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2023年〆の西九州旅・・・⑤外海のキリシタン関連遺産と「遠藤周作文学館」 [2023・12月~1月九州シュガーロードを行く]

日本列島最西端、九州西北部(壱岐市を含めて)に位置する長崎県。三方を海に囲まれて、多くの半島と島々から成る自然と土地柄からは…ここ!と言う景観に出会えました。透き通った海に囲まれた海辺と島々には自然、歴史、沢山の魅力が詰まっているのです。
今回の長崎県で最も訪ねてみたいと思っていた…それは、長崎市街の外海地区(そとめちく)でした。
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長崎の街は赤い街路樹が道路脇に並び、ウメモドキ?赤い実がこれ程鈴なりに生っている様子が珍しくて綺麗♪ やはり温かだから?でも可愛い♪
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道路上を走っていく路面電車はデザイン、カラーと多彩で可愛らしい[るんるん] この状況での運転は怖かったそう。余裕をもって、眺めている分にはですね…。
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長崎市の北西に位置する外海は市中心部から約40kmの距離にあり、豊かな自然をはじめ、独自の歴史や文化を有する地域。
東側を琴海地区、南側を三重地区、北側を西海市に接し、西側は五島列島を望む「角力灘(すもうなだ)」に面しています。
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「道の駅夕陽が丘そとめ」は、長崎市の北部に位置する道の駅。角力灘の美しい光景、海に沈む夕陽が楽しめるスポットであるのは、TTさんのブログで知りました。
道の駅には外海と所縁の深い作家・遠藤周作の「文学館」が隣接していて、この地を目指したのはその訪問目的で。
青い海をバックに、白い外観の平屋建ての建物。
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入館の為のアプローチ、この右側に広がるのは、遮るものの一切ない美しい「角力灘」です[ぴかぴか(新しい)]
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青い海色のステンドグラスが施されたエントランスホール。このステンドグラス絵は観覧券にも使われていました。
館内は国内各地に建つ教会風の造り、装飾に似ていると感じます。
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長崎市遠藤周作文学館内には、作者の愛用品、遺品、生原稿、蔵書などが展示され・・・、遠藤周作の生涯、足跡が見られましたし、彼の生誕から晩年までの年表にそって、主要作品がわかりやすく紹介されています。
展示室には遠藤氏の書斎、スマートにキメたダンディな遠藤周作肖像写真と(^-^)

外海地区はかつて交通の便が悪かったために「陸の孤島」と呼ばれていたそうです。役人の目が届きにくい面もあり、禁教期はキリシタンの潜伏地となりました。黒崎地区は潜伏キリシタンの歴史が色濃く残る場所。
小説「沈黙」を著すにあたっても、実在した「黒崎村」を、小説では架空の「トモギ村」のモデルに設定。
平成8年9月に他界した後、順子夫人をはじめとする遺族、生前に親交の深かった人々を中心に文学館建設構想が持ち上がり、関わりの深い文学や人物を語るのに相応しいロケーションという選考要件に加えて、それまで培われてきた縁により現在地に建設が決定。

かつて所属していた(大人向けの)読書会では市立図書館での講演会へ毎年のように作家を招待し、大江健三郎、吉村昭、沢木耕太郎と著名な作家達の講演を楽しみました。次回は是非、遠藤周作氏でと希望を出していましたのに、それは叶わないまま。

展示物からも地元キリシタンたちが歩んだ受難の歴史、日本の精神風土においての...キリスト教徒としての作者の強い意識が感じられました。
人間にとって「生きる」ことの意味、人のもつ強さ、自己犠牲の潔さがあり、またはそうした心を持ちあわせない大多数の人間の弱さや醜さ、作者自身の信仰告白・・・。深い普遍的なテーマが描かれた作品群。
遠藤周作原作の「沈黙」は、はじめに篠田正弘監督で映画化をされ、信仰という重いテーマに挑んだマーティン・スコセッシ監督作、2016年の「沈黙‐サイレンス‐」は劇場でも鑑賞済みでした。https://hana2009-5.blog.ss-blog.jp/2017-01-24
九州の大学付属病院における第二次世界大戦中の米軍捕虜の生体解剖事件を小説化、著者の念頭から絶えて離れることのない問い「日本人とはいかなる人間か」「生命の尊厳」を追究した「海と毒薬」。
現在企画展においては、「生誕100年特別企画展「100歳の遠藤周作に出会う」が開催中です。

ショップ「外海」を覗くも、「沈黙」「白い人」「黄色い人」「海と毒薬」「青い小さな葡萄」「男と九官鳥」と言った小説は自宅にもあり。映画「海と毒薬」「私が捨てた女」も、かつてながら鑑賞済みで…。
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文学館で遠藤周作の作家活動の足跡をたどって、人間として問いかけられる問題の大きさには、当然ながら安易には答えなど出る訳もなく。。外のテラスにてしばし、遥か東シナ海を臨む、角力灘の素晴らしい光景に目を見張る[ぴかぴか(新しい)]

