ナイロビの蜂 [DVD]

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朝から雨模様の一日です。
やはりこんな日は、映画に限る・・・・と言うと、興味のない方にはドン引きされてしまうかもわからなけれど・・・・
今回の映画、このタイトルからナイロビを舞台にした恋愛映画をイメージして見ると、なんか違う~~ってなってしまう映画でした。

イギリス人外交官のジャスティン=レイフ・ファインズ はある講演の場で、正義感の強い活動家の女性テッサ=レイチェル・ワイズに出会います。
お互いに一目で恋に落ちた二人、結婚後ジャスティンはケニアのナイロビに駐在する事になります。
そのアフリカで行われる大企業の不正、見て見ぬふりをする政府。
アフリカの人々の悲惨な生活の状況を目にし、その現実を憎む妻のテッサ。
その活動中に、テッサは何者かによって殺害されてしまいます。
事故とは思えないジャスティンは、真相究明の為にテッサの足取りを追って各地を歩いていく。
それはジャステンの知らないテッサの生き方に、出会う旅であった。
細かいカットの連続で描かれる、美しく輝いていたジャスティンとテッサとの日々。現実と、回想のいりくんだストーリー。
テッサが消された背後には製薬会社のからんだ陰謀が。更には政府高官までがそこに関わっていることを突き止める。ジャスティンは何よりも妻への愛を再確認するのだった。

映画の中で流れるハイテンポなアフリカの音楽、極彩色に彩られたアフリカの大地の美しさは圧倒的と言えます。
一度戻ったロンドンの深く暗い沈んだ風景とは、全く対照的です。
テッサの後を追って向かった湖で・・・・ジャステンもまた・・・・・淡々と、アッサリと描かれたラスト。
巨額の利益に群がる人々を前にした、個人の存在の小ささ。ここに描かれる不条理は永遠のものであると、私にも想像出来た。
この作品の演技によって、オスカーを受賞したレイチェル・ワイズ。
外交官の妻でありながら市民活動家としての強さをあわせもつ女性像を、情熱的に演じました。
ピート・ポスルスウェイト、(ここでも)ビル・ナイなど、存在感のある脇役の演技も魅力です。
主演のレイフ・ファインズは勿論、存在感のある演技を見せる実力派俳優。
これまでにも私がしつこいくらいに度々紹介をしてきた、大好きな俳優の一人です。
以下、これまでにブログに書いてきた内容についてはそれぞれのリンク先をご覧下さいませ。
「嵐が丘」は、こちらへ(→)
「太陽の雫」は、こちらへ(→)
「スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする」は、こちらへ(→)
「 レッド・ドラゴン」は、昨日の日記内へ
「愛を読むひと」は、こちらへ(→)

レイチェル・ワイズは、ブレンダン・フレイザーと共演したハムナプトラシリーズではコミカルで派手なアクションシーンもこなしました。
過去の出演作「アイ ウォント ユー」は見ていたのですね。こちらへ(→)

映画の舞台となったのがアフリカ、主演が同じレイフ・ファインズなので・・・・
小説「イギリス人の患者=(イングリッシュ・ペイシェント)」を原作として、過去にアンソニー・ミンゲラ監督が作り上げた映画「イングリッシュ・ペイシェント」が思い出されます。
第二次世界大戦時の北アフリカ、砂漠で撃墜された飛行機から大火傷をおった男が救出される。名前も解らない事から、彼はイギリス人の患者と呼ばれる。
このイギリス人男性と、現地で知り合う人妻=クリスティン・スコット・トーマスとの恋愛映画です。
患者の記憶の中から、少しずつ回想される二人の出会いと不倫関係。
馴染みのないアフリカの砂漠地帯という舞台設定、たとえそれが不倫であっても生きることの尊さを感じた映画でした。
その後の作品にサエが見られない、アンソニー・ミンゲラ監督の最高傑作かと思います。

今回の作品。
自己中心的とも言えるほどのテッサの強い生き方、ガーデニングにしか興味を持たなかった夫ジャステンが死後に妻の生き方を理解する愛情ドラマ。
サスペンスタッチでアフリカの現実を描いた社会派作品と、ふたつの見方の出来る映画です。

イングリッシュ・ペイシェント [DVD]

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