館内にある三箇所の浴室。
ここには大浴場はありません。
また客室8室の内3室が露天風呂付きですから・・・いつでも、ここではどのお風呂も「空いています」状態なのでした。
三箇所とも源泉掛け流しの上に、空いている時間はいつでも貸切でゆっくりと入浴可能なのって、贅沢な事ですね#59125;
ただひとつ心配していたのは、9月に入っても続いていた強力な残暑でした。
この付近の温泉は、6月の天童温泉にしても、それ以前に入った蔵王温泉、白布温泉、小野川温泉とどこも高温な温泉ばかりなのですもの・・・

アプローチから客室側とは反対に位置する、夜の喫茶店「とちり屋」。
館内のほぼどこでもそうでしたけれど、他の宿泊客の姿はほとんど見ることがなく静かです。
BGMが流れる中、この場所もコーヒーや冷たい麦茶、駄菓子がつまめるように用意されていました。
とちり屋に入ると独特の温泉の匂いが!この内風呂からいきましょうか#59144;

入浴後着替えて涼んでいたら・・・帰り支度をしたスタッフさんが。
「お風呂は熱くなかったですか。この浴槽が、源泉に一番近いものですから。」「ここの温泉は、一応は飲めますけど・・・特にお勧めはしていないのです。」
私達「どこから、通って来ているの」「ホントに近いので、これから自転車で帰ります。」
他にも色々とお喋りをしたのでしたが・・・・「お疲れ様でした~~」「また明日、お目にかかります。どうか、ごゆっくり~~」
「おやすみなさ~~い」

翌朝は、なんと5時前に起きてしまっていた夫。日本酒とワインが効いて、熟睡してしまったそうです。
そして、「風呂へ行くぞ!」って。
まだ明けたばかり、夜の気配が残る露天風呂 【洵】じゅん 。小さいけど岩で囲まれた露天風呂です。

夜明けの空を眺めながら入りました。

最後に入った内湯 【温】 ぬくもりは、中庭を眺めながら入る内風呂です。
浴室全体も、洗い場も広くて・・・・私はここが一番良かったように思いました。
浴室のすぐ外には、廃湯を溜めておいて冬の時期に融雪の為に使う池があります。それだけ多くの積雪があるということなのですね。


どこもこじんまりとはしているものの、部屋と同じでシャンプー類は全てPORA、タオルやバスタオルはいくらでもどうぞって。
源泉の温度は60度以上なのですから、確かに熱い。でも朝晩はさすがは東北・・・浴衣の上に羽織を着るくらいの温度でしたから、サッパリとしてこれも気持ちが良かったです。
帰りには、飲泉所で源泉をペットボトルに積めて帰ってきました。


お会計の際に、手渡されたのは新聞紙で作ったエコバッグ。中身は源泉で作ったという温泉卵です。
こんな何気ないものでも頂く事は嬉しい事#59126;
出迎えから見送りの際まで私達に付いてくれたスタッフのお姉さん二人。
最初から最後まで、大変熱心にサービスを心がけている様子がこちらにまで伝わってきました。
ここは、お部屋も、料理も、お風呂も接客も全て、☆☆☆な宿#59130;でした。
気になる料金は、3月に宿泊した鎌先温泉の「湯主一條」とほぼ同じ。
一條はレクサスにチョビッとだけ乗せてくれたし、サプライズで楽しませてくれたし、男性用の大浴場にも#59142;入らせてくれたのですけど・・・・
どちらか選ぶとしたら。こちらの方かなって思いました。

大型ホテルと差別化し、カップルや家族ずれに特化したコンセプトで経営されているこの旅館、私はかなり気に入りました。
次回は、別のお部屋に泊まってみたいものと思います。
「違う季節に、また泊まりに来ますから」と言いますと・・・・すかさず、「来月になると、マツタケがでますから」って。
来月は無理だけれど・・・出来たら桜の時期にでも再訪したいものです。山形の桜の名所として名高い「置賜さくら回廊」、夜の祭り会場近くの烏帽子山公園千本桜、どちらも綺麗でしょうね#59117;

民話「鶴の恩返し」の発祥の地は、ここ南陽市なのだそうです。
地域に口伝えで残されてきた鶴の恩返しをはじめとする多くの民話を、これからも伝えていくために夕鶴の里資料館、語り部の館がつくられています。
資料館内の「金蔵の家」・・・昔の民家の内部を再現してあります。隣りは、鶴女房が機を織っているところです。
館内のホールでは、絣の上着を着た語りべのおばあさんの語りを聞くことも出来ました。