高知市内からしばらく先・・・足摺サニーロードは、長く続く海岸線に・・・奇岩、断崖が連なって・・・・・・。気持ちの良いドライブが楽しめました。



四国最南端の岬である足摺岬の展望台から眺めた景色#59130;
180度以上に視界が広がり、オーバーに言うなら、地球の丸ささえ実感してしまう。。

     
群生する椿の小道を通って歩くと・・・この場所へと、至るのだ。




足摺岬に惹かれて・・・一度は足を運んでみたいと思った。それは学生時代に読んだ作家・田宮虎彦の短編小説「足摺岬」の影響もあります。
自殺の名所として知られてきた・・・足摺岬の先端は、ご覧のように断崖絶壁である。

          
この物語は・・・
主人公が足摺岬を訪れる場面ではじまり・・・足摺岬を訪れる場面で終わる。作中には当然、お遍路さんの姿もあり…。
人生に絶望を覚えた彼が、自殺を考え・・・足摺岬で一夜を求めた宿。
そこで命を助けてくれた宿の娘は、のちに妻となるものの・・・。
健康そのものだった娘は主人公と結婚したばかりに、貧困にあえぎ、そして…病に負け若くして亡くなる。

感傷的なムードが漂う、人生の絶望を描いたこの一冊は、暗い小説に惹かれた、・・・高校時代に出会ったもの。


          
それでも灯台マニアとしては、記念の写真も一枚撮っておかなくちゃ#59009;
絶景に感動!・・・と言いたいところながら、これまでに北から、南まで、随分色々な灯台を見て来ましたものね#59142;

現実の足摺岬は、風光明媚な景勝地だけど、それ程特別なところではなかったかな。

駐車場の側に立っていたのが、土佐清水市中浜の生まれである、ジョン万次郎=中浜万次郎の像。
天保12年(1841)14歳の時に足摺岬沖で漁の途中に漂流し・・・南海の孤島(鳥島)に漂着。
そこで、米国の捕鯨船ジョン・ハウランド号に救出された。
献身的に仕事をこなし英語にも興味を覚えた万次郎を気に入った船長が「ジョン=ハウランド号」の名前をとって、ジョン=マンというニックネームをつける。
ジョン万次郎は日本人として初めて、アメリカ大陸に上陸した。
ホイットフィールド船長の保護の下、学校教育。英語、数学、測量、航海、造船も学んだ。
彼は、日本人留学生の第一号だった。
激動の幕末における活躍、幕末の志士に与えた多大な影響と、働きは・・・これまた、数々の小説の題材となり残さています。
最近では 山本一力が、「ジョン・マン」3部作として執筆。
高知出身の著者が、郷土出身の万次郎の生涯に挑んだ本作。その生き生きとした描写に、心躍らされて・・・しばし読みふけってしまったものでした。


暗い小説の舞台として選ばれただけに、書かれてから50年も経つ現在でさえ、岬までの道中はホントなんにもなかったと言う。
助手席にいた私は何時ものごとく、また居眠りをしてしまったのだから#59137;起こされたのが到着後であったので、何も知らないていたのだけど。。
クネクネした山道に、急カーブがあり・・・また深い濃霧が発生するなど、運転には全く適さない道だったそうで。。その上携帯も圏外ですし、何かあったらどうしましょう!?


この日の宿は、四国西南端の地、「宿毛(すくも)」であった。
宿毛湾に沈む夕日が「だるま形」になる現象「だるま夕日」、それが見られるのは11月~2月の冬の時期に限られるらしい。。
宿毛もまた豊かな自然に恵まれた海の街である。しかし宿毛に対し手拘りがあった訳ではない。
高知から愛媛までの途中、とにかく安いところと探したのが偶々この土地であっただけ。などと宿毛市の方には失礼#59142;

 
海からもそう離れていないはず、しかし海を感じさせるものはなくて、ロードサイドに建つ平凡なビジネスホテルの風情だ。
賑わっていた前夜の高知とは一変して、日曜であったこの日は宿泊客も少ない。他の来客と出会う事もなく・・・ホテル内全体にひっそりとしたムードが漂っていました。
チェックイン後に入ったお部屋は・・・そこそこの広さでゆとりもあり、シンプルな造りながらこれでじゅうぶんと思わせるものでした。
客室からの眺めは当然山と、畑と。。
客室に置かれた寝具は6泊中ここだけが浴衣だったけど、ネット接続など必要なものは全て揃い、なおかつ文句のつけようのないリーズナブルな宿泊料金なのでした。

                                                     
部屋にはコーヒーがサービスでセットされ。お菓子と、冷蔵庫内にはミネラルウォーターまで置かれていたのだから。

          
足摺岬で遅くなってしまった為、到着時刻はスッカリ夜。ホテル併設のレストラン「とんかつ かつ村」さんで簡単に済ませてしまう事にします。
ビジネスホテルの敷地内であるのを忘れてしまうような、意外にも落ち着ける店内。

   
まずは、生を。まだ冷凍ものだから美味しくないけど、つい頼んでしまう・・・枝豆。

夫は「四国美鮮豚」の「ロースかつご膳」、私は色々食べられる「釜めしご膳」でお願いしました。
店の奥の一角に、ご飯、キャベツ、お味噌汁がセルフでとれるコーナーあり。ご飯とキャベツだけでなく、お味噌汁までもお替り自由みたいです。

ビールのツマミとして何時もなら、サラダをオーダーするのだけど。
「トンカツには山盛りのサラダが付いてくるだから、今日は頼まなくてもいいんじゃないかな」と私。
そこでお代わり用のキャベツ、夫が「もらってきても大丈夫か」聞いてみますと・・・「「皆さん黙って持ってこられます」と。「そう言って下さる方は初めてなので、嬉しいです」だって。
スタッフの接客も親しみやすくて、素朴と言うか、気持ちが良い#59125;
夫のトンカツ定食は、値段相応の内容。でもカリッと揚がった衣、お肉の量も適量でした。

 
ホテル併設の飲食店であり、ムード、金額ともにまさにファミレス。
期待していなかった夕ご飯だけど、それなりに美味しく食べられました。
旅先とは思えない非常に簡素なものだったけれど・・これはこれで満足#59126;
ホテルキーの提示で、10パーセント引きになりますので、宿泊の際はお忘れなくね。

とんかつ かつ村

夜総合点★★★☆☆ 3.0



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今回の四国旅は、この後の宿泊宿にしても・・・宿ごとにそれぞれ特徴があり、その辺りを比べるのも面白く感じられました。
翌日は、愛媛へ行きます。