山形の古都・鶴岡の奥座敷とも呼ばれる・・・湯田川温泉は、あつみ温泉、湯野浜温泉とともに「庄内3名湯」のひとつに数えられると言う。
          

そして鶴岡と言えば、やはり作家の藤沢周平です。
彼が愛してやまない鶴岡の風景は、藤沢作品には頻繁に・・・時代小説の架空の藩「海坂藩」の舞台としても度々登場するのでした。
「 蝉しぐれ」「たそがれ清兵衛」 「隠し剣シリーズ」等、作者の美学に貫かれた・・・それらの作品は、時代小説の第一人者と称されるだけの内容をもつ。・・・のみならず藤沢周平が歩んできた、自身の生き方が投影されたかのように感じられてなりません。

藤沢周平のほかにも湯田川温泉には、斎藤茂吉、横光利一、種田山頭火、竹久夢二といった文人・墨客の逗留の跡あり。。

          
藤沢修平縁りの宿「九兵衛旅館」は、創業300年を超える湯田川温泉でも老舗の旅館です。

今回私たちがが泊まったのはこちら、姉妹旅館である「珠玉や」さんでした。
          
8室のみの小ぢんまりした宿、しかし館内には3つの貸切風呂・・・がある。それは決め手のひとつです。お料理が美味しいと言われる評判の高さもね#59125;

        
宿の向かい側には、高級感あふれる大人向けの宿「湯どの庵」さん。いかにも高そうなオーラ出まくりです・・・館内のムードはまさに「大人の隠れ宿」とか。客室の造りは自然光の入らない暗めの部屋だそう。うわ~!?、そう言うのって苦手#59142;

          
奥が宿の駐車場となっていた・・・足湯「しらさぎの湯」です。
すぐ脇に建っていたのは、共同浴場のひとつ「正面の湯」。
全国的に見ても屈指の新湯注入率を誇る天然かけ流しの湯だそう。。
黄昏時を迎えた、この時時・・・一日の仕事を終えて・・・「さぁ、お風呂よ」って、あちらこちらから自転車に乗ってくる入浴客の姿が見えました。
          
軒先のベンチに座って地元の方と少しお話をしましたが・・・申し訳ないけれど、お年寄りとの会話の中身は・・・ほとんど理解できず。
それでも建物の奥に温泉を汲める場所が、またそこでお洗濯もするとの事。わ~い!面白そう#59025;#59025;
そう聞いては、行かざるをえません。
へぇ~~!?面白い。壁には、落雪注意!の張り紙も。
                        
早速私達も真似て、ペットボトルに汲まさせていただきます。

もう一か所「田の湯」は、先の「九兵衛旅館」の隣りにありました。
どちらの湯も泊まっている宿で対応、ひと声声をかけて鍵を開けてもうシステム。
こちらのお風呂も含めたら・・・九兵衛旅館・珠玉やとで、合計6種類ものお風呂が楽しめるのでした。
「せっかくだから両方とも、共同浴場も入る」って夫、言っていたのにね#59136;

時間が早かった為、温泉街をのんびり散策。ひゃあ~!建ち並ぶ建物たちがレトロで素敵#59125;
このゆるさ、いいわぁ#59126;
「正面の湯」から「由豆佐売神社(ゆずさめじんじゃ)」に続く石畳の参道は、歴史の重みを感じさせる旅館が建ち並び・・・城下町鶴岡の奥座敷と呼ばれる、温泉街の雰囲気を色濃く感じさせてくれるのでした。
          
湯田川温泉の守り神「由豆佐売神社」は650年の創建。
古書「三代実録」や延喜5年に起草された延喜式神名帳にも登載された・・・格式高い神社ながら。。境内で、山田洋次監督の映画「たそがれ清兵衛」のロケが行われました。
          
映画公開の翌年、藤沢・山田両氏への感謝を後世に伝えたいと、神社参道入口に撮影記念碑が建立されています。

観光地らしきムードが漂うのは、地酒、庄内の特産品やお土産(孟宗蒲鉾、豆板蒲鉾等)取り揃えた「ぱろす湯田川」と、あと一軒だけ。
紫陽花の花がまだ綺麗な色で咲いていました。山間だから涼しいのかしら?
のんびり、ブラブラ・・・戻ってきました。

あとは温泉に入って、美味しいご飯が待っているはず#59125;