レスラー スペシャル・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: NIKKATSU CORPORATION(NK)(D)
  • メディア: DVD


前々から見たいと思っていた映画「レスラー」について、今日は書きます。

人気レスラーとして過去には人気を極めたものの・・・今は落ち目のレスラー、ランディ・ロビンソン、演じるのはミッキー・ロークです。
年齢を重ねてもアルバイトをしながらレスラー生活を続けるラム(レスラーネーム)=ランディ。しかし生活は苦しく、身体はもうボロボロ。
そしてついには心臓発作を起こしてレスラー生命を絶たれてしまう。
それからだって・・・
これまでも彼のいい加減な性格に振り回されてきたと思われる、たった一人の愛する娘にも愛想をつかされて、ストリッパーのキャシディ=マリサ・トメイにもふられてしまうのだった。
アルバイトでただ日々をしのぐ毎日。ランディは再びリングに上がる決心をする。

ラストの試合、レスリングシーンでの痛々しい映像。解っているけど・・・もう誰にもとめられないのっていうのはお約束です。
その愚かさがまた魅力なんだなぁ~
最初のキャスティング時には「ミッキー・ロークでは?」と難色を示されたとのエピソードが残るものの・・・この役がはまり役となり、その演技は数々の賞に輝きました。
私は格闘技の世界を全く知りませんが、対戦の試合の前の打ち合わせ。
ショー的要素たっぷりのオーバーアクションやリング状でのやらせの数々。
同じ仲間として、リングに上がってからもランディを思いやるシーンは心に残るものでした。

老眼鏡をかけて電話をするシーン。シャワーキャップをかぶってお惣菜を計るシーン。
それは映画の中の事ではあるものの・・・見ている内、そこにこれまでのミッキーローク本人の人生までも重ね合わせて見てしまったのでした。
かつては「ナインハーフ」や「エンゼルハート」の出演により、ハリウッド・ナンバーワンセクシィ男の名をほしいままにしました。
危険な香りがプンプン漂う、ニヒルな笑みをたたえた甘いマスク。
人気絶頂の頃の来日では、ボクシングの試合に出場しました。その時の彼、スケスケのヒョウ柄パンツをはいた上に飛び出したのはしょぼい猫パンチ。
「ミッキーロークは、ボクシングをなめている」と言ったのは誰だったでしょうか。あれはボクシングファンでなくとも失笑ものでしたから。。。
90年代は出演作も目白押しであったマリサ・トメイ、彼女が演じるのは熟女ストリッパー。
マリサ・トメイってしばらくご無沙汰していたと思ったら、こんな役をやるの!?
それでも・・・もうかなりの年齢かと思われるのに、あの贅肉のないボディは立派そのものです。
ミッキーがこの一世一代の名演技でもって、表舞台に返り咲いたのは皮肉なことでありました。50代半ばとなって、ゴールデングローブ賞を受賞。アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされました。
同年代である事から、本作中の彼には愛おしさが感じられました。
格闘技好きでなくても、楽しめた映画です。