「あるスキャンダルの覚書」 [映画・DVD]
このタイトルは・・・・ロンドン郊外の中学校で歴史を教えるベテラン教師バーバラ=ジュディ・デンチが書く、日記から。
偏屈で人に笑顔を見せることもない、彼女の孤独な毎日。その性格と年齢とで、学校では同僚からも嫌われて孤立していた。
唯一の楽しみは、夜日記を書くこと。それは自分だけの世界に浸る事。
そんなバーバラの前に、新学期と共に新しく美術教師としてシーバ=ケイト・ブランシェットが現れる。
労働者階級の子供達の通う学校内で、若くて美しい上流階級で育ったシーバの存在は特別に目立つものとなる。彼女の父親は著名な経済学者であった。その容姿と育ちの良さが、生徒、同僚教師の目には眩しく映る。
バーバラが偶然にもシーバと生徒との情事を目撃した事から、この女性二人の関係は「シーバを自分のものにしたい」と思っていたバーバラの思惑通りになっていくのだ。
バーバラには、それ以前にもジェニファーと言う若い女性との特別な過去があった。その関係が終わった後に、残っているのは飼い猫の存在だけ。一人暮らしの女性の友達は、猫だけなのそうだ・・・
その猫の臨終に付き合わなかった事で、二人の愛?友情は終わりをつげる。
シーバと生徒との情事について口を閉ざしていたバーバラが、「これは噂だけど・・・」と言いつつ同僚男性教師に生徒との関係をバラすのだった。
演技派で、偶然にもエリザベス女王を演じている、この二人のイギリスを代表する大女優ふたり。
ジュディ・デンチは「恋におちたシェイクスピア 」で、ケイト・ブランシェット(彼女の生まれはオーストラリアだけど)「エリザベス」とその続編である「エリザベス:ゴールデン・エイジ」でもって、共にヴァージンクイーン=エリザベス1世役を白塗りメイクで演じています。
007シリーズでジェームズ・ボンドの上司「M」役でお馴染みであるジュディは、「Queen Victoria 至上の恋」の中でも女王様役。
ウィリアム・シェイクスピアの生家のあるストラトフォード・アポン・エイヴォンに私が行った時に目にしたのは、その生家を彼女が訪問したときのパネル写真でした。
先のエリザベス女王役のほかにも「ハムレット」「ヘンリー五世」等でも出演している縁で訪れた時のものかと思いました。
その時には、綺麗でさすがにカッコイイ女優さんの顔でしたけれど・・・
ケイトは「ロード・オブ・ザ・リング」の妖精のようなお姫さま。「アビエイター」では名女優・キャサリン・ヘプバーン役を。
「アイム・ノット・ゼア」内ではひとり女性でボブ・ディラン役、「インディ・ジョーンズ」最新作では、宿敵ロシアの女スパイを演じました。
ここでもストーリーよりも、見物は二人の演技そのもの!
ジュディの獲物を付け狙う恐ろしい目つき。老境にさしかかった顔と身体の醜さ。生きることの難しさ、孤独感も漂わせての、怪演です。
バーバラのつけていた日記を読んだ後のケイトの切れっぷり!!
バーバラに殴りかかって言う台詞が凄まじいのだ。
とても育ちのよろしいお嬢様が口にするとは考えられない言葉の数々。この時のメイクも凄かったけれど・・・カメラマン達の真ん中で叫び声を上げる時には、ここまでするかと思ってしまいました。
一見すると性格も頭の中も弱そうなシーバ・・・これは生徒にも簡単に見透かされている、そんな女性の役をリアルに演じました。
二人はこの演技で、オスカーは逃したものの・・・国内外において数々の主演、助演賞を受賞しました。
シーバの年に離れた夫役=ビル・ナイって、「パイレーツ・オブ・カリビアン」でのデイヴィ・ジョーンズ=タコ船長役をやっていた人なのですね!
