東根から向かった河北町(かほくちょう)は、「雛とべに花の里」がキャッチコピーの町。
最上川を渡るとそこは本当にすぐのところ。最上川は山形県と、芭蕉の句ですぐに思い浮かぶようにスケールの大きな河でした。
摘み取った花びらを使って染めるべに花染めは、かつてもそうであったように今も高級の代名詞のようなもの。
県内各地で食べられるお蕎麦ですが、蕎麦と言えばやはりここでは「谷地の肉そば」に限るそうです。冬でさえも、つったい肉そば(冷たい)は天下一品。県内はもちろん、県外からもそば好きがやって来るとのこと。

食べたお店に張られていたポスターによりますと・・・全国B級グルメランキングの一位は富士宮焼きそば、二位は東松山の焼き鳥、そして三位が河北町の肉そばですって。わが町・Uつのみやの餃子はそれに負けてしまって四位でした。

この日yoshiさんが選んでくださったお店は、一寸亭本店(ちょっとていほんてん)さん。
町の肉そば・そば街道の中では比較的大きめなお店でした。
途中、彼の携帯に連絡してからお店へと向かいますと・・・いました。いました#59125;
到着する車をじっと待っているyoshiさんの姿は、私の目にもすぐに入ってきました。その姿を見ただけでも、言葉に出来ない心にもくるものがありました。
不自由なお身体であるに関わらず、事前にこの時の為に何件かのお店を下見までしてくださっていたのです。
                            
12時前と言うのに店内は満席です。お店の前で待つ人達の姿も、10人以上はありました。
ここでは是非食べなくては#59117;、お席についてからは4人揃って「肉そばをお願いしまーす」と注文します。
黒っぽい麺に、のっている具は鳥肉とねぎだけのシンプルなもの。ここに、甘辛い大根のお漬物が付きます。
薄くスライスされた鶏肉は美味しいだけでなく、食べやすかった。
新鮮な地鶏を使用したあっさりした味、しかしコクのあるスープが魅力のお蕎麦。食欲のなくなる夏にはピッタリなお蕎麦ですね。                      
                            
今回初めてお会いしたyoshiさんは、私よりもお若い方。
想像したとおりの静かで優しい雰囲気。静かな声で、一生懸命にお話してくださいました。
同病を経験した私達。彼の経験した過去は私の過去。これから先の人生を生きていかなくてはならない事だって同じです。
嬉しさや喜びと共に胸に来る、この複雑な思いって?
「病気の発症から10年経ちます」との彼の言葉から、その年月の重さが感じられました。
自分自身にも言える事なのだけれど、本人の努力だけではどうにも変えられない事実があるからなのか・・・・

外に目を向けると、入店を待つ行列は益々長くなっています。
短い時間でしたが、お店の前で記念写真を撮ってお別れする事にしましょう。

すっかりおデブーで、顔も身体もパンパンの私#59142;
yoshiさんが参加されているグループで作られた、雪室から出した生酒「幻酒 翁山」をこの日お土産に持ってきてくださいました。片手でこんな大きな瓶を下げて歩くのは、大変な事でしたでしょうに#59143;
それにお母様が山で採られて作られた山菜の干しぜんまいも、いっぱいです。
ありがとうyoshiさん、頂いたお酒は毎晩頂いていますよ#59120;そしてまた再会も是非しましょうね#59125;


この後、予約しておいた温泉の時刻まで時間が余ってしまっていたから、山形空港へ行ってみたり(飛行機に乗る予定もないのに)・・・・


この日、泊まるのはすぐ近くにある天童市内のホテルでした。天童と言えば、将棋の町。将棋駒と温泉のまちとして知られています。
天童は結婚してすぐのGWの東北旅行中、夫の親戚のある仙台へご挨拶に向かう途中に宿泊したところ。
それでも久しぶりなので、町のあちこちをブラブラしてみました。
さすがは将棋の町です。奥羽本線の駅構内にはこうして将棋資料館も入っていて、子供達だって将棋をさしているのだ。
将棋の駒に彫り駒をする、駒師とよばれる専門職人の手作業だって見学できるのさ#59028;


明日は、アッチッチで大変な思いをした#59142;いえ大変に気持ちの良かった天童温泉のお話です#59063;