英国王のスピーチ コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD


イギリス映画「英国王のスピーチ」を、ようやく観る事が出来ました。
本作は第83回米アカデミー賞で、作品、監督、主演男優、脚本賞を受賞。それだけに私の期待も大きなものでしたから・・・
イギリス国王・ジョージ6世は、現エリザベス女王の父。過去のエピソードを史実を基にして、作られた映画だそうです。
吃音症である為に人前で話すことを怖れるヨーク公アルバート王子、コリン・ファースが主演しています。
コリン・ファースと言えばイギリス映画の「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズ、「真珠の耳飾りの少女」ではオランダの画家ヨハネス・フェルメール役を演じました。
この映画については、過去の日記に簡単な感想を書いております。
http://plaza.rakuten.co.jp/simarisuu/diary/200604280000/

シンプソン夫人とのロマンス「王冠を賭けた恋」で知られる兄エドワード8世役には、前作「ハート・ロッカー 」で早々に死んでしまったガイ・ピアースが。
パートナーのティム・バートン監督作品などでは、変わった役柄を演じることが多くなってしまったヘレナ・ボナム・カーターが、大らかに広い気持ちで夫を愛し支える妻を演じています。
上品で可愛らしくて、これ程役柄にピタリとはまるとは思いませんでした。

言語聴覚士ライオネル=ジェフリー・ラッシュ。
ジェフリー・ラッシュの演技の上手さは勿論、今さら言うまでもない。
これまでのエリザベス一世を支える側近役、映画「エリザベス」「エリザベス・ゴールデン・エイジ」等を思いださせる好演を今回も見せてくれました。
ジョニデ演じるキャプテン・ジャック・スパロウの最大のライバルであるバルボッサ船長役では、登場するたびにワクワクさせられたものです。
王族や貴族と、平民。
自分たちよりも一段低いものとする、当時のイギリスから見た植民地オーストラリアとオーストラリア人に対する偏見は、個人的に興味深いものがありました。

本作は重厚なイングランドのお城や邸宅、風景を背景にした、主役三人の演技のコラボレーションが楽しめる映画です。
最初の反発の後に和解と協力、友情があり、そこが観客の共感を呼ぶ…ストーリーの王道ともいえる演出方法。
「王」をひとりの人間として描き、悩み、苦しむところを見せることで、観客と主人公との距離が縮まっていく。その辺りからも良い作品になったのではと思いました。
話は至極単純ですが、全体的な雰囲気は良いです。
ラストも深い感動と言うより、「しみじみと・・・良かった」と思わせてくれた作品でした。

振り返って我が国。
特に右翼的な思想は持っていないものの・・・東日本大震災後に、天皇のお言葉が放送されました。内容、発せられた言葉の重みは、私達の心をうつものだったように思います。

現在、フェルメール展が渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで、開催中でもありますね。