プラダを着た悪魔 (特別編) [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD


先週テレビ放送をされた「プラダを着た悪魔」。
主演がメリル・ストリープ、そしてこのタイトル・・・で、ハリウッド映画特有のあざとさが想像されてしまって敬遠していた映画でしたけれど、見たら面白い映画でした。

ジャーナリスト志望のアンドレア=アン・ハサウェイは、NYの一流ファッション誌編集部でカリスマ編集長ミランダ=メリル・ストリープのアシスタントとして働くことになる。
一見、誰もが憧れる夢のような仕事。
しかしその内容のハードな事、ミランダの私生活まで含めた要求の数々に振り回されっぱなしの日々が始まるのだ。命令は絶対服従、そしてすべてが大至急!
この主人公と同様「ヴォーグ」誌で編集長アシスタントをしていた経歴を持つ著者が、自らの経験を元に書いた小説が元になっているのです。
描かれているオフィスの様子は、半端じゃない仕事量とスピード。そこから世界をリードするファッションが作られていくのでしょう。

ダサダサのアンドレアが見ているほうもビックリしてしまうくらいに変身するところも、この映画では見所のひとつ。
元々顔ちっちゃいし、手足が長いから・・・・こういうのを見ると、日本人の洋服に対する限界が見えてしまいますね。
「プリティ・プリンセス」と本作とのヒットで、アン・ハサウェイは今や引っ張りだこの人気女優の一人となりました。

鬼編集長役のメリル・ストリープは舞台俳優としてキャリアをスタートさせた演技の虫、役者○○と言われるロバート・デ・ニーロと同じく、どんな役でもこなしますって感じ。
気の強い、キャラの強い女性が好きな私、彼女の泣きの演技は上手と認めるものの・・・
年齢と共に益々尖がっていく冷たい性格を現すようなあの鼻とあごの線、以前からメリルのことはあまり好きではありませんでした。
ここでは悪魔よろしくその特徴を最大限に生かして、憎たらしさ全開です。
しかし最後に、退社してしまったアンドレアが車に乗り込んだミランダに挨拶をするシーン、ほとんど無視に近い無表情の後で、そっとかすかに笑みを浮かべたところは好き。
本作品の演技によりメリルはアカデミー賞に15度目のノミネート、オスカー像は先日紹介した「愛を読む人の」ケイトに持っていかれましたけれど。

他のキャラクターもみんな個性的。
周防正行監督の日本映画をリメイクした「Shall We Dance」の中で、竹中直人役をやったスタンリー・トゥッチが、アンドレアをオシャレに変身させてしまう魔法使いのおじさんとして大活躍。

大都会のマンハッタンとかは別として、アメリカ人てオシャレとは程遠い人が多くありません?
そこまででなくとも、ハリウッドのセレブなどもブランドで固めているのはそれ程多くいるわけではないかと・・・
大スターと言われている人が映画の宣伝のために来日した時とかも、全く普段着のジーンズ&Tシャツ姿。
でも着慣れているから、あとスタイルが良いから様になってしまうのですね。
それに引き換えわが日本人、アルマーニのスーツを着ていても、あ!ヴィトンのTシャツが得意のHえもんさんとかもいましたけれど。言われないと全然解りませ~ん。

ともかく映画の舞台はNY、着せ替え人形のようにアン・ハサウェイが次々と着るファッションは素敵、素敵。
ファッション界の馬鹿馬鹿しさも描かれていたと思いますし、ストーリーのテンポよし、映画の後味も良くて、とても楽しい映画でした。