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猛暑続きで参ったね北海道・・・㉞「北海道ホテル 森のスパリゾート」朝食、そして鹿追へ [2023・7~8月三年ぶりの北海道]

道内最後の朝です。
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一階レストラン「バード・ウォッチ・カフェ」へ向かうホールに展示されていたのは、北海道の歴史を垣間見る古地図コレクション。
北海道=「北加伊道」の名を考案した「松浦武四郎」も携わった「北海道国郡全図」初版地図、「蝦夷地古写図」「ウイーン製アジア地図」…と言った北海道関係の地図は、どれも現在ある地図と大きな相違は見られず。遡る事数百年、それ程以前から西洋から見れば地球の裏側ともいえる極東・日本と、この北の最果てまでが研究されていた(それは植民地化を目的としてか?)の実情。様子をじっくり眺めていくと大変興味深いものがあります。
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帯広第一のホテルでありつつ・・・一階奥の大浴場入口まできますとこの光景。
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この一帯で最も濃いといわれる植物性モール温泉をもつ「北海道ホテル」。北海道遺産「モール温泉」のコーヒー色の温泉には、お肌をツルツルにする有機酸が含まれているとか。露天風呂、泡ぶろ、サウナと温泉旅館並みの施設が揃っているのは温泉好きには嬉しいポイントですね[いい気分(温泉)] 帯広のモール泉は私も、45年前の初回訪問で経験しておりました。

ホテルの朝は、朝食からスタートです。
和食、洋食、スープカレーの三種セットメニューより、夫は和食、私は洋食を選択。
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焼き立てホカホカ特製パンはデニッシュとクロワッサン、ホテルメイドポタージュスープに、道産新鮮野菜サラダ。
いずれもビジネスホテルで摂る朝食とは、一線を画す内容です[るんるん] ジュース・コーヒー・紅茶等のドリンクコーナーの他、オーブントースターの前にもカットしたイギリスパンが置いてあり、そちらを食べるのも可能[るんるん]
ブッフェスタイルではない、緑の映える庭園を見ながら落ち着いて食べる、このスタイルは良い(^_^)
そしてホテルメイドのパンの食べきれない分は、セットされた「UNCLE MOORSEN’S」袋に入れて持ち帰って良し♪…の素敵なシステム。
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勝鹿追町産ヨーグルト(で~で~ぽっぽ)・パイン・十勝産チーズ&十勝産豆ピクルスの3種盛、オムレツには奇跡の卵と言われる「米艶」を使用。道産のお米を食べ育った鶏から生まれる「米艶」の色は白くても濃い卵の味が感じられます。
夫の選んだ和定食はこちら。内容に特別感はない模様でも、ご飯に中央の豚肉&根菜類をのせて、たれをかけた十勝名物「豚丼」風で食しても良し♪
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レストラン入り口横では、ロビーに併設のベーカリーに並べられるパンが次々焼かれていきます。
ベーカリーでは昼過ぎには売り切れるとの、クロワッサンが特に美味しかったです。

前夜、夫が散々遊んでもらっていた○○○ちゃんも、悪い気はしなかった模様で盛んに気にして顔を合わせる度に「にっこり」、「にっこり」ってホント可愛いわね(*^^)v でも庭に設置のパラソルの下で食事を摂る客たちへのサ―ヴもあり、忙しく働いています。
それでも笑ってしまったのが、見送り時に他のスタッフさん達よりも前面に出てきて接客的に見送りをしてくれたその様子です[るんるん] 2~3歩は前に出ていましたものね(⌒▽⌒)
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散歩をした庭は、緑溢れる季節の時期とも相まって素晴らしい景色が広がっていました。お散歩していても快適[グッド(上向き矢印)]
六花亭が営む「六花の森」など過去には訪問済みながら、こちらのホテル滞在では、そうした必要性は感じません。
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美しい幾何学模様の煉瓦造りの、優雅なヨーロッパの趣きさえ漂う建物外観。帯広中心部であっても、深い森のような木々の緑も鮮やか[ぴかぴか(新しい)] 青空の下深緑が映えます。
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JR帯広駅と「道立帯広美術館や「おびひろ動物園」とをつなぐ「公園大通」、自転車歩行者専用通「とてっぽ通」間に建つホテルです。
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敷地内の光景、清涼な空気、鳥のさえずる声等々、自然に囲まれているから味わえる穏やかなひと時。
この風景を眺めながら、ボ~っとするのは、何よりの贅沢と思えました。

