東京島 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD



先に桐野夏生の原作は読んでしまっていた「東京島」、映画化されたものをレンタルで観ました。
意図的にか原作をさらに明るいトーンにして、テンポよくコメディータッチに仕上げた映画となっていました。しかしハッキリ言ってこれは駄作だと思う。
原作を読んだ感想については、こちらも不出来なものだけど・・・
http://hana2009-5.blog.so-net.ne.jp/2009-09-03
原作を読まずに無人島を舞台にしたのサバイバルものを期待して観ると、これまた裏切られる事になる。ここでは無人島内における人々の密室劇が描かれているのだから・・・

結婚20周年のクルーズの途中、ある無人島に夫と共に流された清子=木村多江。
そこに仕事がきつくてバイト先を逃げ出してきたフリーター達がやってきて・・・島の中でたったひとりの女性として人生を謳歌し生き生きと過ごす事になる。筈なのであるが・・・
映画の中の清子は男達にそれほどモテモテとなる訳でもなく、必死になって生き抜こう、どうにかして島から脱け出そうと悪戦苦闘をする様子の方が印象に残るのである。

ここ最近出演した幾つかの作品中で、現在不幸な女をやらせたらこの人しかいないと思わせる女優の木村多江。
女優として演じにくいのでは?と思える、嫌な中年過ぎの役柄を本作品でも上手く演じている。
またシチュエーションから全シーンをノーメイクで。
彼女の演技からは、普通の主婦がこの様な状況におかれたら生き残るために必死になるであろうと想像もされる。

清子の天敵、フリーターの中においても嫌われている変わりものの渡辺役を演じる窪塚洋介は、はまり役だった。
都合よく女性である事を武器にして生きる清子、そこをハッキリと指摘しバカにする二人の関係はチョッと笑えるし、微妙な感じがする。
清子の痛いところをつく目つきや台詞、亀の甲羅を背負っている渡辺の日常の妙な動きが可笑しい。
かつては、ヒットドラマ「池袋ウエストゲートパーク」の主役。
映画「GO」にて史上最年少で日本アカデミー賞の最優秀男優賞を受賞したりしたり・・・も今は昔と言う感じでいましたけど、ここでは適役です。

中盤になって島に上陸する中国人達、生命力の違いから日本人の若者達が脅威を感じるところ。
そこがタイムリーにも現在の大震災後の日本と重なって見えるというのは、私だけの考えすぎだろうか。

観終わってみて結局、心に残るのはエルメスのスカーフの派手な色合いと柄。
エルメスのスカーフのドレスをまとって清子が砂浜を歩くシーンなどは美しく見えたし、私も一枚だけ持っているからあの丈夫さは十分に理解できるものですもの。


先日紹介済みの映画「悪人」。
もうすでに先週の事だけど・・・どうしても欲しくなってしまって、「悪人」と「悪人ドキュメントDVD 妻夫木聡が悪人だったあの二ヶ月」の二本を買ってしまいました。
             

買っただけで満足。まだ観ていない。
おバカだなぁって、笑ってもいいわよ!!