いまやは世界的な大監督となったジェームズ・キャメロンが生み出したヒットシリーズの、第4作が間もなく公開されます。
「ターミネーター4」、主演は「ダークナイト」のクリスチャン・ベール、監督は「チャーリーズ・エンジェル」のマックG。
「審判の日」から10年後年、30代になったジョン・コナーは人類軍の指導者となって機械軍の支配する世界に立ち向かう。
これを記念して今までの「ターミネーター」三作について、勝手に#59120;振り返ってみたいと思います。



1984年公開の、監督のジェームズ・キャメロンとアーノルド・シュワルツェネッガーの名を一躍有名にした映画「ターミネーター」。
初めてこの映画に出会った時この発想、このストーリー展開は、衝撃でした。

キャメロン監督は後の映画「タイタニック」でアカデミー賞総なめにして、すっかり世界的にメジャーな監督となってしまいました。
監督デビューは「殺人魚フライング・キラー」、その後がこの「ターミネーター」でした。

サラ・コナー=リンダ・ハミルトンを探して、2029年の未来から「スカイネット」と呼ばれる軍事用コンピューターによって送り込まれたサイボーグT-800・ターミネーター=アーノルド・シュワルツェネッガー。
同名女性の連続殺人事件が起きるのが、この映画の発端である。
その直後に、未来兵士のカイル・リース=マイケル・ビーンも、サラの護衛という使命を帯びて未来から送り込まれます。
2018年、人類がスカイネットに核攻撃を受ける「審判の日」。
コンピューター対人間の戦いにおいて、後の指導者となる、ジョン・コナーはサラの息子であったから。
ターミネーターは、「ジョンの母親であるサラを、発見次第抹殺せよ」との命令を受けて送り込まれたのだった。

機械である為に不死身のターミネーターから必死に逃げ続けるふたり、手製の爆弾のみで生身の人間がターミネーターから逃げ延びる課程が、この映画の一番の売り、面白さであった。
超合金の骨格だけになってさえも何度でも起き上がり、しつこく何度でもサラに襲い掛かるラスト。
このシーンの連続は思いっきり楽しめましたし、この不気味さこそがターミネーターの魅力!この映画を見る醍醐味!

そんな中、たった一晩だけのサラとカイルのロマンス。
後のジョンの誕生へとつながる暗示を持たせる場面であった、ただ一度と言うところが切ない。
この映画は結果としては、父と母が子どもの命を必死に護る映画とも受け取れる内容です。

このストーリーをコンピューターの発達前、20年以上以前に考えつき、そこにタイムトラベラーのアイディアも加えたキャメロン監督の発想には感嘆するのみです。
途中で制作費も底をつくなど、公開以前は製作・配給会社からも全く評価されていなかった模様でしたけれど・・・

主役にシュワルツェネッガーが起用されたことも大きな成功のひとつ、当初はキャメロン監督自分の作品の常連である、ランス・ヘンリクセンを候補に挙がげていたとか。
彼はこの作品中では、サラを取り調べる刑事役で出演しています。
後のキャメロン作品「エイリアン2」、次の「エイリアン3」・・・こちらでは前作へのオマージュと言う意味もこめてアンドロイドのビショップ役を演じて存在感を示しています。
しかし(この後、キャメロン夫人となる・・・)サラ役のリンダ・ハミルトンは、どう見ても女子大生には見えないなぁ。
画面が一変して、サラがメキシコの大地を疾走する。そこへ嵐がやって来て、暗い未来を暗示させるラストシーンまで、何度見ても傑作としか言いようがありません。
先週放送されておりましたので、またもちら見してましたが・・・30年前の作品ですから現在のものと比較してしまうと見劣りのするシーンは確かにあります。それでも、時を経ても色あせない魅力をもっている作品のひとつと思っております。


同じくキャメロン監督が1991年に制作した「ターミネーター2」。こちらも圧倒的な知名度を誇るSF映画の名作となっています。
この回では、自由自在に姿を変える液体金属のT-1000型のターミネーターが登場してきて、やはり時を越えて送り込まれたアーノルド・シュワルツェネッガー扮する旧式T-800との死闘が繰り広げられるのです。
ラスト、T-1000は溶鉱炉に落ち、溶けて消滅します。
そして、サラとジョンを守るために未来から来たT-800も自ら真っ赤な溶鉱炉に身を投じて映画は終わります。

次の「ターミネーター3」。
キャメロンは、映画を「ターミネーター2」で完結したものと考えたため、監督もジョナサン・モストウに交代しました。
2004年、青年に成長したジョン・コナー=ニック・スタールは平穏な日々を送っていました。
しかし、T-1000より遥かに最新型の最強のターミネーターT-X=クリスタナ・ローケンが、ジョンのもとへやってきます。
そしてもうひとりこちらもお約束、10数年前にコナー親子を守って燃え盛る溶鉱炉に入って自決したT-800の改良版T-850=シュワルツェネッガーがまたしても登場する。
前二作と同じように、T-Xから逃げるジョンとケイト・ブリュースター=クレア・デーンズ。
T-850が身を挺してT-Xと戦い、ふたりを守る。ここでも、今までと同じ展開が繰り広げられるのです。
「Tー3」で、結局スカイネットは誕生してしまいます。
ジョンとケイトは人類のために生き延びることを運命づけられ、核ミサイルが発射され核戦争が勃発するというラストへ。
この映画のラスト「T-3」には、未来も、ストーリーの目新しさ感じられませんでした。
キャストに魅力がないことも失敗のひとつとなっている、ニック・スタールはあまりにも安すぎて魅力なし。
クレアも気の強そうなキャラは理解できます。でもなぜ今クレアなのか、T-Xと同じく未知の新人で良かったのでは。
シュワルツェネッガーももう最後で良いのではないか、との思いをもったものです。
T-3の敗因。決定的なのはやはり脚本、アイディアの弱さかと私には思われました。
・・・・とここまで悪口を書いてしまいましたが・・・
この映画、明日の夜テレビ放送がされるのです。

これも「T-4」公開への前哨戦ということなのでしょうね。