8月1日(火)より一泊、@18370円×2=363740円プラス入湯税、アルコールは別で。この金額で多くを望むには無理があると思えるが・・・。口コミの良さから期待しすぎたのが、がっかりした要因でした。


チェックアウト後向かったのは、河東郡鹿追町。
「北海道ホテル」の朝食で食べて美味しかった「鹿追町産で~で~ぽっぽ」ヨーグルトと、1993(平成5)年開館の「神田日勝記念美術館」来館が目的です。
「で~で~ぽっぽ」ヨーグルトは、ホテル内のショップでも購入可ながら。。
今でこそ機械化された大規模牧場、農場が多く点在する鹿追町ですが、画家・神田日勝一家が入植した頃の鹿追村は、容易に人の定住を許さない、荒れ果てた大地が広がっていたと言います。
この6~70年あまりは鹿追だけではなく、日本全体が大きく変わった時代でした・・・。
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鹿追町の中心部に、ひときわ目立つ近代的な建物が建っていました。道央を中心として、北海道内の画壇ではよく知られた存在であったろうけれど、、転機となったのは2019年の連続テレビ小説「なつぞら」で、日勝をモチーフにした青年画家「山田天陽」を、俳優の吉沢 亮が演じてから。
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その事により全国的にも知られるように、神田日勝の存在と、描いた作品たちも注目を浴びる結果となりました。館内の音声ガイドを務めるのは無論、日勝役を演じた吉沢亮。
「ゴミ箱」「晴れた日の風景」「静物」「開拓の馬」「人間A」「飯場の風景」「画質A」「自画像」…等の展示品。 「神田日勝美術館
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神田日勝作「馬(絶筆・未完)」
日勝の没年に描かれた馬は頭部から前肢、腹のあたりまで描き進められ、途中で中断、筆が止まっているために、半分欠落したような状態である。背景は手つかずでベニヤ板の地が残されている。
この絵からは…日勝独自の制作プロセスである、メインのモチーフに真っ先に着手する、一方向からブロックごとに完成させて描き進める手法を知ることができる。
後肢にかけては鉛筆の輪郭線が記されており、左から右に向って一歩一歩、描き進められようとしていた様子も伺える。しかし作者の死がそれを中断させ、その未完の生涯と重なり合うようにして、馬は半身の姿で永遠に遺されたのである。
北の大地で農民として生きながら、絵を描くことに短い命を燃やした孤高の画家、神田日勝。
彼の残した作品は、いまなおその輝きを失わず、多くの人々の心をとらえ続けているのでした。

※神田日勝は1937(昭和12)年、東京練馬生まれ。7歳の時に一家は北海道の十勝に入植します。慣れない開拓生活の中でも、日勝は農業に従事しながら、次第に絵画に情熱を傾けるようになります。鹿追中学校卒業。1953年(昭和28年)卒業時に「特に美術に優れていた」という賞状を授かる。
兄・一明が東京藝術大学に進学。日勝は野幌高等酪農学校(通信教育)入学し家業を継ぐのです。
家業のかたわら、身近な生活に題材をとり、一筆一筆に魂をこめて描かれた力強い作品たち。
徐々に高い評価を受けるようになりますが、新たな境地に踏み出そうとしていた矢先の1970年、病いの為32歳の若さで亡くなります。
最後まで描き続けた馬の絵は、半身が未完成のままでした。
遺作の為未完成でありながら、馬の生命をこれほど力強く表現した作品はそうありません。日勝の最高傑作と言えるでしょう。
世間が大阪万博で盛り上がっていた1970年、日勝は農作業、制作、展覧会の準備などで忙殺される中体調を崩し、最後の作品を完成させないまま8月25日に亡くなりました。32歳の若さです。

美術館観覧後は、道の駅「しかおい」にて、「で~で~ぽっぽ」ヨーグルト、鹿追産お味噌を買って帰りましょう。
これで後、残る二編のみとなりました。自分でも早く、帰りたいです[ダッシュ(走り出すさま)]
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コメント 15

