旅先の宿泊で最も楽しみなのは、夕食の時間ですね。
その前に温泉にも入ったのですけれど・・・これは事情があって、この後に書くことにします#59063;
夕食時間はチェックインの時に好きな時間を選べました。
この日はお昼が遅かった、またその時にガッツリと食べ過ぎたせいもあって、7時からの遅い時間にしてもらいましょう。
食事する相手は同じなのですが、やはりこんな時には「非日常」を楽しみたいものです。
一條さんではその辺りがバッチリなのです#59125;
その演出のために・・・まず最初に、食事時間になるとスタッフが客室まで迎えに来てくれます。ここでは宿泊客の食事は全て個室料亭「匠庵」の方ですることになります。
大正時代に建てられた本館内の個室料亭へと渡る時、案内係の男性がひときわ大きな声で「これより時の橋を渡ります」って・・・まるで、せ・り・ふの様に言うのが#59122;可笑しかったです。


かつては湯治宿として使われていた本館のお部屋は、我が家の和室のようなクロスではないちゃんとした塗り壁のお部屋です。
隅には数年前まで実際に使われていたと言う木製火鉢が置かれている。BGMはジャズでした。
畳の上には、ひざ掛けの置かれた椅子&テーブルのお席。寒くないようにファンヒーターで暖められています。

こちらでは生ビールの達人=ドラフトマスターの資格を皆さんがお持ちだとのことですので、当然生ビールのオーダーを。
テーブルにセットされていた前菜と食前酒。お酒はフランボワーズのフルーツビネガー?
先附の汲み上げ湯葉。
汲み上げ湯葉は頑張って3回くらいはすくえたかしら。わさび醤油で食べますが、私には少し塩分が強すぎました。
前菜の五点盛り、中の春の摘み草和えが季節を感じさせます。それから、近海でとれる食材がいくつも使われている感じです。
それぞれに置かれたお品書きを見ながら頂きました。


お造りは「真鯛と鮪の炙り」香味野菜と共にカルパッチョ仕立てになっています。こちらはドレッシング、鮪はアボガドソースで頂きます。
鰊のやわらか煮はアツアツ。筍は出初めのものを使っているのか、香りと歯ごたえがあって美味しかったです。
生が飲み終わって少し物足りなかったから・・次は瓶ビールのスーパードライをね。今回も、お兄さんに注いでもらいました#59028;
焼物と鍋物は・・・お肉とお魚から、それぞれ選べます。

当然、それぞれ別の料理を選んでお互いに取替えっこをして食べてみます。こんな時は個室って気兼ねなくていいわね#59142;
焼き物は洋皿仕立てになっています。「帆立貝のムースといさきのポワレ」・・帆立ムースが良いですね。
「最高級仙台牛のステーキ・野菜のグリルを添え」は、三切れしかなかったけれどやっぱり美味しい#59125;

「宮城野ポークの豆乳しゃぶしゃぶ」ポークのしゃぶしゃぶは、汲み上げ湯葉の後の鍋を昆布出汁で割って使います。
「金目鯛のしゃぶしゃぶ」一見するとこちらの方がって思ってしまいますが、ちょっと脂ののりが足りなかったように思えました。ポークの方がお勧めです。

もうここまでくると、お腹がいっぱい。こんな時は浴衣で良かったって思ってしまいます。
香の物と、ご飯が運ばれてきて・・・・これまた、大きなお椀にお野菜とお汁たっぷりの粕汁です#59138;
お汁と、梅しらすご飯は一口しか入りませんでした。
グレープフルーツのソルベと、苺のムースのデザート。
食事が終わった時点で連絡をすると、デザートが運ばれてきます。
その際に、とても嬉しいサプライズ#59130;がありました。

その時、担当スタッフさんが部屋の照明を消したので私は「アラ?」って思いましたら・・・
障子の向こうから「31周年~~#59126;31周年~~#59126;」のハモリが聞こえてきて。。。
その手には、メッセージプレートが#59125;
年若いスタッフの皆さんばかり、5~6名の合唱隊が入室してきました。中には先ほどお部屋まで案内をしてくれたお姉さんのニコニコ顔もありました。
こちらが、チョコでメッセージが書かれたフルーツプレートです。

この後ポラロイドで記念撮影もしていただき、翌朝スタッフ手書きのメッセージを添えて撮した写真を手渡して頂きました。
もうすっかり二人一緒の写真など撮る機会、気持ちもなくなってしまっている私達。
その時の写真は(小さいけど)、ちゃんと今リビングに飾ってあります#59130;
私は病気で倒れた後でさえ、色々なところでこのように楽しいプレゼントを頂いてきました。それは初めに家族がいてくれてこそ#59125;と言うのもありますけれど・・・・
ささやかな小さな事でもって幸せを感じる事を、私は今までに経験してきました。
ちゃんと気に掛けてくれたんだと感じる事で、その後もずっと忘れない思い出#59130;になるのです。
この夜の一條スタッフの皆さんの心遣いは、しっかりと私の心に刻まれました#59117;

食べ終わったら、もう9時です。
       
他の皆さんはすでにもう食べ終えて、それぞれのお部屋へ戻ってしまった模様です。
評判の高い創作料理は、私が楽しみにしていた事のひとつ。
その食事が美味しかったことは勿論。スタッフの皆さんの温かい気持ちでもって、嬉しい楽しい思い出の一夜となりました。