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北東北ポカポカ二人旅第二弾…金木町「斜陽館」 [2012年9月岩手・青森]

最終日は新青森駅で借りたレンタカーに乗って、津軽半島を周ります。
7年前の青森旅行の際は同じようにして、八甲田ゴールドラインから始まる八甲田温泉郷に点在する名湯めぐりをしました。

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この日遊んだ北津軽は、前日の下北半島とは陸奥湾をはさんだ反対側。青森県の南西部となります。
真っ先に向かったのは、五所川原駅でした。
で、上の建物はおわかりですね。文豪・太宰治が幼少期を過ごした家「斜陽館」です。

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最終日であるこの日は雨降り、雨も雨。豪雨と言いってよいくらいの土砂降りの雨の中。五所川原駅から太宰治の故郷であり、津軽三味線の発祥の地でもある「金木」へ。

五所川原市金木町出身の文豪、太宰治。
ここは太宰の生家に加えて、近くには太宰生誕100年を記念して建立された銅像のある公園。太宰治記念碑まで建つなど町は太宰一色でありました。
だからあいにくの大雨でも、私達以外にも観光客の姿が次々。。
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明治42年6月19日、津軽地方きっての大地主の家に生まれた太宰治。
彼が幼少期を過ごした豪邸「旧津島家住宅」を利用して、太宰治記念館としてオープンしたのが「斜陽館」です。http://www.city.goshogawara.lg.jp/16_kanko/dazai/syayoukan.html津軽半島を周る6.jpg
一年を通して多くの太宰ファンが訪れているのでしょう。建物は平成16年12月に国の重要文化財に指定されています。

           津軽半島を周る5.jpg

明治の大地主であった父・津島源右衛門が建てた入母屋造りの建物は、明治40年6月に落成しました。
米倉にいたるまでヒバを使った津島家は1階に11室、2階に8室。付属の建物や今泉を配した庭園など合わせると約680坪の豪邸。
戦後津島家が手放し、昭和25年から旅館「斜陽館」として町の観光名所となり、全国からのファンが訪れていましたが・・・
平成8年3月に金木町が買い取り、当時の様子を復元して現在の記念館となりました。

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当時はこの場所にも家族の他、多くの使用人や小作人の姿があったのでしょうね。
広い土間沿いに座敷二間に仏間。茶の間と仕切りを外すと63畳もの大広間になるそうです。

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蔵の一角は展示室となっていて、太宰愛用のマント、直筆の原稿等が見られます。

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館内のどこを観ても感じるのは、津島家の裕福さ。
当時の大地主の暮らしぶりからは圧倒的な豊かさが偲ばれて・・・こうした中で育ったからこそ生まれた、太宰の小説の作風・・・それ程は読んではいないものの・・・
妻子があるに関わらず、次々と異なる女性達と自殺未遂を繰り返した放蕩な私生活も関係しているのではと思ってしまいました。
興味深さはあったものの、個人的に@500円は高かったかな?これだけの施設を維持管理してゆくのは大変な事ながら。。。
このような豪農の屋敷はこれまでも新潟などでも見てきていたので、新鮮味はなかったような。。


青森県イコール山間部の多いイメージが強くありましたが、津軽はどこまでも平地が続く、田んぼが続く・・・。

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津軽平野は本当にどこまでも広々としている田園地帯でした。このような何気ない風景が、一番美しく思えました。

これから12月になったら翌年の3月まで、五所川原‐金木間には青森の風物詩として知られる「ストーブ列車」の運行がされるのですね。
今回の急ぎ旅では、津軽三味線の演奏を聴く機会はなかったけれど…
以前の五能線の旅では日本海側を走るリゾート白神が海から離れ内陸と向かう鰺ヶ沢から、津軽三味線の演奏者が乗り込んでくる三味線ライブのサービスがあったのです。
走る列車の中、目の前で演奏される三味線の音色には激しさ、迫力が感じられました。
・・・という事で、明日はその鰺ヶ沢からです。

