旅の続きです。
気仙沼からは宮古までを一日で周って・・・この日泊まるのは、岩手県内でも西の端・八幡平なのです。

気仙沼から陸前高田、そして大船渡。南リアス線に沿って北上すると釜石市。
失ったものを現実として,荒涼とした風景は続いていく。
釜石からは、岩手県大槌町へ。
車から見る風景は、どこも更地が目立ちます。
石巻、陸前高田などと比べると大槌町は人口が少ないため、また遠く離れているからこれまで地名さえ知らずにいたところ。
しかしここ大槌町も、津波により多くの命。街並み、漁業などの産業を失っていました。
狭い平地に住宅や商店がひしめき合っていたであろう町の中心は大体わかったものの、その周囲はむき出しとなった土台だけが残っていた。

この日食べるお昼は、ここって決めてありました。
岩手県上閉伊郡大槌町にある、「おらが大槌復興食堂」です。


大槌町を本気で復興したい人たちの、熱い想いが集まってオープンした「おらが大槌復興食堂」。
大槌の人たちの憩いの場として、大槌を訪ねる人たちの休憩所として、また初めて会った人たちが同じテーブルで食事をし知り合いになり、友になれるところとして・・・・。

一般的なコンビニさえまだプレハブの簡易店舗で営業している今、地域には飲食店らしきものは見当たりません。
家々のコンクリートの土台だけが残る、または更地の風景ばかりの中で、集まるコミュニティスペースが不足している事より、人々が気軽に集まれる場所を目指した・・・復興のシンボル。
内部もこうして手作り感がいっぱいです。
海産物をはじめ、手作りっぽい品々、お土産品も売っていました。

こちらでの目的、それはもう「日本一美味しい」と言われている、三陸の海の幸を豪華に盛りつけた「特選海鮮丼」です。
入店する前から頭の中は三陸の海の幸=特選海鮮丼、それしかありませんから。私ったら、もう単純#59120;
ところがオーダーしたところ、「海鮮丼は予約のみになります」ですって。「そんな~聞いてないよ。HPだってどこにも書いてなかったし・・」←これ、心の中の声。そんなの言えません。
考えてみれば海の近くに住んでいて、わざわざ海鮮丼など食べる意味などありませんものね。


それで頼んだものは、鮭のほぐし身の上にイクラがたっぷりのる「おらが丼」です。
おらが丼は、名産の鮭とイクラの親子丼。手前にある白いものは、なんと長ネギ。
特製の醤油ダレに漬け込んだ最上級のイクラは、確かにお美味しい。味付けもちょうど良くて口の中でとろけます。
親子の鮭、その絶妙なハーモニーは「大槌の宝石」そのもの#59130;
カレーにもつくお味噌汁、私は飲まずに来てしまったのですけれど・・・
丁寧に出汁を取った、大槌の地味噌で仕上げたものだそうです。

少量で申し訳ないのですが、奥に並べられていた中から「すき昆布」と「ふのリ」を購入して帰ってきました。
すき昆布は煮物に、ふのりはお味噌汁の実にすると美味しいのです。
                                     
それでも通りがかりの私達としては、何だか話しかけるのさえ躊躇ってしまうような雰囲気が。・・って考え過ぎかな。
震災から2年が過ぎても、まだ何もない状態です。
そこで生きていく重み、失ったものへの悲しみはそう簡単に癒えるものではありません・・・
こんな私でも夫婦で旅をしている姿は、お気楽そうに見えたのでしょうか。
おらが大槌 復興食堂




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山田町を過ぎて、次の目的地の宮古駅です。


構内に停車していたのはどちらも一両きりの車両、見事なローカル線ぶりです。
滅茶苦茶とにかく風の強い中、駅のそばにある観光案内所で2個目のスタンプをゲット。


でもここに来たら・・・そう、この場所だけは足を延ばしましたよ。