今度は愛妻家【通常版】[DVD]

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: DVD


以前は売れっ子カメラマンだった俊介=豊川悦司、そんな彼も今ではカメラマンの仕事は勿論、何もせずに荒んだ毎日をおくっている。
健康マニアである妻さくら=薬師丸ひろ子からは日々あれこれ言われながらも、ただ惰性で生きているのです。
ある日、二人は沖縄旅行に行くのだが、その日を境にして二人の間には微妙な変化が現れ始めるのだった・・・

舞台となるのは夫婦が暮らす家と庭のみ。登場人物の数も限られた独特な空間である。
他には助手の誠=濱田岳と、オカマの文太=石橋蓮司、女優志願の蘭子=水川あさみ。
俊介役のトヨエツは、自己中で無神経な言動をする男の役柄に違和感がありません。
石橋蓮司はクセのある人物、または悪い人をやらせたら外れなし・・・・そして私達世代であったら、女優・緑魔子との異色のカップルとしても。
数多くの出演作はあるものの、最近では原田芳雄さんの遺作となった「大鹿村騒動記」で共演。
葬儀の時に弔辞を読む程のお付き合いをされていた様子でした。
ここでは、オカマのおじいちゃん役を楽しげに演じているのが印象的です。

濱田岳は、昨年の阿部ちゃん主演のリメイクドラマ「幸福の黄色いハンカチ」が私はお初でした。他にもテレビコマーシャル等、様々な活躍をされている模様。

俊介に写真を撮られている時の表情はとても可愛くてイキイキとしているものの・・・相変わらずな甲高い声、チョコチョコとした動きの薬師丸ひろ子からは、「かもめ食堂」の姉妹映画の「めがね」。その中でのペンションの主人役が思い出されてしまいました。

全ては、一年前の沖縄旅行にあったのだった。
以下、ネタバレになってしまうものの・・・

俊介だけにしか見えない、俊介だけが会話を交わす妻のさくらは…彼の見た幻影だったのだ。さくらがずっと同じ服装でいるのもそれで納得!
しかしこのオチって、ハリウッド映画の「シックス・センス」と同じです。

互いの存在に疲れて飽きがきてしまった夫婦。それでもその存在って、思っている以上に大きなものなのでしょう。
長く共に暮らす伴侶の存在、それは失って初めてわかる事のひとつなのかも。何気ない日常の幸せは、永遠に続くものではないのだって事も。。。
映画のラスト井上陽水の歌う、けだるさの漂うエンディング。
観終わって思うのは…「今度は愛妻家」。男性にとっては、正にタイトル通りでありましょう!


今回楽天のレンタル会員となりました。タイトルを見てランダムに選んだ映画、そこで今回送られてきた数…何と9本!!
今日からしばらくの間、ムリクリ繋げて紹介したいものと思います。


ぐるりのこと。 [DVD]

  • 出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)
  • メディア: DVD


さくらが俊介の見続けた幻影であったなら、彼女は鈴木光司の小説「リング」「らせん」での山村貞子役で注目された・・・って意外だわ!
木村多江=薄幸が似合美人、日本一不幸役が板につく女優のイメージが強いのだ。

映画「ぐるりのこと」は・・・・
どこにでもいる平凡な一組の夫婦が、生まれてすぐの子供を亡くしてしまう。その現実を10年の歳月と共に、乗り越え生きてゆく姿を描いた。
先の作品がカメラマンだったら、本作の夫は法廷画家という職業。このリリー・フランキーはとてもいいです。

我が子の死という最大の悲劇に見舞われた夫婦。
妻の翔子=木村多江は、悲しみに耐えきれず精神を病んでゆく。そんな翔子を淡々と静かに見守る夫。
主演の二人がどちらも静かでおっとりとしたムードをもっているからか、そんな人生であってもぶれずにあきらめずに生きていく姿。そこに迷いのない精神性が出ていて、その点も良かったです。

リリー・フランキーが出演している大○ハウスのテレビCM。深津絵里の旦那さん役って、この映画からオファーをされたのかしら。

どちらの映画も、それぞれの夫婦の絆を描いた作品でした。
人の一生って、自分で思うようには上手くいかないもの。楽しい事や幸せな時間事よりも、寂しかったり、大変な事の方がずっと多い。
でも一瞬でも輝いたと思う時があったとしたら、自分を肯定してくれる誰かとつながっているとしたら…
人生ってまんざらでもないよ!! と言う内容に思えました。