ようやく着いたその場所は、下界とは別世界なーんて!
出羽三山の主峰・月山の麓、銅山川沿いに風情ある佇まい。旅館や土産物店がが軒を連ねる温泉郷「肘折(ひじおり)」。
自宅からとにかく遠いイメージが強くて、どこにも寄らずに来てしまったからチェックインの時間にはまだ少しだけ早過ぎました。
車を置いて、温泉街を散策します。

その開湯の歴史は807年にまで遡り、2007年には開湯1200年を迎えたとの事。
「肘折」の名の由来は、かつて肘を折った老僧がこの地のお湯に浸かったところたちまち傷が癒えたという説から・・・。


肘折と言えば、真っ先に名前が挙がるのは「まるや旅館」さん。昔ながらの木造三階建ての建物は、風情が感じられる湯宿の佇まいに思えます。
                

肘折温泉は、私達のように観光地として泊まる旅館。また数日間連泊して温泉で身体を癒す、湯治宿としての一面ももっている。
車一台がようやく通れる・・・狭い路地に旅館やお土産屋さんが立ち並ぶ温泉街。その場所で、夜明けとともに開店する名物の朝市。


昭和の香りを感じさせる懐かしい佇まいはこちらも。共同浴場である「上の湯」です。建物は公民館を兼ねているのだとか。。
宿にチェックインした後、私がお昼寝中に夫だけが入浴をしてきました。


温泉街を流れる銅山川の上流、肘折ダムの直下にある源泉公園には飲泉所。石造りの「源泉ドーム」では源泉の自噴する様子を見ることができます。
                               

肘折ダムの手前ににあるおだんご屋さんで、おだんごとくるみ餅を食べてみました。

温泉の甘味処として湯治客や地元の人々に人気のお店。
電話で注文をすると、お届けもしてくれるみたいです。
小さな店内にはテーブルが2つに椅子が8脚だけ。他所のお宅にお邪魔する感覚で頬張るおだんごも、また肘折のスタイル?
最後にこれは営業妨害ではない。私が感じた素直な気持ちながら・・・
店内、奥さん共に清潔感が全くないところがこのお店の致命的な欠点のよう#59142;入った途端に、出てきたくなりましたもの。

羽賀だんご店

昼総合点★★☆☆☆ 2.0



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〒型の窓枠に、歪みのあるガラス窓・・・と歴史的価値が感じられる・・・旧肘折郵便局舎。
この可愛らしい建物は昭和12年に建てられ、平成7年までは肘折郵便局として使われていたそうです。赤い丸ポストが古い街並みの中で目立ちますね#59126;
建物の正面には人力車の発着所がありました。
・・とそこへ鐘を鳴らしながら、人力車を引く姿が見えてきました。いきなり撮っては失礼かと遠慮して、通り過ぎた後で後姿を#59009;


山田洋次監督による映画「たそがれ清兵衛」のラストシーンで、女優の岸恵子さんを乗せで人力車を引いたのもこちらの車夫さん。ご本人が出演されたものだそうです。
鶴岡出身の作家・藤沢周平は、生まれ故郷の庄内を舞台に数多くの作品を残しました。
日本人の心の琴線に触れる登場人物達の生き方は、他にも多く映画化されましたが・・・私はこの映画が一番好きです。
清兵衛の自宅の撮影がされたのは、秋田県角館の武家屋敷の一軒でしたけれどね。


古くは湯治場であったことから・・・木造建築の古い旅館や住宅が多く目につき、鄙びた湯治場の雰囲気を形成している。


夜間などうるさいくらいに感じられる、水量の豊富な銅山川の流れ。

早朝から行われている、湯治客向けの朝市は有名なものながら…勿論、私の事ですから翌朝見に行ってきました。
                     
土産物店の脇に干してあった地下足袋。
これって山の斜面を歩く、山菜採りにはなくてはならない必需品なのでしょうね。

続く・・・