山形県酒田市を代表する観光スポット、山居倉庫(さんきょそうこ)とケヤキ並木です。
            
江戸時代、北前船交易の一大拠点として栄えた酒田。
市の中心部には豪商の屋敷や料亭が今も残り、往時の栄華をしのばせています。
米どころ庄内のシンボルとして、これらの場所は外せません。
ケヤキの緑と、建ち並ぶ黒く塗られた倉庫とのコントラストが美しい#59130;風情ある景色が楽しめました。



山居倉庫は、ホテルから歩いてすぐのところにある農業倉庫。最初は「さんきょっ」て、読めませんでした。これは地名のようです。

.
巨大な三角形の屋根が連なっている様子は迫力と、独特なムードです。

朝の連続ドラマ「おしん」って、古っ!・・・の撮影により放送後、は同じく舞台となった銀山温泉と共に人気の観光スポットとなりました。


明治初期の地租改正で農政が混乱したため、明治26年(1893)に酒田米穀取引所の付属倉庫として建てられたのが始まりであった・・・山居倉庫は、舟への積み下ろしの利便性をも兼ね備えて新井田川の側に建てられている。
現在12棟からなる倉庫群は、明治期から昭和初期までいくつかの倉庫が建設・移設され、現在の倉庫数となっているのだそうです。


昭和14年(1939)に米穀配給統制法施行により、酒田米穀取引所は廃止されたが。。。米を入れる倉庫は自分達で所有したいと、昭和33年に庄内経済連の連合農業倉庫となりました。
現在は敷地内に資料館やお土産屋もあるものの、百年たった今も農業倉庫として活用されているのでした。

山居倉庫には幾つかの特徴があって、それは実に考えられた造りであり、先人の知恵が伺えるものとなっています。
ひとつめの特徴は、屋根が二重構造になっている事。
これは土蔵と屋根の間に空間を作り、風通しを良くすることで土蔵内の熱を上げないようにしている。
屋根と土蔵に空間を作ることで、直射日光による伝導熱を逃がしているのだ。
また俵から出る熱も放散していて、倉の内部は湿気防止構造で組み建ててあるのだと・・・。

背後を囲むケヤキ並木は、日よけ、風よけの役目を果たしていて…自然を利用した低温管理が行われるなど、時を経ても農民たちの知恵と見識の高さ。自ら作ったお米の品質を守るための工夫を、随所で目にすることが出来ました。
日本海からの強風を防ぐ役割を果たしているケヤキの木々。
庄内は海に面する土地なので突風が吹くこともあり、ケヤキ並木で風を分散しなければ、建物の屋根部分などが壊れ飛ばされるのであろう。
またこのケヤキ並木は、夏の西日を防ぐ役割も果たしています。



百余年の時を重ね

当時の面影を、今に伝える  

米どころ・庄内の、歴史と誇り。



歴史ある倉庫を観察した後は、倉庫脇の川にかかる歩行者専用の三居橋の上で一休み。