本州のさいはての街、青森。その青森から…更に北上をする一日でした。

本州最北の地へ向かうのは・・・「リゾートあすなろ号」。
今回の津軽半島行きが「リゾートあすなろ竜飛号」。そして昨年乗車した、下北半島行きは「リゾートあすなろ下北号」なのです。

列車の名前の由来は・・・青森の県木「青森ヒバ」の別名で、明日への希望をイメージさせる言葉「あすなろ」から。
車体のカラーリングは、夏祭りの熱気を表す「赤」。下北半島に咲く菜の花畑の「黄」、豊かな森をイメージした「緑」の3色で・・・これまた青森らしさを表現しています。
ハイブリッドシステム搭載の新型車両ディーゼルエンジンとリチウムイオン蓄電池を組み合わせて走るHB-E300系。
この日車掌さんに伺ったところでは、長野から山梨への小海線を走る車両を参考にしたとの事。

青森駅に早く着きすぎてしまったから、ホームに到着する列車を見ていました。
          
これは昨年11月に乗った、「特急つがる」と同じ型の列車。


反対側に入線していたのは、「青い森をイメージしたキャラ=モーリー君」がペイントされた「青い森鉄道」の「八戸行き」。隣りに入線していたのはJRの回送列車でした。

10:09分の発車時刻が近づいたので、乗り込みます。
          
運転席後部の展望室、設置をされたソファの座り心地はイマイチながら・・・見晴らしの良さは一番ですものね。

リゾートあすなろは前回の下北も、今回の竜飛も、二両編成で全く同じものでした。
しかし竜飛1号の停車駅は、新青森、青森、蟹田、終点の三厩のみ。
津軽半島の最終駅名が「三厩」であるって、知っていました?大体が「三厩=みんまや」なんて読めないし#59142;


後方の展望室で、津軽三味線の生演奏や歌、津軽弁の語りが行われました。

海から離れた土地を走る場合、どうしても退屈をしてしまいがちなものです。そこで、このような特別サービスの用意がされているのですね#59126;
遠く離れた土地で、聞きなれない言葉や言い回しを聞くと・・・違う土地に来たと実感します。

実はこのお二人。
発車を待つ間に入った待合室で、ご一緒したのです。
家の息子も楽器の演奏をするから、楽器ケースを持ち歩く姿は身近なものであるけれど・・・長~いケース、丸い太鼓状の入れ物。そして年齢もムードも全く異なる、このお二人。
しかし会話の様子から、これから乗車される津軽三味線の演奏者である事がわかったのでした。
運行会社の依頼によるもので・・・「拘束時間ばかり長くて大変なんです。(それはこの列車は終点まで行ったら、用事ももないのにその場に2時間半余り待機し、折り返しとなる・・・あすなろ竜飛2号で帰ってくるしかないのであるから)
その日によっては乗務員ばかりで、お客さんゼロの日もありましたし・・・」ですって。


迫力ある力の入った津軽三味線の音は、郷愁を誘います。
たぶん私の想像を超えるものであろう、凍てついた大地の寒さ。猛烈に降る雪、長い冬の強風と・・・
その地に住む人々の生きる力、忍耐強さを込めた津軽三味線の演奏です。
地元の方の思いの強さ、楽しんでいってもらいたいと思う・・・心がそうさせているのかもしれません。

        
「津軽」を耳で感じながら、時々は・・・変わりゆく風景も楽しむ。
津軽三味線のイメージにつながらなかった、若くてキュートなお姉ちゃま、やはり美人はトクネ#59128;

                       
演奏前は普通のパーカー&Tシャツ姿でしたが、こうして見るときまってます#59125;
お歌もとても上手でした。売れるかもしれない!?
秋田~青森間の「リゾートしらかみ」で経験済みではあったけれど、このようなサービスは何度でも良いと思えます。

途中目に飛び込んできたのは、建設中であった北海道新幹線の橋脚。


「津軽今別駅」だったかと思いますが。。


朝の内の曇り空が、何時の間にか…スッカリ青空に変わっていました。


海沿いを走る路線なのに・・・色々遮られて…中々海が見えずらかった。しかし蟹田の手前辺りから見えてきて、海が近いと実感させられます。


蟹田駅のホームには太宰治の自伝的小説「津軽」の一節。
「蟹田ってのは、風の町だね。」・・・の言葉を刻んだボードが立てられていました。


そして終点三厩駅は、JR津軽線の終着駅です。
終わりの線路は、車庫へと続いており・・・・
三厩駅から竜飛岬までは、約14キロ。津軽半島最北の地に来たことが痛感させられます。

青森の二大半島を巡る、リゾートあすなろ。陸奥湾を挟んである、ふたつの半島にはそれぞれの魅力があります。
ゆとりのある座席に大きな窓が特徴の列車で、青森の景色を眺める私達。
しかし、見事な程なんにもない駅・・・三厩にに到着後。ここで待っていたものは何?
続く・・・。