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コメント 24

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nano

やっぱり太宰ですよね~ヾ(∇'〃)♪
by nano (2012-09-19 03:37) 

pandan

落ちついたなつかしい和室が良いですね。
by pandan (2012-09-19 05:35) 

hirochiki

「斜陽館」は、大変立派な豪邸ですね。
このような世界は自分とはまったく無縁ですが、一度見てみたいものです。
直筆の原稿が見られるのもいいですね。
田園地帯は、晴れていたらいっそう素晴らしいことでしょう。

by hirochiki (2012-09-19 06:47) 

ミッチー

近所の量販店でつがる三味線の演奏会があって
一番前でさいごまでききました。
私も地歌三味線は弾けるのですがまったく音色が違いますね。黒田節を練習しますとお隣のお酒の好きなご主人様が奥様にお酒つけろというそうです。事の相方に過ぎないのです。
津軽三味線の太竿二おもいをはせています。
by ミッチー (2012-09-19 06:54) 

サンダーソニア

洋風の趣も取り入れて当時としてはハイカラだったのでしょうね。

by サンダーソニア (2012-09-19 08:42) 

まつき

680坪・・・、想像もつきませんが管理するのも大変そうですね(>_<)
お庭もゴージャスですねーー(@_@;)
by まつき (2012-09-19 08:57) 

hana2012

nanoさんへ
青森まで行ったら、金木は行っておきませんとね。

pandanさんへ
なつかしいって?、こんなお家で育ったのでしょうか。

hirochikiさんへ
hirochikiさんも太宰作品は多く読まれますか。
私はそれ程ではないものの・・・何時ものミーハー魂からなのです(笑)
秋田こまちの生まれる秋田平野も広々でしたが、津軽平野は思いのほか独特のムードをもつところでした。

ミッチーさんへ
津軽三味線の演奏、音色共に感じられるのは思いの深さと激しさ、どちらも良いものですね。

サンダーソニアさんへ
太宰本人は風情も何もない、ただ大きいだけだと腐していた・・・ようながら。。。

まつきさんへ
当時の地主のもつ力の大きさに、思いをはせました。
それから太宰の父は、貴族院議員でもあったのです・・・。
by hana2012 (2012-09-19 09:48) 

citron

今では少なくなった建物ですがそれにしても広いですね。
うといのでよくはわからないですが当時としては階段も凄い
ですね。津軽三味線の演奏は生で聞いたら迫力ありそうで
一度聞いてみたいです。三味線の音色は響きもよくて中でも
津軽三味線は力強さがありそうですね。
by citron (2012-09-19 10:37) 

hatsune

おおっ、これは豪邸ですね。
古い建物ですし、豪雪の年はとくに雪かきが大変でしょうねぇ。
太宰というと、訛っていたので自分の本名〈津島修治〉が上手く発音できず、
訛りのわからないペンネームをつけたというエピソードを思い出します。
by hatsune (2012-09-19 11:13) 

くまら

はい、この建物、太宰治の家って今知りました^^
それにしても、立派な佇まいですね。
大きい家って掃除するのが大変だから
住みたくないと、自分に言い聞かせてます。
by くまら (2012-09-19 11:19) 

なぎさ☆

斜陽館!!すてき~(*´∀`*)ノ。+.・*
こんな場所へ、行ってみたいですわぁ~

でも、昔は
みんな、こんな家に住んでたんですもんね~
日本建築って、すばらしやー
by なぎさ☆ (2012-09-19 12:03) 

hana2012

citronさんへ
入館料が高く感じたと書きましたが・・・明治時代にこれだけの建物を造るのはかなりの財力があった証拠。またそれを維持管理し続けていく労力にしてもです。
個人宅とはとても思えない、重厚な階段の造りにも驚かされました。
津軽三味線の演奏はきちんとしたものを聴いた訳ではなかったものの、旅情がかきたてられました。
自然の厳しいこの土地から生まれたものであるのも関係していると思われます。

hatsuneさんへ
太宰の著作を読んだのは、ずっと若い頃。彼よりも娘さんの津島祐子さんのものの方がまだ身近に感じられます。
上に記したのは、彼を題材にした映画やドラマのイメージからだったように思います。いい加減な私。プッ
真冬の積雪は道路標示からもとても多そうでした。