Boss365

こんにちは。
「古地図コレクション」を鑑賞されたみたいですが、写真がないのは残念(爆)。
「植物性モール温泉」初耳でしたが・・・
「お肌をツルツルにする有機酸・・・」は有難い効用、味わいたいです!!
朝食ですが・・・
デニッシュ&クロワッサンのビジュアル見ると「洋食」を選択です。
また、イチゴ乗ったヤツ、美味そうですね。
イギリスパンは軽くサクサク感ありますが、日本の食パンの方が美味しいかな(爆)。
食べきれない分の「持ち帰って良し」は大変有り難く、小腹満たすのに最適です。
ピンボケの和食写真ですが(爆)・・・
こちらも良い感じです。お腹一杯になりそうなボリュームです。
お庭を散歩ですが、日差しあり心地良い景色・空間ですね。
地図で見ると、結構立地良い場所・都市部ですが、大きな敷地で驚きました。
ところで「口コミの良さから・・・」あるあるかな?
別件ですが、買い物でもレビュー見て期待ですが、ガッカリする事多々ありです。
神田日勝記念美術館、これまた立派な建物ですね。ドラマ「なつぞら」を見ていませんが・・・
神田日勝と言えば、馬(絶筆・未完)が有名、印象的な作品です。
また、ベニヤ板に描かれているのも「人なり」を感じさせます。リアル鑑賞したい作品ですね。
ところで「残る二編のみ」の文字あり(爆)・・・
ラストスパート、踏ん張って下さい!?(=^・ェ・^=)

by Boss365 (2023-12-10 23:03) 

hana2023

Boss365さんへ
こんばんは。
>北海道の歴史を知る古地図の写真がないのは残念
ホテルのHPに載っていたもので、小さいながらこちらに。
https://www.hokkaidohotel.co.jp/concept/art.html
幾度となく書いておりますけど、結婚後すぐの夏のお盆休み中に訪れた北海道内、その周遊中の帯広の宿、そちらで浸かった茶色っぽいお湯がまさにそのモール泉でした。
日本のイギリスパンは、本場イギリスのパンとは関係なく、蓋をしないで焼成する山型の形状の食パンをイギリスパンと呼ぶ。そこから私もイギリスパンと書いたのです。
>ピンボケの和食写真ですが(爆)
そうでしょう!夫に写真を撮ってと頼むと、こんなのばっかりでガックリします!ホント、センスゼロです‼!
我が家の場合は予算の関係から、食事、お部屋共にマイナス面ばかりが目立ちましたけれど、それなりの宿泊料金を支払ったら、夕食内容も悪いものではないかもしれません。
ネットでお買い物こそ、あるあるですね。ただし買う行為が楽しさであり、届いた品物はざっと見て、どこかへ仕舞い込んで忘れる。私はよくやっています(爆)
神田日勝記念美術館の立派な佇まいには驚かされました。連ドラ「なつぞら」の視聴は私も途中まで、最後までは見ておりませんでした。
ベニヤ板に描かれた絵からは「人なり」と、大きなキャンバスが買えなかった貧しさとを共に感じました。
それ以前の食べるだけで精いっぱいという極貧の中で、優秀なお兄さんを東京芸大に進学させる。そこにはご本人、ご家族、残された日勝の日々がいかに壮絶なものであったろうかと、その辺りへ心を馳せてしまい涙が出そうに。まだ貧しかった時代を知る、私世代だからこその安易な同情、憐憫からくるものかもしれませんけれど。
Bossさんには是非とも、本作は観ていただきたいと思います。
ありがとうございます。
もう、ここまで来たからにはお任せくださいませ^^ ・・・と言いますか、長く、長くまるで一緒に旅したかのような日記にお付き合い頂いて、お礼の申し上げようがございません。








by hana2023 (2023-12-11 00:11) 

末尾ルコ(アルベール)

神田日勝という人は知りませんでしたが、若くして亡くなり、人間の人生本当にわかりません。
朝食はパンが美味しかったご様子。何よりでございます。

入院中の悩みのひとつですが、夜なかなか眠れません。その分、読書や書きものをしているのですが。RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2023-12-11 00:23) 

hana2023

末尾ルコ(アルベール)さんへ
こんばんは。
神田日勝は私も、朝の連ドラで吉沢亮が演じるまで、全く知らずにいた画家でした。また歴史好きな日本史の教師であった弟と話をしていて、そこから・・・本当に若くして病で倒れられた、これからという矢先の死去であり、ご本人の遺作をこの機に観ないとと言った気持ちになった訳でした。
個室ならまだしも、数人一緒のお部屋で、増して病室だけに真っ暗にする訳もなくて、長い夜をひたすら過ごす辛さもわかる気がしております。睡眠導入剤の処方はお受けになられていますか?
導入剤であれば一錠と言わず、一錠半くらいまでであれば飲んでも問題ないのではないでしょうか。
担当医にご相談されるのが一番かと存じます。


by hana2023 (2023-12-11 00:37) 

