ハート・ロッカー [DVD]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD


先週末に加えて、今週も家で一人お留守番の為、ブログの方も映画週間となってしまっています。
レンタルしてきたDVDのうち…日本ではそれ程話題にもならなかった事から、最も期待せずに見たのが本作品「ハートロッカー」でした。
しかし、面白かった!! 戦争ものはあまり好きではないけれど…意外と楽しめました。
2時間強の長尺な作品ながら、全く飽きもせず見入ってしまいました。

作品の舞台は、2004年のイラクのバグダッドです。
アメリカ軍の爆発物処理班が爆弾処理の最中に、中隊のリーダー・トンプソン軍曹=ガイ・ピアースが殉職しました。
代わりにやってきたのが、ジェームズ軍曹=ジェレミー・レナー。
死への恐怖などないかのよう、行動し続けるジェームズ。仕事の手腕は認めるものの・・・仲間のサンボーン軍曹=アンソニー・マッキーや、年若いエルドリッジは不安を抱く。

イラクに駐留するアメリカ軍の中でも、最も危険を伴う爆発物処理班の兵士達。
緊張感あふれる爆発物処理の現場をリアルに映し出しながら、命知らずな主人公と仲間との友情。感情の擦れ違いを描いた、戦争アクション映画です。
気になるこのタイトルは、アメリカ軍の隠語で「苦痛の極限地帯」「棺桶」を意味するものと言う。

監督はキャスリン・ビグロー。
元夫であるジェームズ・キャメロン監督の「アバター」と共に、本作でアカデミー賞ではノミネートをされ・・・
本作の「ハートロッカー」が、オスカーの作品賞に輝きました。
主演のジェームズ役のジェレミー・レナーをはじめとして馴染みのないキャストばかりの中、私のご贔屓であるレイフ・ファインズが数シーンのみに登場するカメオ出演。でもやっぱり素敵です!
脇役と言えばこの人って感じ、驚異の出演作品の多さを誇るデヴィッド・モースも爆死してしまう大佐役として脇を固めました。

ジェームスは命知らずな男、そして熱いハートの持ち主。
行き過ぎたジェームスの行動に怒って、殴りつけるサンボーン軍曹= アンソニー・マッキーもいい男。
         
ホントどちらにも、ほれてしまうぜ!!
また別のシーンでは・・・
日が沈むまで長引いてしまった砂漠の中での銃撃戦。見ていてこの場面も、非常に緊迫感の感じられるシーンでした。
ジェームスは、エルドリッジにジュースを持ってくるよう命じる。
しかしジェームスの手が向かったのは自分のところではなく、隣りにいた狙撃中のサンボーンの口だった。
ふたりよりも若く経験も浅いエルドリッジは、そんな事も知らずにひとりでジュースを飲む。この皮肉の効いた対比。
ここ以外でも、エルドチッチの未熟さは目立ってしまうのだが・・・
そんな中、次第に慣れていく様子、兵士として成長していく様子が描かれていく。。。

任務の終了後、家に戻ってからの日々。
スーパーマーケットで買い物をするジェームズは、妻に即されてシリアルの並ぶ棚へ向かって行く。すると棚には何十種類ものシリアルが並べられていた。
整然と並ぶ様子と数に圧倒され、戸惑ったかのように一個をカートに投げこむ彼。
妻にイラクで経験した話をするジェームズだったが、二人の間にはわかりあえない距離が感じられるのでした。

映画のラストには、再び戦場へと向かうジェームズの姿が見られます。
ジェームズは、再び防爆服を着る。命知らずの男は、自分自身のいる場所に戻ってきたのだった。
豊かで物に溢れたアメリカから、荒涼とした砂漠の最前線へと!

サスペンスものやアクション映画には度々、登場をする爆発物。
すぐに爆発すればただのアクション映画にしかならないけれど・・・
いつ爆発するかわからない状況の連続には、ただ鑑賞をしているだけのこちら側も、見ている間中緊張にさらされます。
リアルな爆発処理と戦闘のシーン。
それに対して、イラクの人々が背景の一部となってしまっているところに不満が残る。
爆発シーンや銃撃戦の最中、大人はおろか小さな子供達まで逃げずにその様子を見てるのは非情だ。
それは彼らの台詞の中でも「イラク人は、みんな同じに見える」とあるくらいで・・・あまり感情を表さない、狡猾なだけのイメージで描かれています。
アメリカ人が主役でアメリカが作った映画だから、アメリカの側の方に感情移入をしてしまう出来になっているのでししょう。