映画ネタが続いてしまうものの、昨日日曜に観てきた映画「マイウェイ12,000キロの真実」について書きます。
この映画は、第二次世界大戦末期に、日本、ソ連、ドイツと三つの国の軍服を着て戦い生き抜いた男たちを描いた物語。
http://myway-movie.com/
舞台となるのは中国からロシア、ドイツ、そしてフランスのノルマンディーへと続いていく。

日本から医師の父=佐野史郎、母=中村久美と共に海を渡り、中国(旧満州)の祖父の元へ来た少年・辰雄。
戦争によりオリンピックにマラソン選手として出場する夢を捨てざるを得なくなって、憧れていた祖父と同じ、国にすべてを捧げる軍人を目指す長谷川辰雄=オダギリジョー。

もうひとりは、長谷川家の使用人息子であるキム・ジュンシク=チャン・ドンゴン。
横暴な曹長=山本太郎他、日本人キャストも多数出演をしています。

ストーリーは勿論、壮大な映画でした。
スケールの大きさ、お金かかってます…と言うのはわかるものの…それに対して人物描写があまりにも型通りと言うか、安直過ぎました。
俳優さん達の台詞も、単純すぎて・・・笑えるくらい。
いくら韓国人にしてもあのような形での徴兵の仕方って、大戦初期であるノモンハン事件当時にはなかったのではないかしら。
そして大仰で思わせぶりなサウンド、むやみやたらな暴力描写がが多すぎると思います。
その上あんな状況で、上官である大佐が切腹するなんて・・・・やり過ぎ。
突如参戦してきたソ連軍の戦車に立ち向かう日本軍にしても、ここまで知恵がないものか。

韓国人監督作品だけに、優しく思いやるのある韓国人と、野蛮で卑劣な日本人達と言う図式はお約束のパターン。
戦闘シーンはものすごく頑張っていて、スピード感も、残酷さもタップリ!!
タップリし過ぎて、あそこまでする必要があるのか疑問に思えました。
感情表現の激しい韓国人らしさが出過ぎのよう・・・
後半のハイライトであるノルマンディー上陸作戦の戦闘シーンからは・・・S・スピルバーグの「プライベート・ライアン」の・・・海が赤く染まってしまうグロイシーンを思い出します。

第二次世界大戦中の日本軍を題材とした作品に、C・イーストウッド監督作品「硫黄島からの手紙」があります。
外国人から見たらたぶん同じように見えてしまうであろう日本人のキャラ、その一人一人をキッチリと描いた作品でした。
この辺りは、監督としての力量の差かもしれませんね。

2時間超の作品は飽きることはなかったものの・・・出演していた役者さん達、さぞ大変だっただろうなぁ・・・なんて、変な心配をしてしまいました。
とにかくオダジョー、頑張っています。
戦争により自分の考えが狂わされていたと気づいてからは、ひたすら生きる、生き続ける為になりふりかまわなくくなっていくところも自然な演技でした。
そして、いい男はどんなに汚い恰好でもやっぱりいい男ね!って。

そう言えばこれまで、オダジョーの出演作品はほとんど観ていませんでした。
ビートたけし演じる金俊平の息子役だった「血と骨」では出演シーンがあまりにも少なすぎた・・・
主演した「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」も、映画版だけは観ないでしまっている。
 

映画の前宣でテレビに出演した時の、いかれてるヘアスタイル。
「映画について、一言を」とマイクを向けられ、「え、え~~!?」の天然ぶりも可笑しかった、役柄とのギャップが好ましく感じるのも、珍しい事です。
すいません。
観終えて疲れた割りには、残るものがなかったのですもの。
普段から韓国ドラマは観ないけれど・・・、韓国もの、韓国映画はやはりつまりません・・・

この映画、くだらない反日運動のきっかけなどに使われないよう祈っています。