道の駅では地元でとれた棚田米やお味噌、外海(そとめ)地区伝統の柑橘加工品、甘藷(さつまいも)を湯がいた後に干し、それを蒸して餅米と水飴、砂糖を混ぜてついた「かんころの餅」とあったが、やはり外海町といえば 「ド・ロさまそうめん」、日本発の国産パスタ「長崎スパゲッチー」。
※長崎スパゲッチーの「スパゲッチー」と言う当時からの呼び名、日本のパスタのルーツは長崎にあった点も面白く感じられました。
[ぴかぴか(新しい)]外海は長崎市内と共に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の名で「世界文化遺産」の指定を受けました。
「ド・ロ神父記念館」へと、続きますね。
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snow

長崎の壱岐は一昨年行きましたが
市街地は高校生から行ってないので何年前だ(・・?
路面電車好きです 各地で走ってるとついつい眺めてしまいます
写真を撮るとなると何だか恥ずかしくなるのは何故でしょう?
市街地でカメラ構えるの苦手です
by snow (2024-01-17 22:54) 

英ちゃん

長崎は、ファーストネームで呼び合うとか?
名が先 だから(^_^;)
しかし、路面電車に乗りたいです(;^ω^)
by 英ちゃん (2024-01-17 23:19) 

hana2024

snowさんへ
壱岐の島へも行かれているのですね!
北関東の我が地から、長崎県はやはり遠いです。南方へ出かけるとなると、どうしても沖縄まで行ってしまいがちに。
路面電車はその土地に住む人々の生活と密接している面白さが感じられますね。
>市街地でカメラ構えるの苦手です
それを言うなら私など、ホテルの朝食ビュッフェでさえ、写真に撮ってしまうのですから…(^^;

英ちゃんさんへ
>名が先 だから(^_^;)
毎回の、英ちゃんギャグをありがとうございます♪
前記事の「お相撲さん・出島」の件は、意味がわからずに、ツマラナイコメレスにて失礼しました^^ 輪島は知っている、昭和の人間なのです。そう、この路面電車画像は、英ちゃんへのサービス♪ なんちゃって、嫌な性格でしょう!?



by hana2024 (2024-01-17 23:51) 

tarou

お早うございます、吾妻山(菜の花)にコメントを
有難うございました。
こちらでは一足早い春を楽しんで来ました。
ラッピングされた路面電車の走る長崎の町は、
すてきです。車の運転者は気を使うのかな・・・?
by tarou (2024-01-18 09:28) 

ぼんぼちぼちぼち

ああ、「海と毒薬」、あっしは映画で観やした。
肺をどのくらい取っても人間は生きているものか、という人体実験に心が押し潰されそうになる主人公が、印象的でやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2024-01-18 10:17) 

まつき

路面電車、カラフルで可愛らしいですね。
ラッピングされていない車両が、そっけなく思えてしまいます。
でも慣れない道で車を運転となると、やっぱり邪魔?に感じて
しまいそうです。運転お疲れ様でした。
買い物だけじゃなくて景色が楽しめる道の駅、良いですねぇ。
しかも「文学館」が隣接とは、見どころテンコ盛りですね!
by まつき (2024-01-18 10:41) 

Boss365

こんにちは。
長崎県、大きな大村湾あり、認識・把握しずらい地形・形状になってますが・・・
個性的な自然や歴史あり「沢山の魅力」ありますね。
対馬も長崎県、大人になって知りました(爆)。
長崎の街は平坦地が少ないですが、路面電車あり、独特の風景ありですね。
「道の駅夕陽が丘そとめ」に隣接の遠藤周作の「文学館」・・・
いい眺め・いい所にあります。
遠藤周作の名前は良く知っていますが、作品は読んでいないです。
唯一「海と毒薬」をチラ読み程度、映画も観ています。
また、狐裡庵先生のエッセイは雑誌等で読んでました。
ところで、外のテラスから見える風景、心地良いですね。
「道の駅夕陽が丘そとめ」のHPで見た「ド・ロさまそうめん」気になっていました。
「スパゲッチー」なる程です(爆)今度長崎の友人に問い掛けてみます!?(=^・ェ・^=)

by Boss365 (2024-01-18 10:45) 

溺愛猫的女人

遠藤周作先生の「文学館」はぜひ一度行ってみたいです。先生の作品はどれも素晴らしいですが、中でもエッセイが好きです。鶏肉にあたった話は今でも印象強く覚えています。
by 溺愛猫的女人 (2024-01-18 11:01) 

hana2024

tarouさんへ
こんにちは。
初日のホテルへ向かう間、交差点での路面電車と、信号に、慣れない夫は「寿命が縮んだ」ですって!
歴史ある長崎市の、ほとんど初めての様な道路での事故、決してないとは言い切れません。

