ブラック・スワン [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD


ニューヨーク・シティ・バレエ団に所属するバレリーナのニナ=ナタリー・ポートマンは、ステージママの母親と二人で暮らしています。
部屋に並べられているパステルカラーのぬいぐるみ達、潔癖症で大人しめなそのファッションからも、バレー一筋できたことが伺えました。
優等生タイプのニナは、踊りに問題はないものの…プリンシパル(主役級ダンサー)まではあと一歩といったところにいるのだった。

厳しい経営状況になった事から、芸術監督のトーマスは盛りを過ぎたプリマバレリーナのベスに引退勧告を出す。
そして、新シーズンの演目としては「白鳥の湖」が。
その新女王としてニナが抜擢をされました。
レッスンは厳しさを増していき、「白鳥はいいが、黒鳥役としては魅力が感じられない」と監督からののしられたり、誘惑をされたり・・・
違ったイメージのふたつの役を表現するには技術的なものだけでなく、情熱や魔性、精神的な強さが求められるのでした。
主役を踊る重責と、主役の座を狙うダンサのーヴェロニカやリリーの存在など・・・精神的に追い詰められていくニナ。
映画の中では現実と、ニナの妄想が入り混じって描かれていきます。
初日の舞台が始まって、フィナーレまで踊りこなしたニナ。狂気と、恍惚の入り混じった表情で踊る彼女。

          
全体的に暗いトーンの・・・舞台以外でも、屋内シーンの連続です。チャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」も含めて、使われている音楽も効果的!!
ニナが黒鳥そのものに変わっていく幻想シーンは、緊迫感と迫力が満点でした。
映画のラスト、最高の瞬間を手に入れたニナでしたが。。。。

監督であるダーレン・アロノフスキーは、前作「レスラー」でも、すでに過去の人となってしまっていたミッキー・ロークを見事に復活させました。http://hana2009-5.blog.so-net.ne.jp/2010-10-04
本作では、ナタリー・ポートマンのイメージを変えさせるほどの演出ぶりで。彼女自身の努力にもよるものだが、ナタリーをオスカー女優へ仕立てあげました。
ナタリーは演技をしつつ、ダンサーのように自らの身体でニナを表現しています。
シーン毎の表情の変化は勿論、全ての部分を、官能的なシーンも含めて演じました。

ナタリーと言えば、「スターウォーズ」シリーズ、「レオン」は勿論ながら・・・「ブーリン家の姉妹」でのアン王女役を思い出します。
王の愛を得ようと、妹に負けまいとする必死の形相のナタリーも見ものでしたけれど・・・
「ブーリン家の姉妹」については、こちらへhttp://hana2009-5.blog.so-net.ne.jp/2010-04-30

自分の果たせなかった夢を娘に課して一体となろうとする、過剰な期待を寄せて支配する母親。
どこかで見たことがあると思ったら…キアヌ・リーヴスとのラブコメに出演いたバーバラ・ハーシーです。ニナが精神を病んでいく原因の一つである、この母親の存在は怖いです。役が似合いすぎます。

ジョニデと共演した「シザーハンズ」や、「ドラキュラ」「若草物語」等…キュートな容姿で愛された、90年代を代表する女優ウィノナ・ライダーが、ベス役で出演をしています。
またこちらでも、その変貌ぶりにも驚きました。
芸術監督役ではフランスの俳優ヴァンサン・カッセル。夫人は、美人女優として有名なモニカ・ベルッチです。

この映画の競演がきっかけとなって、プリンシパル兼振付師のベンジャマン・ミルピエと結ばれたナタリー・ポートマン。
オスカーの授賞式には大きなお腹で出席。すっかり一流の大人の女優になりましたね。