明治期に多くの外国人が訪れ、国内リゾートの草分けとして発展したのが箱根宮ノ下です。
セピア通りと名付けられたメインストリートを歩いてゆくと・・・箱根寄木細工を扱うお店に、アンティーク品の並ぶ美術商。
ここで撮影されたと・・のチャップリンや三島由紀夫、ジョン・レノン夫婦の写真がウィンドーを飾る写真館など、歴史を感じさせるショップが建ち並ぶ様子を目にします。

今から130年も前に建てられて、今もなお憧れのホテルとなっている・・・箱根富士屋ホテルは1878年(明治11年)創業の本格的クラシックホテルである。
ここは宮ノ下のマストな定番スポット。箱根のランドマーク的な存在と言えましょう。

ホテルのシンボルとして愛され続けている「フラワーパレス=花御殿」は、中でも一番人気の宿泊施設。

唐風を取り入れた和洋折衷の木造建築である本館の建物は、明治の建築様式を現代に伝えています。
創業当時から「外国人を対象とした本格的なリゾートホテル」をめざした事により・・・宿泊客に外国人が占める割合が高く、外国人専用であった時期も長かったこともあり、日本文化を伝える展示や工夫がされているのだとか。
ジョン・レノンとオノ・ヨーコが滞留していたり、他にもかつてはヘレン・ケラーやC・チャップリンも宿泊しているのです。

国内で初めてのリゾートホテルとして開業したものの、第二次大戦後は進駐軍による接収時代も経験。
昭和29年(1954年)の米軍への施設貸与の終了後、ようやく一般営業を再開させました。この日が富士屋ホテルの新たな一歩の幕開けと言われています。

           
日光東照宮をモデルにして建てられたとの、ダイニング棟。
同じクラシックホテルとして外観からも、日光の金谷ホテルと共通するムードが感じられます。
きっと歴史と伝統があるから見逃せないポイントも多いものと。。
宿泊をしなくても利用できるスペースはあったものの、時間がなく館内へは入りませんでした。


宮ノ下には有名なパン店が2軒ほどあるようですが、そのうちのひとつは富士屋ホテルに隣り合う「PICOT」、ホテル直営ベーカリーです。
そしてもう一軒はそんなホテルと並んで建つ、富士屋ホテルの歴史と同じく・・・1891年(明治24)創業の「渡邊ベーカリー」。食パン型の看板が可愛い。


箱根で最初のパン屋さんは、今も訪れる人が絶えない人気のパン屋さんです。ここで焼かれたパンは箱根各地のホテル、レストランへも卸しているのだそう。

外はカリッ、中はしっとりのフランスパンの中にアツアツのビーフシチューが入った温泉シチューパン。小田原産・梅干が丸ごと入った梅干あんぱんも人気のひと品。
場所柄、並ぶパンのお値段は全体的に高めです。

そう広くない店内の一角に設けられたイートインコーナーで、私も熱々を頂いてきました。


オーダー後間もなく運ばれてきた、これが噂の「温泉シチューパン」なり!
丸いフランスパンの上が薄くカットされて蓋になっています。そしてパンの中がくりぬかれて、熱々のビーフシチューがたっぷり入っていました。
スプーンでシチューをすくい、パンと共に頂きます。
シッカリとした濃いめの味付けのシチューと、パリッとしたパンの相性はとても良くて・・・
熱いところをフーフーしながらシチューを食べ、パンもふやけてしまうから早めに食べないと。。
しかし、無事に完食しました!
箱根駅伝の時もこちらのシチューパンは、観客にもふるまわれると言う。

渡邊ベーカリー




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写真からもうかがえるように、木枯らしの吹く寒い一日。
特にここ宮ノ下は地形的なものもあるのか、他の旅行客の皆さんも「寒~~い!」。
それだから余計に、美味しく感じたのかもしれません。

そこでせっかくの箱根、肝心のアレもありますので。。。それは次回に#59063;