SSブログ

デッカイドウ北海道旅行・・・⑧釧路へ、そしてなぜか「健」さん [2017・8月北海道・千歳~帯広・釧路。霧多布]

釧路へ1.jpg
日本最大の畑作地帯である十勝平野。十勝は北海道有数の酪農地帯でもあり、士幌町には大規模牧場が数多く見られました。
大型機械による牧草の刈り取り作業、ゴロンと転がるのは直径2m以上はある円筒形のビニール梱包のサイレージ(醗酵飼料)だそうです。
釧路へ2.jpg
道内の小麦作付面積の約4割を占める十勝地方では、毎年7月下旬から秋まき小麦の収穫が行われる。秋まき小麦はその名の通り前年の秋に種をまいて越冬し、7月下旬から8月上旬にかけての1週間から10日の短期決戦で収穫をする忙しい作業。
巨大なコンバインで昼夜を問わず行われる収穫作業はそのスケールに圧倒されるとともに、十勝の夏の風物詩となっていると言います。

以下も、どれも車窓から適当に撮ったものばかりなので、良い写真が一枚もなく申し訳ない限りながら[バッド(下向き矢印)]
釧路へ3.jpg
毎年大量生産し続けるために行われている農法のひとつ「輪作」は、一年ごとに順番に畑を替えて植えていく。
空から畑の光景を見たら、美瑛と同じでパッチワーク模様なのでしょうね。
よく東京ドーム何個分という表現がされますけど、到底無理と言わざるを得ない広大な農地。
釧路へ4.jpg
大規模農家が多くコンバインなどの大型の機械を用いるのが普通だが、十勝平野は気候の低さと火山灰地の土地柄で米作には向かず、畑作や酪農のみが行われている。
清涼な空気、涼しい気候に適した畑作物・・・小麦、じゃがいも、たまねぎ、かぼちゃ、にんじん、だいずやあずき等の豆類。
そして砂糖の原料であるてんさいの生産が盛んながら、てんさい「=砂糖大根のこと。甜菜(てんさい)の根をしぼって砂糖を取る」の畑がどれなのか不明なまま。

またこれほど大規模な赤紫蘇畑も初めて目にしたものです[目]
釧路へ5.jpg
話には聞いていましたが、実際に来て見るととんでもない広さには驚くばかり。空も一層大きくて、果てしなく続く大地の広さに感動しました[グッド(上向き矢印)]

アイヌ語の名ごりが各地名に見られて、帯広(おびひろ)は「オペレペレケブ 意味:いくつも分かれている川)」。
これから向かう、釧路(くしろ)は「 クシル(超える道)」。
釧路へ6.jpg

そして海が見えてきました。二日ぶりの海は当然ながら太平洋です。好天の下、家族連れが海辺へ出て楽しげに過ごす様子は微笑ましい。
釧路へ7.jpg

霧の街・釧路は道東の拠点都市として、太平洋と、内陸の自然を背景に発展してきたところ。
最も知られるところで・・・自然の中で生きる丹頂鶴の姿を観察する釧路湿原。釧路市内では「勝手丼」で知られる「和商市場」…。
最近親しくなった方が釧路生まれの方で、彼女のお勧めて読んだ桜木紫乃さんの小説「ホテルローヤル」。釧路出身の作家は、本作で第149回「直木賞」を受賞。
また新潮社から出た「無垢の領域」も、…と言うか、「ホテルローヤル」より釧路の光景がより鮮やかに描かれていると感じられました。
…と言う訳で、ほとんど予備知識ゼロの状態で訪れた釧路の街。
駅の観光案内所で、追悼特別展「高倉健」が北海道立釧路芸術で開催されているのを知り、入ってみる事にします。
高倉健2.jpg 高倉健3.jpg
この企画は、よくある私服やプライベートグッズを展示したスターメモリアルの展覧会ではなく、出演映画のここぞというシーンを上映する展覧会。
「映画俳優、高倉健の全仕事」。
日本侠客伝シリーズ、網走番外地シリーズ、昭和残侠伝シリーズ等の仁侠映画で一時代を築いた後、それまで演じてきた役柄とは大きく異なった映画「新幹線大爆破」で主役を。
中国で大ヒットした「君よ憤怒の河を渉れ」、私などは記憶に新しい「八甲田山」「幸福の黄色いハンカチ」と言った多くの名作や話題作に出演。

そこには当時、二代看板スターであった鶴田浩二の姿も。
そして愛すべき悪役達として、南原宏治、待田京介、若山富三郎、金子信雄、西村晃、安部徹、渡辺文雄…と言った懐かしい顔ぶれが見られたのも嬉しい[るんるん]
80歳を過ぎた晩年まで、生涯で205本の映画に出演した高倉健。日本中の映画ファン、スタッフや役者仲間たちからも慕われ、尊敬された名優だと思います。
新聞社主催の 追悼特別展「高倉健」は 2016年11月19日の東京ステーションギャラリーラリーから始まって、出身地・北九州や、出演作品縁の地北海道内を巡回中。
7月初旬~9月初旬までは釧路市、その後は帯広市の予定だそう。
          高倉健4.jpg
台本や小道具、スチール写真、ポスター、プレスシートなど高倉所蔵の資料、遺品などを展示品もありましたが・・・。
全出演作205本から抜粋した映像を、20台を超えるモニターやプロジェクターで上映していく。
デビュー作「電光空手打ち」(1956年)から、遺作となった「あなたへ」(2012年)へまですべての映画を集めて・・・フィルムを修復する。手間のかかった企画でした。
長い間スターとして活躍したからこそ、これだけ多岐に渡った作品へのに出演が可能であった。
高倉健の出演作には鉄道がテーマになっていたり、鉄道・駅が重要な役割を果たしているものも多い。ざっと思い出しただけで、「鉄道員(ぽっぽや)」「駅 station」「海峡」とある。
同展における映像のさわりの部分を見ていると、本編をもう一度大きなスクリーンで観たいと思ってしまう…その思いは私だけでないはず。
どこかの映画館で高倉出演作品の上映をしてくれたら良いのに。

ロビー内に関連した記事の切り抜きと共に、書籍の販売コーナーがあり、そこで購入して来た一冊はこちら。
                           高倉健1.jpg
カバーこそモノクロの「高倉健展」ながら、中身は双葉十三郎氏の「日本映画ぼくの300本」。
雑誌「スクリーン」のファンでしたらお馴染み「ぼくの採点表」は面白くてためになった、映画の教科書でした。
サイレント時代の名作から近年製作されたものまで、これぞ日本映画といえる300本を精選した。小津、溝口、黒沢作品は当然、怪談やミュージカル。「渡り鳥」シリーズに「座頭市」「緋牡丹博徒」シリーズまで取り上げた本書。
明瞭かつ的確な語り口でズバリ言い現した文章には説得力があり、納得させられるばかり。。ただし本数の多さゆえ紹介文の短い作品もあり。個人的には物足りなさが残ったのは残念。

こうして日本映画の楽しさを改めて教えてくれた俳優、一冊にも出会えた旅でもありました。
まだ続きますよ。
thanks(78)  コメント(11) 
共通テーマ:旅行