう。

perseusさん、こんばんは。
この映画、主役にブラピを持ってきたところが私的には微妙な・・・ところだったのですけれど。
興行収入を優先するから、どうしても皆同じような映画で、同じような俳優が出演してとなってしまうのでしょう。
あのカップル、私はアンジーの方が断然好きなのです。
本作は観てから日にちが経ってしまっていたものでしたが、一応記録しておきたかったものですので。。。



by hana2011 (2012-01-21 17:06) 

くまら

TV途中まで見てたんですが
寝落ちしました><;
by くまら (2012-01-21 17:55) 

KEI

人間最初と最後はオムツなんだから…この台詞が印象に残ってます。
確かにケイトブランシェット良かったですね。
by KEI (2012-01-21 19:27) 

hirochiki

実は、この映画は学生時代の後輩に勧められてDVDを借りて来て観ました。
もう2年以上前のことなので、だんだん記憶が薄れつつありますが
この記事を読ませていただいて少しずつ思い出しました。
ケイト・ブランシェットは、美しい女優さんですね。
でも、ケイト・ウィンスレットはわかりません^_^;
by hirochiki (2012-01-21 19:44) 

らびちゃん

今日はソネットさん、快調で助かります~。
昨日のみぐるみはがし隊のお菓子、実姉も好物です(笑)
私も1度おすそ分けで頂きましたが、期間限定とは
知りませんでした^^。
ベンジャミン・バトンのブラピって~と敬遠していた私も
テレビ録画して観ました。
印象深く残ったのは、やはり女優人の演技力だと私も思います。
by らびちゃん (2012-01-21 20:40) 

hana2011

くまらさんへ
その途中からが良かったのに・・・どうして寝てしまったんでしょう。

KEIさんへ
お婆さんメイクの時だけは不自然さを感じたものの…10代から40代までの役柄はそれぞれに魅力的でした。
バレーシーンもちゃんと踊っているし、さすがはハリウッドで活躍する女優さん!て感じを受けました。

hirochikiさんへ
DVDの発売直後にご覧になられているのですね。
本にしろ映画にしろ人に勧めらたからと言って、自分の感性に合うとは限りませんから…難しいです。
ケイト・ブランシェットとブラピは、映画「バベル」で先に夫婦役で競演をしていました。
ケイト・ウィンスレットは、映画「タイタニック」のデカプリオと恋に落ちる令嬢役だった人です。でもあの映画の主役って、監督のジェームズ・キャメロンのように思えてなりません。

らびちゃんさんへ
甘酸っぱくて美味しい、月の雫はチョコチョコとつまむにはピッタリなお菓子。
らびちゃんお姉さんは、山梨方面にお住まいなのかしら。
前宣伝のくどさ、ブラピのふけメークから…あざとさが感じられて、私も進んで観たい!って言う感じはありませんでした。
女優さん達が皆さんそれぞれに良かった映画でした。

by hana2011 (2012-01-21 21:37) 

まつき

面白そうなお話ですね!
最近映画館に行く事もないし、DVDも借りないし買わないし、
せめてTV放送はきちんとチェックしないと、ダメですねぇ(^^ゞ
by まつき (2012-01-21 22:21) 

ameya

この前のテレビ放送、見逃してしまいました。
残念。見ればよかったです(T_T)
by ameya (2012-01-22 06:54) 

hana2011

まつきさんへ
映画館、プラスランチしたら、結構なお値段になってしまうし、半日つぶれてしまいますもの…と言いつつ、昨日は行ってしまったのですけど。
なんと言ってもテレビはただ。午後にテレビ東京で放送されるものの中にも、時々は掘り出しものがあるものです。

ameyaさんへ
それは残念!
良い出来の映画でしたのに・・・
by hana2011 (2012-01-23 13:11) 

hana2011

nice!を下さった皆様へ
ありがとうございます。


by hana2011 (2012-01-25 15:41)