この映画の中の彼は、彼女の事を優しい心で大きく包むだんなさんです。
イギリスの高名な作家アイリス・マードックを主人公にした映画「アイリス」。
晩年のアイリス=ジュディ・デンチ、若き日を演じたのはこちらも大好きケイト・ウィンスレット。彼女の出演作もこれまでにほとんど見ています。
この二人のアイリスを主演にした映画と同じく、リチャード・エアが本作も監督をしています。
彼女の書いていたのは・・・独りよがりな感情、嫉妬、独断と、自分勝手な世界そのもの。
しかし今こうして書いているブログにしても、それと似ている部分はあると思ってしまいます。
ここに書くことに嘘はないものの・・・書いている間、その世界にはまっている事、楽しんでいることは事実なのですから・・・
孤独な人間の心の奥底に潜む怖さが、描かれた映画だと思いました。
こんにちは。
私も以前みました^^
総じて面白かったですけど・・・怖かったです^^
ヨーロッパは、こういった心の中の動きを描いた作品が多いですね。
by もももんがが (2010-04-20 13:59)
ロールのつづきです。w
高い評価も確かにあるんです。
購入者さんの解凍の仕方にも問題があるのかもしれません。
レスの丸投げ>>に吹き出しました。
この作品のコメはお言葉に甘えてスルーします。
by デルフィニウム (2010-04-20 14:44)
<書くことに嘘はないものの・・・書いている間は、はまっている事楽しんでいることは
事実なのですから。 →ブログって、そうですね。
いつも、思いますが…hanaさん、映画や本~詳しいですね ((o(^-^)o))
by abika (2010-04-20 14:45)
もももんががさん、こんばんは。
ご訪問&nice!、そしてコメントをありがとうございます。
この映画の原作は、ブッカー賞の候補となったそうです。
ここまでではないものの・・・それに近いものが、誰の心の内にもあるものだからかもしれません。
アメリカ映画は、ほとんどが商業主義のハリウッド大作ですから。
多くを占める大雑把な性格のアメリカ人には、解りやすくてスピードのある作品が。この映画のようなものって、きっと受けないのでしょうね。
by hana2009 (2010-04-20 22:44)
デルフィニウムさんへ
銀座の某有名フルーツ店のケーキがどうして京都から発送されるのか、理解に苦しむところです。
デルフィニウムさんのところで見た、コージーコーナーのプリンの入ったロールケーキには私もかなりそそられました。
このところ、自分からはおやつを買うことはありませんけれど・・・・
夏に向かって、一応は少し自粛しています。無駄な抵抗かも!?
by hana2009 (2010-04-20 22:50)
abikaさんへ
そうなのです。書き始める前は、なんか面倒だなぁ~って思うのですけど。
書き始めると私、いつもいっぱい書いてしまって・・・いつも長くなってしまいます。
本と映画は、元々好きなのです。
それと、暇もあるからですね。
by hana2009 (2010-04-20 22:53)
emi£yさん、ともゆきさん、ぼんぼちぼちぼちさんへ
nice!を、ありがとうございます。
by hana2009 (2010-04-20 22:55)
自粛は難しいです。(*´ε` *)
by デルフィニウム (2010-04-21 08:38)
デルフィニウムさんへ
またも、ありがとうございます。
今日の日記の感想ではありませんが・・・・生きる事は食べる事ですからね~~
特に甘いものには弱い私です。
私って、自分自身に甘いだけじゃない~~!ことを実感してしまいます。
by hana2009 (2010-04-21 17:24)
よーちゃんさん、タケルさん、kotobukimaruさん、ロボライターさん、ユーフォさん、うしさんさん、j-yoshiさんへ
nice!を、ありがとうございます。
by hana2009 (2010-04-21 17:26)
これ、面白そうですね。借りて見てみます。
ジュディ・デンチというのは以前hanaさんに教えてもらった女優でしたね。その後何作か彼女の映画を見ましたけど、どれも見応えがありました。
by miyata (2010-04-23 10:53)
miyataさんへ
以前、miyataさんもご自身のブログの中で映画「アイリス」について書かれていたかと思いますが・・・
勿論その時のアイリス役もそうでした。
この映画も相当はまり役だと、私には思えました。
イギリス映画と言えば、主に男性が主演の映画ばかりが思い出されてしまいますけれど・・・このように存在感のある女優さんもいますから侮れませんね。
miyataさんはイギリスを旅された事がおありだから解るでしょう。
あちらの中年女性って、ロンドンなどの都会をのぞくと・・・大きな身体にただダボッとした大き目の上着を羽織って着ている、全くオシャレではないと私は感じました。
そんな構わない、生活に疲れた女教師役がピッタリ合っていました。
by hana2009 (2010-04-23 18:49)