館内のフロント付近はリニューアル後のようで、民芸店風に飾られて綺麗でした。
ただしパブリックスペースはこのロビーくらいしかありません。あとは廊下の片隅やエレベーター前とか。


玄関先にある、名水「栃の井」。
                      
朝ごはんのコーヒーも、こちらの水を使っています。
冷蔵庫に用意された冷水もこのお水。スゴク美味しい#59125;


案内されたお部屋は、最初から期待はなかったものの・・・全体的に古さが感じられて民宿みたいだった。
そして部屋からの景観の悪さ、これにはガッカリです。
景観による癒しの効果って大きなものに思えるのですけど・・・川沿いのお部屋が良かったです#59136;
それでも山際から吹いてくる静かで涼やかな風は、心地良く思えました。
            

する事もなく手持無沙汰であったから、「お昼寝をしたいのでベッドの用意をしてください」と。
私は普通にお布団で寝る事が無理なので、簡易ベッドの用意をお願いしておいたのです。
持参した文庫本を読んでいたら、何時の間にか寝てしまったようで・・・

夫に起こされたら、予約をしておいた貸切風呂の時間です。
2時間近くの寝てしまったみたい。その間に夫は共同浴場へ入り、宿の周りの散歩をし、人力車の館を見て…宿の4階にある展望大浴場まで入って来てしまったとか。。
お部屋から早朝に見た、朝焼けの空は綺麗でした。そして山の天気は変わりやすい。山間の杉の木々を覆う白い朝もや、その後ザーと降り出す急な雨・・・

問題はお部屋だけではなくて、宿の女将にも。
宿の到着時から翌日まで何度も顔を合わせた割りに、彼女からは挨拶らしい挨拶もなく・・・別にに大仰な態度で接してほしい訳じゃない。
出迎え時か、帰り際かどちらかで良いから、キチンとした挨拶が欲しかった。忙しいとはいえ、そんなの数秒で済むこと。
ご挨拶するのは常連さんに限りますなんて?それはないと思うけど#59136;
宿のサイトにも随分積極的に出ている割りに、なんか感じが悪かったです。

川沿いに位置する『貸切風呂」。自家厳選00パーセントのお湯は鉄分を含んでいて、身体の芯からジックリ温まるように思いました。
到着日は一組30分程度の予約制で。その後の夜の10時~翌朝8時までは、空いていれば貸し切りにして自由に入ることが出来ます。

大きさは意外に大きくて、2~3人でも大丈夫な大きさ。
温泉はお湯の質も含めて良かったように思います。そう、この宿は「日本秘湯を守る会」の加入宿。

肘折の共同浴場へもフロントで入浴券をもらえるので、外湯歩きも楽しめるのです。
見事に鄙びた温泉は客層も若い人の姿は少なくて、私達のような熟年カップル、年配の人が自炊の湯治にやってくる・・・本物の温泉です。


そうそう、肘折名物の朝市は勿論楽しんできました。

仲居さんと世間話をした時、「朝市では何を売っているのでしょう?」
仲居さん:「それはもう何でもあるから」私:「何でもですか?」
「そう、なんでも。山菜からお餅から、豆、キノコと・・・なんでもある!」って言いきられたのには驚くやら、可笑しいやら#59120;

言われた通り…本当に何でもありました。山の恵みに限っては。。
ここでも今の時期、メインとなるのは月山竹でした。しかし大きなサイズのものになると、一束で1000円もします。
これまた仲居さんに聞いた、月山竹のエピソードが思い出されました。
これ程の山奥なのだから、チョッと山に入ったら採れるものと思っていましたら・・・
根曲り竹が採れるのは、月山の麓奥深く、または栗駒山とかまで行かないとそれは採れない。採るのも、空が見えないくらいの藪の中、四つ這いになって採っていくのだそうです。
だからこれ程の山奥でも希少価値の高い、値段も高い筍であるのに納得したのでした。

山菜や原木シイタケに、ナメコ。小豆などの豆、お餅に、熊笹に包まれたちまきなど・・・昔ながらの山の恵みが売られている様子は、見ていても楽しかった。
朝市で振る舞われる山菜汁に並ぶ、人の列が出来ていました。
この日の当番は、泊まった川原湯さんとの事。私達もギリギリセーフで食べられました。
中身は月山竹、ミズ、ワラビに塩クジラ。お豆腐に油揚げも入って美味しい。

改めて周囲を見渡すと・・・本当に山、また山。前日にお散歩をした時も、急な坂を上ったり、下りたり・・・
メインストリートも途中、大丈夫かと思うほど細い道になってしまったり・・・そして軒を連ねる、鄙び具合が半端ではない温泉宿。
それでも温泉街が赤や黄色に色づいた周囲の山々の紅葉する季節って、どれ程に綺麗な事でしょう。
肘折はやはり、秘湯中の秘湯でした。