夜に行くお店は事前にリサーチして決めてあったのですが、電話で聞いてみると予約でいっぱいだそう。
そこで、ホテルから歩いて行ける「小料理 新駒」さんへ。
      
渋い居酒屋風のビジュアルながら、新しめな店内は清潔感もあり良い感じです。
気さくな接客をする女将に、小ざっぱりとした店内。カウンター席で頂きます。
夫は何時もの「生」、私は手軽な純米酒で。
一通りのチェックはOK! 厨房からオーダーした定番のサラダと、お刺身が到着。

シーザーサラダは、生ハムの下に温玉がかくれていました。
お刺身は少な目って感じながら、結構お腹にくるからこのくらいの量でいいかな。
純米酒「千枚田」に、輪島といえばやはり輪島塗でしょう!
女将がサッとさり気なく、しかし自信に満ちた手つきで選んでくれたぐい飲みは、嬉しい事に輪島塗のもの#59130;
女将の弟さんが輪島塗の職人さんをやっているとの事。
輪島塗はこれまでも何度か目にしてきたものの・・・これぞ、本物の美しさ!優れた加飾技術により世界に誇る輪島塗の技です!
晴れの日に、そしてこのように日々の暮らしの中で・・・生活に彩りを添えてくれる、伝統漆器が輪島塗だそう。。


「ママさん、俺も輪島塗で呑みたい!」とリクエストした夫、手元に届いたお猪口は・・・輪島塗の加飾法のひとつである「沈金(ちんきん)」。
   
「沈金」とは・・・
鋭いのみで漆器の表面に模様を彫り、漆を塗り込み、金箔や金粉などを押し込み模様を表わす手法をそう呼びます。
和食器全てに言える事ながら・・・手にフィッとする考えられた造形と繊細な細工、日本人の美意識が感じられまする#59130;
左側の朱の塗ものは、能登半島の「間垣」が。右側の私のぐい飲みの内側には当然、「白米千枚田」が描かれています。
どちらもとにかく美しい。輪島塗ってこれ程綺麗なものなのを実感・・・眼福」とはこの事!素晴らしさに二人して盛り上がっていたのでした。

このお猪口の値段、一盃がおいくらくらいかわかりますか?
聞いてビックリ!
なんと、こんなに小さなものなのに。。よ・よよ・・・4万円ですって#59138;
・・・と言う事は、20個以上の輪島塗が並ぶケース全体で…「80万円ですか?」
「いや、もうチョッと!」とママ。
「スゴイ~~!」それまで全く興味もなかったものが。。実際手にしてみたら、欲しくなっちゃうわ#59125;

そんな様子を隣りで窺っていたのが、後から入店してきた同年代のご夫婦でした。しかし奥さんはお酒が飲めないようで、手持無沙汰と物珍しさから、ソワソワと落ち着かない様子。
ひとりで呑んでいる旦那さんが気を効かせて、ウーロン茶でもオーダーしてあげれば良いのにね。
話すうちに、同じホテルに泊まっている事が判明。
そのご夫婦、老朽化したあのホテルになんと半年も前から予約を入れていたとは#59142;
長野から旅してきたご夫婦とは、長野の事。間もなく生まれると言うお孫さんの話など・・・様々な話題で盛り上がりました。


揚げ出し豆腐、蟹の酢のもの、焼きカレイ。・・・とどれも、良い味です。
「ママさん、ご飯ものはないの?」と聞くと、「ごめーん。昨日いっぱい炊いたらお客さんが少なくて、ご飯が余っちゃったから今日はないのよ・・・」ですって。
そこで〆は、温かいおうどんに。それも具なしの素うどん!
                           
座った席には、価格の書いてあるメニュー表がなかったような、私が見ていないだけかもしれないけど。
ボードに料理名が書いてあるだけだったから、そんなに頼めなかったのだ。

金額と、呑んだ後のおトイレが心配になるのは私だけ?
知らない場所のトイレの使用は出来たら控えたい・・・って思うと、呑めないのだ。
お勘定してもらった金額は間違ってるのかと、「ホントにこれで良いの?」って思ってしまう安さでした#59125;
地元のお客さんが多いのも納得!「新駒」さんは気軽に飲みに来られるお店です。
奥に宴会も出来るお座敷席が見えましたが。。後から入店した数人のお客さんはお断りしていました。
驚く程リーズナブルな料金、清潔感バッチリのおトイレも完備されていて・・・こんな事なら、もっと色々頂いて、ノンビリするのだったな。
とにかく良いお店でした#59125;
地のものをもっと食べなかったのは心残りです。またいつか行けるかな?



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かつての「のと鉄道七尾線」の終着駅であった輪島駅は、廃線に伴い現在道の駅として整備されています。
「プラットホーム」にかけて「ふらっと訪夢(ふらっとほーむ)」の名前が付いた、漆器の黒をイメージした純和風の建物・・・現在はバスターミナルとして使用されています。
奥に進むと踏切と線路が現れ、「のといちのせ」から先の「輪島」は終点のはずながら。その横には「シベリア」と書かれていました。
営業当時の落書きを再現したもので、線路をこのまま海上に伸ばしていくと、ロシアのウラジオストクを超えてシベリアにたどり着くというジョークとか#59126;


先の長野旦那さんと夫は、ホテルのエレベーターで、大浴場でも一緒。一度会った後は、意外とそんなものですね。
私も、奥様には翌朝ご挨拶を。そして朝市でもまたお会いする事が出来ました。旅先の出会いは「一期一会」、楽しい経験でした。