ぼんぼちぼちぼち さんへ
熊井啓監督による同名の映画、大学病院内の出世争いや自己顕示。教授たちが行おうとする医療実験に同調せざるを得ない研究生たち。
実際には豚の心臓を使っての撮影、スタッフから採取した本物の血液が使用されるなど。良心の呵責にさいなまれる勝呂と、その様子を冷ややかに眺める戸田と。外国人である教授夫人に叱責を受けた事に端を発し、生体手術に参加する看護師と言った人間関係も見ごたえがありました。
by hana2024 (2024-01-18 13:57) 

hana2024

まつきさんへ
長崎は二度目だけど、路面電車の走行する様子や、昔ながらの道路状況では、邪魔どころでは済まなかった!そうです。
福岡空港でレンタカーを返却した後、最も近場へ送ってもらった際に伺った話では、「今日の午前中だけでも、15件もの事故が。そこには死亡事故まであったのです。事故車続出で、次へと回す車に困っています」って、そう聞いて、良くも無事にここまで来れたと、改めて思ってしまいました。

Boss365さんへ
こんにちは。
長崎県もながら、九州全体が入り組んだ地形、山あり、海ありで意外な広さが感じられるのです。
長崎・佐賀・福岡を周るに、一週間でも短すぎたくらいでした。
対馬や、壱岐の島は端っこだけに、CやKの侵略の危機にさらされていますね。
海沿いの街ってどこも同じようですが、ここ長崎も人口の密集した坂の多い街です。
予想していたより小ぢんまりの小施設「道の駅夕陽が丘そとめ」、しかし隣接している「遠藤周作文学館」は、素晴らしいロケーションに、入館者も控えめで、限られた大人の為の施設…の感をもちました。
映画「海と毒薬」は、今でしたら勝呂と、戸田は逆のキャスティングかな?しかしブラック渡辺謙も、それはそれで良い。
二階から遠藤氏の本を探し出して来たら、夫:「狐裡庵先生の本だ!」ですって。それは遠藤氏の別の一面に過ぎませんのに。エッセイファンも多いご様子(爆)
道の駅内のショップも覗いて見ただけ、「ド・ロさまそうめん」「スパゲッチー」とお試しをしたら良かったかしらん♪


by hana2024 (2024-01-18 14:22) 

hana2024

溺愛猫的女人さんへ
作家・北杜夫と共にユーモア文学ないしユーモア作品と呼ばれる数々のエッセイを発表、この分野でもブームを築いたこと。
TVCMに「狐狸庵先生遠藤周作」としてたびたび登場した経緯から、遠藤周作の真逆の一面「狐狸庵先生」の名称が一般化をした模様ですね^^
by hana2024 (2024-01-18 14:32) 

ミィ

ここが道の駅?!と思ったら、遠藤周作さんの「文学館」も隣接されてるのですね。
景色が素晴らしく、アプローチやエントラスホールもまた良い雰囲気☆
「スパゲッチー」夢グループの社長が言ってそうだなと思いましたが
ちょっと使ってみたくなります^^
by ミィ (2024-01-18 15:25) 

hana2024

ミィさんへ
「道の駅夕陽が丘そとめ」の写真は、撮り忘れていたようでした(^^;
隣接と言っても、正確には「遠藤周作文学館」は道の駅の下側に建っています。
外海地区の家々の土台、石積みを取り入れた建物に、作家・遠藤周作がキリスト教信者であったのを示している建物でした。
夢グループの社長さん、年配の方なのでしょうか^^ 「スパゲッティ」も使わないのに、「スパゲッチー」ですか(><)
by hana2024 (2024-01-18 17:15) 

yoko-minato

年末に九州旅行に行かれたのですね。
九州は未踏の地です。
飛行機で行けば遠さは何の問題もなく
行く機会があれば行ってみたいです。

by yoko-minato (2024-01-19 10:44) 

hana2024

yoko-minato さんへ
冬は温かな南へ…と思うと、つい沖縄へ行ってしまうものですけれど。
でも九州は意外に広くて、長崎~佐賀~福岡と、以前と同じ県ばかりを周ってしまってお仕舞です。
空港までの到着は容易でも、それからの知らない土地での移動。何度も行っている北海道とは違い、はじめの長崎では慣れない道路状況に夫も苦労した様子でした。
でもだからと言って、団体ツアーでは行きたくありません。そうなると、う~~むですね。
by hana2024 (2024-01-19 17:21) 

てんてん

ながさきサンセットロードはいかがでしたか?
バイクに乗っている頃は、海岸線を走るのが気持ち良くて毎週のように「道の駅夕陽が丘そとめ」へ走っていました。
TTさんとは僕のことでしょうか^^;
by てんてん (2024-01-19 21:42) 

hana2024

てんてんさんへ
>ながさきサンセットロード
・・・とは、まさに! ただ走ったのが日中であったので、そうしたムードは感じられなくて。
確か、以前のブログ?内では、バイクツーリングで頻繁に登場をしていた「道の駅夕陽が丘そとめ」。名称の「そとめ」が印象的でした!
>TTさんとは僕のことでしょうか
他に誰が?当然ですとも!
by hana2024 (2024-01-20 00:00) 

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