くまらさんへ
本には関心がないご様子。家の夫と同じタイプのようですね(笑)

なぎさ☆さんへ
あの時代にこれだけの豪邸って、皆ではないと思います(笑)
以前見た新潟の豪農の館はもっと立派でしたから、ここは太宰作品のファンのものなのでしょうね。



by hana2012 (2012-09-19 12:42) 

青竹

これだけの豪勢な家で育った太宰治が何故
自死しなければならなかったのか。
太宰でなければ分からないことがあるのでしょう。
by 青竹 (2012-09-19 13:48) 

t-toshi

雨でしたね。ここへも行った事があります。わざわざ斜陽を再読してからね。
by t-toshi (2012-09-19 14:09) 

Aちゃん

広い屋敷だね・・・
私は広い家は嫌いです?
何か落ち着かなくて(^^;
by Aちゃん (2012-09-19 14:26) 

プリムローズ

津島家の裕福さにはため息が・・・・・。
いつの時代も格差が、ありますね。

「人間失格」を読んでみようかな・・・・と。
by プリムローズ (2012-09-19 16:37) 

hana2012

青竹さんへ
だからこそではないでしょうか。
人から見れば羨ましいような生活をしている人に限っても、これで良いという事はないのでしょうから。
太宰は芥川賞かとにかく欲しくて仕方がなかったとのエピソードもあり・・・
心の中に常に空虚なものを抱えて生きていたのでしょう。

t-toshiさんへ
雨も雨。大雨でした。キチンと本を読まれていったなんて、真面目なのですね。

Aちゃんさんへ
落ち着かないのもありますが、主婦とすればお掃除が大変だろうなぁ~って。してくれる人いるかしらね。

プリムローズさんへ
それは永遠のものでしょうね。
面倒だから、私は普通でいいですけれど。。。
人間失格ですか!?読書の秋ですね。
by hana2012 (2012-09-19 19:29) 

下総弾正くま

ううっ、「走れメロス」ぐらいしか読んだことない…(・_・;)
津軽三味線、去年イベントで聴いてきました(^3^)~♪
by 下総弾正くま (2012-09-19 21:39) 

hana2012

下総弾正くまさんへ
私だって、同じようなものです。たいして読んでいないのに、読んだつもりになっているのかも。。
津軽三味線の響きは、ソウルフルなものですね。感動してしまいそう~~
by hana2012 (2012-09-19 23:12) 

がり

私が小学校の頃、小学校の講堂にあがる階段が
写真のような感じの階段でした。
今はもちろん様変わりしてますが。
by がり (2012-09-20 11:11) 

hana2012

がりさんへ
明治時代に作られた各地の洋館を見て歩くのが好きなので、これまでにも色々と見てきておりましたが・・・
確かにこの時代に作られた建築物は、建材が立派そのものなのです。

by hana2012 (2012-09-20 17:11) 

DEBDYLAN

こんばんは。
素敵な建築物ですね。
太宰氏所縁は別にしても。
アメリカ好きな僕は我が家を思いっきりアメリカンにしたけど、
こういう雰囲気もイイなぁって思う最近です。



by DEBDYLAN (2012-09-20 23:56) 

hana2012

DEBDYLANさん、おはようございます。
内部もそうなのだけど、建物の外観が魅力です。
事前に見た画像から、これは行ってみたい!と思ったのでした。
>は我が家を思いっきりアメリカンにしたけど
それは是非、DEBさんのお家も拝見したいものですわ。

by hana2012 (2012-09-21 10:55) 

hana2012

nice!を下さった皆様へ
ありがとうございます。
by hana2012 (2012-09-21 10:56)