宿泊者限定で行われている、大島造船所の工場見学に参加をしてみました。無料ですが、受付は2日前の17時まで。数日前に電話しましたら「ドライバーの確保が出来るか確認致しますので、お待ちください」と。

他の参加者の迷惑になる状況は避ける、無理はしないとの思いで申し込みした訳でしたが…。
朝食後の9時前にフロントへ。ところが見学ツアーの申し込みをしたのは我々ふたりだけ。一日にひと組と決めているかは不明です。
玄関を一旦出て宿泊棟横のパーティールームにて、大島造船所の歴史、造船している船の特徴等の説明を受けました。

ここ大島もかつては長崎の他の島々同様炭鉱で栄えましたが、炭鉱の閉山に伴い新しい産業を誘致した結果、大島造船所が誕生したとのこと。
元々は「ダイゾー」と言う大阪に本社を置く、エアゾール事業と鉄構造物の造船会社。タグボートの建造から、造船技術を応用して船舶の検査、修理、メンテナンス、鉄構造物の製作と進める企業のもと。
ばら積み貨物船の建造に特化し、国内3位の規模をもつのが「大島造船所」です。

ワゴン車に乗り込んで、造船所敷地内へ。
       
近くからもランドマーク的な大型クレーンが数機、びえる様子は見えます。

ここからは車窓見学のみ、撮影禁止でしたが、建造工程を知る事が出来ました。

まずは工場の敷地の広大さ、あまりの広さから工場内での移動用としてひとり一台の自転車が割り当てられて、それに乗っての職場作業へと向かうそう。
製造途中の、貨物船の大きさにも驚きます。
朝靄の中で浮かび上がってくる、逞しく働く工場作業員さんの姿の美しさ#59130; この場で美しいと言うのは違和感があるかもしれませんが、事実そのように見えたのだから仕方ありません。

バルクキャリア(ばら積み貨物船)を中心に、年間30隻以上建造する。大島造船所では、3万トン~10万トンまでのばら積み貨物船を建造しています。
ばら積み貨物船(バルクキャリア)とは、小麦や大豆などの穀物、鉄鉱石、石炭など、梱包されていない様々な貨物を運ぶ船です。世界で最も運行している貨物船と言われています。
ブロックごとに鉄板を加工し組み上げていき、最後に大型クレーンを使いドック内で組み立てるため、効率よく建造出来る。
工場内で最大1200トンまで吊り上げられるレーンによって、船体の一部が運ばれていく様子、それは想像しただけで迫力満点!!
大島工場の勤務者は、社員および関係会社等を合計すると3,000名近くに及び。また2023年度の定期入社員のうち長崎県出身者が約81%を占めている、地域との強いつながりをもとに事業を営んでいるのが伺えます。
一艘が30~50臆もする船体ですが、この先3・4年は予約済みとも説明もあり。

閉山後の大島は、造船と農漁業の街となって…。
平成11年11月11日、11時11分11秒の記念すべき日に開通した「大島大橋(全長:1,095m)」。大島、崎戸両島民の悲願であった橋の開通で、島民の生活は格段に便利になりました。下関⇔門司間の「関門橋」よりも長い橋だそう。その上美しいシルエットが自慢の白亜の斜張橋と言います。

先のキャロライン元駐日大使以外にも、ノルウェーのハラルド五世国王陛下が、大島造船所を公式訪問。
ホテルは大島造船所グループの迎賓館として、国内外の来賓の宿泊の場であり、大島造船所の命名引渡式や賓客のもてなしの場となる。そうした際には4~50名規模のパーティが行われると聞きしました。

長崎スタジアムシティ建設中である、長崎県佐世保市に本社を置く通販会社「ジャパネットタカダ」に次ぐ、県内でも二番目となる企業が「大島造船所」でした。
当日28日は工場の年内仕業最終日に当たるとの事で、見学可能も最後の日でした。
撮影禁止につき、画像は少な目です。


なおホテル専属送迎車サービスの車は、このワゴン車ではなくもっとスマートなお車でした。普段は仕舞ってあるの?
ガイドのお兄さんと、ヘルメット姿のワゴン車のドライバーさん、ふたり体制でのコースは時間的には短い。それでも造船所の見学など出来るものではありませんから、参加して良かった#59126;船舶に特別な関心のない私でも思いました。こうした機会は滅多にないだけに、宿泊の際は是非!!

実のところ、説明を受けたほとんどを忘れているのですけど#59136;この時間まで入れたら、ホテル代も高いとは感じませんでしょう#59138;

それにしても、温かな朝でした。「長崎の冬はいつもこんなに温かで過ごしやすいのでしょうか」
ベテランぐいぐいおばさんスタッフ:「昨日、今日は特別です。2日前は雪が降ったくらいですから、こんなに穏やかな朝はこの辺りでも珍しく感じます」それからもホテルのお話をして、チェックアウトをしました。
一目でわかると思われるのに「次回の宿泊を是非、お待ちしております」と、このベテランスタッフさん。何でも写真に撮ってしまう田舎もののボンビーな私達に関わらず・・・90度を超える120度の最敬礼で見送ってくれました。小さなことながら、そうした気遣いは嬉しいですね。

続ききます。