伊達家17代藩主・伊達政宗の誕生の地であった米沢。
            
これまで行ったつもりになっていた…米沢城址公園へも、今回は足を延ばしてみます。
伊達・蒲生・直江・上杉諸氏の居城した城址跡である、園内は中央に上杉神社。濠外に松岬神社、南方に上杉記念館(旧上杉伯爵邸)・市立児童会館があります。
境内入口、参道では謙信ゆかりの「毘」の旗がたなびいていた。
http://tabidoki.jrnets.co.jp/e07/spot/11686.html


入口の右手には謙信公の像、参道左手には鷹山公の像。ここでも縁ある「天地人」は必須!

米沢城は上杉の城下町であるが、伊達家8代から17代・政宗までの212年間は伊達家が支配していました。
伊達政宗は永禄10年(1567年)、輝宗の嫡男として米沢城に生まれた。母は最上義光の妹の義姫。
豊臣秀吉による北条氏・小田原城攻めに参陣せよとの命を受けた政宗ですが、北条氏と組んで天下を狙おうと企んだ彼は参戦しませんでした。
戦いは秀吉軍の数と力により、北条氏に勝つ見込みがないと知ると・・・遅れて秀吉の元へと駆けつけましたが・・・。
秀吉軍が勝った後、迅速に参陣しなかった伊達家は、米沢の土地を没収されてしまいます。
その奥州仕置後に蒲生氏郷が60万5千石を与えられ、米沢は支城として蒲生郷安が入居。
しかし結局、蒲生氏の米沢支配は7、8年で終わってしまうのです。
上杉謙信の嫡男・景勝は慶長3年(1598年)に蒲生氏の領土であった会津と米沢92万石を与えられて、これまで所持していた佐渡や庄内を合わせ120万石の藩主となります。
上杉景勝の重臣である直江兼続が城の主として米沢城へ入り、米沢はその後幕末まで上杉家の居城となるのでした。

上杉神社の鳥居をくぐると正面に神門があり・・・


神門内、垣の中に社殿がある。
私達も、家族の健康、無事をお願いして参りました。


もう一か所、うめや旅館の女将さんからも勧められたのが・・・旧米沢高等工業学校本館。現在は山形大学工学部。


学校は明治43年10月に全国で第7番目。山形県内では初の高等工業学校として開校しました。


ルネッサンス様式を基調とした木造二階建てで、玄関の両脇に塔のような階段室を設け、変化のある立体構成が特徴だそうです。
残念ながら工事中につき、階段まわりや会議室の天井部分の漆喰飾りなどの華麗な装飾は見られませんでしたが・・・。素晴らしいその佇まいだけを味わうのは可能です。 
現JR米沢駅舎のモデルにもなった、この建物は昭和48年に国の重要文化財に指定されたとの事。


福島県との県境近く、今回は通過しただけであった白布温泉。
白布温泉(しらぶおんせん)は、山形県米沢市南部、置賜管内に位置し白布高湯温泉とも呼ばれます。
湯治場としても400年を越える歴史を有する為、江戸時代には福島の高湯温泉、山形の蔵王温泉とともに奥羽三高湯に数えられたが・・・雪深い冬の時期の秘境的なムードは特に趣あるものとして。それ以外の季節も常にヒッソリとした空気が現在でも漂っているのです。

ここ白布温泉に私達が泊まったのは、10年近くも前。温泉巡りにはまりはじめの頃でした。

             
ここ白布には、かつて米沢藩の鉄砲製造場が置かれていました。
山形城の最上義光に戦で負けた後、直江兼続は米沢の高湯・白布の地に鉄砲工場を作ったのです。

また1790年には、上杉鷹山がこの地で入湯をしました。

山間地に湧き出る白布温泉では東屋旅館、、中屋旅館、西屋旅館の・・・3軒の茅葺屋根の建ち並ぶ景色が名物であったものの、2000年3月25日に中屋旅館を火元とする火事により中屋旅館と東屋旅館は全焼し、西屋旅館のみが焼け残ったのでした。
屋根に残る大量の雪が、火災から建物を守ってくれたのだそうです。


江戸時代後期に建てられた老舗旅館西屋さんも、この時は屋根周りの修復の真っ最中。建物の周囲は骨組みやブルーシートで覆われて見苦しい。。。
玄関横の板戸に書かれた「西屋」の文字は見えますか。

本当はこの外観のムードだけにも、都会からやってくる旅人達は魅せられてしまうと言うのに。。。


そのお隣、土台のみが残り・・・雑草に覆われている中屋さん。奥の方にかつて多くの湯治客の疲れを癒したであろう浴室の跡のみが残されていました。
白布の湯に、山から引いた湧水とが合わさった温泉が、この三本の筒からは今なお絶え間なくかけ流されて続けているのです。
それは3軒に共通した白布温泉の特徴でもあるのだ。

敷地内からはお隣・西屋旅館の茅葺の屋根が見えました。
以前もそうであったが、今回も流され続けている温泉がドンドコと道路脇の側溝の間から激しく水しぶきを上げながら流れている様子には脅かされます。

私達が宿泊した時にはまだ新築をしたばかり、真新しい建物であった東屋旅館さんです。


先に西屋さんの大変ムードのある木造りの浴室で白布のお湯に浸かったばかりだと言うのに、東屋さんの浴室内にも黒焦げとなったかつての浴槽がポツンと残されていたのが印象に残っています。

深い雪の閉ざされた冬、雪解けとともに花開く枝垂れ桜の春。山々の緑が一気に芽吹いてゆく初夏と・・・
一年中、何時と言わず訪れてみたいものと改めて思ってしまう。
米沢も中々に、奥が深いところなのでした。