今年の冬の寒さは格別のもの、それでもこの辺りでは桜が咲いています。こちらで咲くのは初島桜。
温暖な伊豆に比べてさえも熱海・初島は桜の開花が早くて、二月の声を待たずに咲き始めるようなのです。

館内から出て真っ先に目に入るのは、ホテル前の池の側にある花壇でした。
ビオラやパンジー、アリッサム、ノースポール。それにストックまでが地植えにされています。そんな花達が、色とりどりに咲き乱れている様子は、目にしただけで和みました。
こちらでは当然、季節ごとに花の入れ替えもしているのでしょう。

写真には撮りませんでしたが・・・温暖な気候に似合うツバキの花。そして菜の花も。
まるでロウ細工のように艶のある花弁をもつロウバイも咲いていたはずです。ロウバイは独特の雰囲気を持っていますね。



上品な紅色をした、紅梅の花です。
春の到来を一番に告げる、梅の花。桜のような華やかさこそありませんが・・・冬空の下でしっかりと咲いています。


こちらは、白い花弁の梅の花です。
紅梅とはまた違ったイメージ、情緒豊かな印象が感じとれました。
まだ蕾も多いから、二月中旬を過ぎた今頃が満開なのかもしれません。

越前水仙は至るところで咲いていました。お隣のゼラニウムと共に島のあちこちで見かけます。
どちらの花も潮風に対応している様子で、ゼラニウムは外気の中色鮮やかに美しく咲いていました。
              
初島の冬を華やかに彩るのは、アロエの花です。
ろうそくの炎のような房をすっと立ち上げた、冬である事を一瞬忘れさせるような南国のいでたちが見事ですね。
ツヤツヤの葉っぱに、小さいけど目をひく黄色の花。しっとりとした趣をもつ花はツワブキ。




静かな初島漁港の様子。
私達の乗船を待つイルド・バカンス号。これは前日に乗ってきた、帰りの便かと思います。
その先の堤防には、釣り糸を垂れる太公望達の姿も見えます。
船の待合室の前に、にゃんこの餌場がありました。
私達が夫と荷物、イルド・バカンスの乗船時間を待っている間に、数匹の猫ちゃんがここへ餌を食べにやってきていました。

「こうして、ちゃんと餌がもらえて良かったね」と、思って見ていたのですけれど・・・・
ここにくるまでには、初島と初島で暮らす猫ちゃんの間に悲しい物語があったようです。
ホテルができる前の初島は殆どの土地が畑で、夏以外の季節は観光客もあまり来る事がないから、島の人々は漁や畑仕事をして暮らしていたそうです。
しかし畑の作物食い荒らすネズミが増えた為、ネズミ退治用にと島に猫を連れてきた。
その後、増えすぎた猫に対しての餌やり禁止。周囲が海に囲まれている島、面積に応じて餌がなくなり、病気にもなり次々と餓死していった猫ちゃん達。
私は特に猫好きでもないし、動物愛護の精神にあふれているわけでもありません。
ただの観光客として島を一度だけ訪れただけの事。そしてこの情報がどこまで真実に基づいているのかも、定かではないことです。
それでも・・・
現在、島民と共に猫ちゃんたちがのどかに暮らしている事って、にゃんずにとっても人間にとっても平和で幸せな事なんだなって思ってしまいます。

訪れたのは二月初旬でしたのに・・・島にいる間中、とにかく温かいと感じました。
周囲の景色。こうした花の姿や香りによって、春真っ盛りのような錯覚にとらわれたのでした#59125;