marimo

古地図って時々博物館などで見かけますが、
現在のものと見比べると面白いですよね。
本物の暖炉が燃えているって、なかなか見たことが無いです。
朝食のデニッシュがとても美味しそう。クロワッサンも❤
持ち帰り用の袋があるというのはナイスですね。
宿泊先のチョイスはやはり口コミをみますよね。
でも口コミほどではなかった事も多々あり(;^_^A
自分の体験が一番になっちゃいますね。
by marimo (2023-12-11 07:08) 

hana2023

marimoさんへ
古地図を見ると、その意外な正確さから、現在とは全く異なる条件下において、どのような手段で測り、作成したのか不思議でなりません。
厳冬の北海道内では、現在こそ灯油使用となっているけれど、寝ている間の一晩中通して暖めないとならないから。身近にある薪を使う暖房が理に適っている。…のだと考えます。
口コミはそれ程外れてはいないのだけれど、人は自分に都合よく解釈をしてしまう。これが、今回外した利用可と思いました。
by hana2023 (2023-12-11 12:17) 

溺愛猫的女人

暖炉があるホテルってステキですね。上高地帝国ホテルで一度見かけて、それからずっと憧れてます(*^^*)


by 溺愛猫的女人 (2023-12-11 12:29) 

tarou

こんにちは、道後温泉(坊ちゃん電車)に
コメントを有難うございました。
森のスパリゾート、朝食は洋も和も満足
出来そうな料理ですね(^^)v
by tarou (2023-12-11 13:30) 

ミィ

朝食は満足されたようでよかったです。
白いオムレツ食べてみたいな~。
「なつぞら」天陽くんがドラマで亡くなる前にモデルとなった方の話を知ってしまい・・・。
若くして亡くなってしまうのが分かったので、ドラマで先を観るのが辛かったです。
この未完の馬の絵も、当時ネットで見て切なくなったのを思い出しました( ノД`)
by ミィ (2023-12-11 14:17) 

hana2023

溺愛猫的女人さんへ
暖炉でしたら、我が家にも・・・なんちゃって!?
寒冷地に建つホテルには多くあるかと思いますけれど。

tarou さんへ
こんにちは。
道後温泉訪問では、嫌でもあの辺りへは行くものですから…。
朝食はどちらを選んでも満足、満腹でございました。美味しかったです。

ミィさんへ
白いオムレツ、飛騨高山の宿泊時に「アローカナ」と言う世界でも珍しい「幸せの青い卵」を食べていました。一個1000円だそうです!
実は「なつぞら」は途中から視聴を止めてしまい、天陽君が亡くなったシーン等は見ておりませんでした。
恵まれた才能が貧しさと重労働の中で失われた現実、その人生、その死の重み、この絵一枚からもじゅうぶん感じられました。
吉沢亮はこの役の好演が、翌年の大河主役へもつながった訳でしたが…。


by hana2023 (2023-12-11 15:43) 

英ちゃん

帯広は行った事ないけど本場の豚丼を食べてみたいかも(^_^;)
by 英ちゃん (2023-12-11 16:56) 

まつき

未完の馬の背景の左側、色の違いで壁のように見えてしまい、
壁から馬が飛び出ているように見えてしまいました。
これは実物で見てみたくなる絵ですね。
by まつき (2023-12-11 19:44) 

hana2023

英ちゃんさんへ
内陸部の帯広だけに、豚丼もだけど、泊まった宿で出た厚みのある大きなポークステーキも美味しいです。
帯広と言えば六花亭、柳月と言ったスィーツ。平和園のジンギスカンは経験済み・・・次回はインデアンカレーが食べたいな♪

まつきさんへ
短くも薄幸なその人生に反して、迫力が前面に出た力強さあふれる一作。そこには心なしか、、、作者の思いのたけが込められていると感じられました。
by hana2023 (2023-12-11 20:29) 

ぼんぼちぼちぼち

未完の絶筆を見られる機会がおありだったとは、貴重でやすね!
そうでやすね、仰る通り、この未完の作品から、その画家がどのように描きすすめていたのかがよく解りやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2023-12-12 10:25) 

hana2023

ぼんぼちぼちぼち さんへ
それまで、その存在さえ知らずにいた画家でしたのに。
その数奇と表現してよいか、薄幸な短く終えた人生を思ったら、その遺作を是非とも観たいと足を運んだのでした。
描かれたこの絵を間近にしたら、日勝の人となり、大きなキャンバスが買えずベニヤ板に描いた貧しさも感じ取れました。
by hana2023 (2023-12-12 11:54) 

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