九州鉄道は1891(明治24年)門司港を基点に、高瀬駅(今の玉名駅)まで開通しました。それが九州における鉄道の幕開けであり、以後門司港は九州地方の陸の玄関口として大いに繁栄を続けました。

駅前の駐車場に車を置き駅舎まで。
フロントに置かれていたパンフレットを見て、時間的にもちょうど良かった事から、門司港レトロ地区と関門海峡和布刈地区とを結ぶ観光路線観光列車「 トロッコ潮風号」に乗ろうとしたのです。
閉まっていたから変だと思ったら、観光列車だけに11月までと期間限定の乗車のよう。。。
  
          
1914年(大正3年)開業の・・・ 駅舎そのものが国の重要文化財である、JR門司港駅です。
しかし私達が訪れた時、駅舎は仮囲いが設置された。改修工事の最中でした。
イタリアのテルミニ駅を参考に造られた、左右対称のルネッサンス様式の美しい駅だと言う。
テルミニ駅はイタリア・ローマの玄関口であり、映画「終着駅」の舞台となったところです。
気になる方は、こちらを→http://www.adnet.jp/nikkei/kindai/08/

改札口手前の通路で、小さな古い水のみ場を発見。
          
水のみ場の開設は、門司港駅の開設された年まで遡る。
この場所を行き来きした人々は、構内のこの場所で水を飲んで旅の疲れを癒したのでしょう。
特に第二次世界大戦が終わってのちは・・・復員兵や大陸からの引揚げ者が、門司に上陸出来た安堵の思いで喉をうるおした・・・その事から、誰が言うともなく「帰り水」と称されるようになりました。


駅舎そのものが国の重要文化財であるのも納得される・・・戦前の古い部屋、施設、調度を含めてうまく転用した待合所やホーム。。
ここに佇んだら、気分が大正から昭和初期へとタイムスリップするのは間違いなし。
太い鉄骨の梁や柱は、まさに「西洋」そのもの。
八幡製鉄所をこの地が背景に抱えていたのも関係するだろう。

切符売り場にしても、右から左へと読んでいく旧字体が使われています。駅員さんはJR九州の制服とは違う、黒い詰襟姿。

          
開業当時の鉄道員の制服を再現、着用しているのです。写真を撮らせてとお願いしてみたら、こんな素敵なお顔で応えてくれました。(目の部分だけ一部モザをかけていますが・・・)
また女性駅員さんは袴姿だそうです。
ただし改札口だけは現代、色あいは抑えてあるものの自動改札なのでした。
昭和二十年代最後に生まれた私でさえ、ほとんど記憶していない光景。
それなのに懐かしい思いが・・・。
この駅に降りたった時の人々の悲哀、心の奥底に秘めた温かさ。ぬくもりも。。。

大正の世から周囲の変貌はあったが・・・1942年の関門トンネルの開通により、駅自体も変わらずをえなくなった門司港駅。
トンネルの出口が隣の大里駅構内だった事から、それを機に「門司駅」は「門司港駅」と改称されて・・・大里駅が新しい「門司駅」となり、現在に至っているのである。


「旧門司三井倶楽部」の建物。
突然ですが・・・門司港の「焼きカレー」と言えば、ご当地グルメ。私は知らなかったけど、有名だそうです。
時間経過としては、午前中に小倉まで足を延ばしているのですけれど・・・そちらについては、次回に。

港周辺では至る所に「焼きカレー」の幟がはためいて、30店舗以上の店舗で焼きカレーが提供されていると言う。
門司港の名物料理として親しまれた「焼きカレーは、MAPが作成されるほどご当地グルメとして定着しているのです。
焼きカレー専門店「伽哩本舗 門司港レトロ店」は、焼きカレーブームの火付け役ともなった有名店。
          

平日のお昼時だけにサラリーマンさんの姿、またそのほか観光客も多く来店していました。
平日だったから待たずに食べられたのですね。

客足が途絶えた時にササッと一枚#59009;写っていないけど左側の窓際に座れたら、素晴らしいロケーションも楽しめますよ。

    
ご飯にカレーソースをかけて、卵。そしてチーズをのせてグラタン・ドリア風にオーブンで焼いた料理が「焼きカレー」。
平日ランチの、日替わりをオーダーしました。カボチャとキノコのカレーだったかと思います。
オーダーの時に辛さの度合いを尋ねられますが、私は「普通」でお願いしました。
香しくて、最後まで美味しく食べられる・・・私の様に食べるのがユックリでも、最後まで熱い焼きカレー。テーブルの上のスパイスを加えて辛さを変えるのも可能。
カレーに、卵にチーズとカロリーは高いけど・・・もうチョッと食べたかったかもって思った#59126;


とても気持ちの良い青空の下、海辺の眺めは眩しいくらいでした#59130;

こちらも同じく、カレー店の前から写した「旧大阪商船」の建物。
大正6年に建てられた大阪商船門司支店を復元したとの、八角形の塔と鮮やかなオレンジ色の煉瓦の外壁が目立っていました。
その先の突き当りに見えるのが、門司港ホテルです。

街中のどこに目をやっても、レトロなムードが満喫出来る!
往時のの面影を偲ばせる古い街並みをうまく活かして、都市型観光地をめざした「門司港レトロ」。
福岡で産出された石炭と、そこで働く人々の労働で栄えた港町は、海峡を望むオシャレな街に変身したのです。しかしそこに身をおいてみると、それだけでは言いあらわせない独特なムードが感じられるのでした。



旧九州鉄道の本社屋として使われていた建物を保存して、九州の鉄道にまつわる資料や備品を展示した。
建物外には九州で活躍していた車両が展示されている、九州の鉄道の歴史や文化を学べる・・・九州鉄道記念館は、次回の宿題に。。
足を伸ばせば、関門海峡を挟んで山口まで行き来できる…土地なのでした。