以前からリンクしている名古屋にお住まいのAさんが、名古屋ボストン美術館へ開催されている17世紀から19世紀の西洋植物画の展覧会へ先日行かれたとの事でした。
その時に私が植物画を描いていた事を思い出されたとのこと。そして、絵画を載せた図録を買い求めて送ってくださいました。
その美術館は自前の収蔵品は一切なく、企画ごとにアメリカのボストンから作品を運んで展示するスタイルのボストン美術館の分館のようなものだとか。

展示の内容は・・・「永遠(とわ)に花咲く庭―17~19世紀の西洋植物画展」



近代のヨーロッパで、写真技術の発達前に隆盛を極めたのが植物画でした。
この表紙を飾るのはエングレーヴィングの描いたアマリリス・・・「ロンドン園芸協会紀要」。
鮮やかさの中に深みのある濃い赤で描かれたアマリリスの花からは、実際のものよりも優美で、高貴な様が見てとれるように思えます。
付録として、日本語の文書のみの解説書が付いていました。

時代は15世紀末からの大航海時代以降。
南米などの外来植物が流入する事による植物の生態を記録する観点、それにプラス花々の美しさを愛でるという鑑賞の目的とを背景にした植物画の発達がありました。
植民地の広がりによる、異国の植物への関心の高まりがあったのです。
貴族階級から広まった庭園造成が、ガーデニングとして庶民に波及して、さらに印刷技術の発達によって、「植物画の黄金期」といわれる一時代が形成されたのだそうです。
そんな黄金期に制作された100点余りの秀作たち、華やかな植物画の世界がここに展開されているのです。

裏表紙を飾るのは、「ツバキ属誌」サミュエル・カーティス作。

他には、フィリップ・ライナグルによる「ベニゴウカン」、クララ・マリア・ポープによる「ツバキ」などの作品も。
そのどれもが描かれた当時を思わせる、優美な曲線、歴史を感じさせる色合いにあふれたものばかり#59125;
どの作品も美しい#59130;私の目にはあまりにも美しすぎました。
それにしてもこうして思い出してくださって・・・わざわざ送ってくださったお気持ちは嬉しい限り#59130;としか申せません。
実際にはお話をしたこともない、ブログを通したお付き合いに関わらず・・・・
Aさん、素敵なプレゼントをどうもありがとうございました#59125;


そんな美しい作品の後で、自分の描いたものを出してしまうこの神経の太さってどんなものでしょう#59142;
      
こちらは、自宅の庭に実ったブドウを数年前に描いたものです。
以前私は一年弱、カルチャーセンターのボタニカルアート(植物画)のお教室に通っていたので。。。
水で薄めた透明水彩のえのぐを使って描きます。だから塗りすぎてしまった時には、水が消しゴムの代わりになるのです。

しかし、なぜかここ2~3年ばかり・・・すっかり絵を描く事も無くなってしまっています。
病院で入院生活を送っていた間にだって描いていたというのに・・・いったいどうしてでしょうね。

今日も温かい。庭では水仙の花がさかんに咲き出しています。
お散歩をしていたらどこからともなく沈丁花の香りがしてきて、思わずその場所を探してしまいました。
多くのお花でいっぱいになる春はもうすぐですね。
これからだって時間はたっぷりとあるのですから、時には絵も描いてみようかしら#59125;