ブレッド&サーカスさんのお買い物が済んだら、チェックインにはまだ少し早いものの、宿へと参りましょう。
今回の旅は息子夫婦のプレゼンツという事で、宿のチョイスをしたのも息子達、すべてお任せで我々は行くだけでした。
湯河原は伊豆方面への旅するには必ず通る街、しかしこちらに宿泊をしたのは初めて。。

明治21年創業の老舗旅館、「伊藤屋」さん。


万葉公園や独歩の湯、湯河原温泉の街並みからすぐ、どこへ行くのも徒歩圏内の便利な立地。全15室の小ぢんまりとした旅館です。
門柱・石垣と本館3棟のうちの2棟が、国の登録有形文化財に登録されているのだそうです。
宿の外観から垣間見える・・・創業当時のままのゆがみのあるガラス窓、周囲の木枠からも繊細な意匠が感じられ・・・こういうの好きだわぁ。

            
島崎藤村が名作「夜明け前」の原案を練ったのは、こちらの宿との事。
藤村の遺稿・愛用品。また当時の宿帳と献立もロビー内に展示されていました。
また昭和11年2月26日、 投宿していた牧野伸顕伯を麻布第一連隊の兵士が襲撃した二・二六事件は歴史に残っているのです。

宿の建物は元々、明治天皇の侍従長であった徳大寺公爵が滞在なさる為に建てられた。それぞれの内装は綺麗に新しくなってはいるものの、外観等は当時のままの状態。
登録有形文化財となる一室は、湯河原温泉のポスターにも使われているのでした。

私に合わせてバリアフリー対応の一階の部屋を息子がチョイス。

玄関ロビーから客室まで段差がない、お風呂にも一番近いお部屋です。上り口はもちろん部屋内の境目全てに段差をなくしたバリアフリー対応なのは何よりと思いました。


その上中庭に面しているから木製のテラス付き。開放的なムードが漂います・・・。
小あがりから廊下の両側に広い洗面所、手すりのついたおトイレと水回りが続いて。その反対側に10畳の本間、7.5畳の次の間。そして広縁。

次の間の掃出し側に、私用の簡易ベッドが用意されていました。

            
雪見障子の外の、まだ紅葉の残るお庭。
この冬最後、名残りの紅葉が綺麗です。
表通りに面しているからか、この宿では夜間は雨戸を閉めていました。
これまで色々な旅館に泊まっていますが、雨戸付きのお部屋に泊まったのは初めてです。


早速、爺じと遊ぶこっちゃんの姿が。
宿のお着き菓子は、伊藤屋さんのネーム入り小梅堂の「きび餅」。一休みしても時間がまだ早かったから、温泉街の散策へ出かけました。
           
遠くに見える山にまだ少しだけ、秋を思わせる色彩が残っています。


さて、温泉。四季の移ろいが感じられる露天の岩風呂、段差の少ない造りの半露天風呂と、ふたつの貸切風呂は空いていれば何度でも利用可能なのです。
夕食前に、広めの半露天の方へ。脱衣場も広くて家族で利用するのも問題ない、気持ちの良い浴室です。

半露天へは翌朝も入り、その後せっかくなので岩風呂の方も利用する事にしました。
           
しかしいくら温暖な湯河原とは言え、朝の露天風呂は寒かった、入ってしまうと気持ちが良いのですけどね。
ツルツルしたアルカリ泉で、温泉の温度は適温。
いくらでも入っていられるって感じが強かったです。

お楽しみの食事については、後篇へ。