カササギたちの四季

  • 作者: 道尾秀介
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2011/02/19
  • メディア: 単行本


「月と蟹」により第144回直木賞を受賞した、道尾秀介の最新作です。
「リサイクルショップ・カササギ」を営むのは、同級生である華沙々木と日暮の二人。
随分前に読んだ、三浦しをんの「まほろ駅前多田便利軒」と似た設定だと思いました。「まほろ」の方は、瑛太と 松田龍平主演で先ごろ映画化をされましたね。
少しも儲かる事のないリサイクルショップで働く男二人。そこにある事件がきっかけとなって遊びに来るようになった中学生の菜美が加わって。タイトル通りに…彼らが遭遇する4つの事件。

それは決まって、強欲な和尚から日暮がただ同然のがらくたを高く買い取らされてしまう事から始まる。
さらには商売そっちのけで、事件によく出くわしてしまうリサイクルショップなのであった。
それは自称名探偵であるとする華沙々木が自らそこに飛び込んでしまうのだから、関わらざる得なくなってしまうのだ。
しかし実際の謎解きは、名探偵華沙々木のファン・菜美の為に、相棒である日暮がやってしまうと言う他愛のなさ・・・
キチンと華沙々木の推理になるようにと、日暮が手を加えてしまうところは大きなポイント!

四つの短編が積み重なって一つの作品となっています。
店長・華沙々木の天然キャラや、それぞれの事件のテーマが暗くないこともあって、全体的に気軽、読みやすく感じます。
軽妙な文章、ひねりの効いた展開。軽いのりでもって最後まで読んでしまいました。

私は初めての道尾秀介作品でした。この作者は、こういった傾向の作品を書く作家かと思い調べてみましたら・・・
デビュー以来一貫してミステリー作品を発表し続けてきた、ホラーやミステリー界の方だったのですね。
昨年の月九ドラマ「月の恋人〜Moon Lovers〜」の書き下ろしまで。あれって私には、どうしようもなくつまらなかったのですけど。。。

直木賞にしても芥川賞にしても、その受賞作品。かつては必ずと言うくらいに手にしたものでした。
それがいつの間にか、読み終わってから・・・そうなんだ~って感じになっています。
それだけ他に楽しみ、興味の対象が変わってしまったのでしょう。

今日のオヤツは、普通のヨーグルト。ただそこにトッピングしたのが、家で生ったブルーベリーだって事。
その隣は、ネットリとしたお芋の美味しさが評判高い「安納芋」の水羊羹。これは、美味しかったです!