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避暑を求めて北海道旅行・・・㉗映画「駅 STATION」の増毛駅周辺を歩く [2018・8月岩手・青森・北海道・新潟]

最後の宿「夕陽荘」をチェックアウトし、小樽港のフェリーターミナルを目指す。・・・その前にせっかくなので、前日も通った増毛の町をもう一度見ていくこととしました。

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「旧丸一本間合名会社」として1882(明治15)年創業、道内でも最北にあると言われる「國稀酒造」です。
かつては礼文、他にも存在していたそうながら…今や、日本国内でも最も北の蔵元「國稀」。
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酒造りに使われる仕込み水・・・は、同じものが屋外でも汲めるようになっていました。
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1981年製作の、降旗康男監督作品「駅 STATION」は、2014年亡くなった高倉健主演の映画。
作中で実家のシーンとしても登場するのはこの店のお座敷であり、また館内の階段シーンなのでした。

3本ほどお酒を買い求めた後、建物内の見学をしていたら、増毛の話。また映画にまつわるエピソードの話。
主演女優であった「倍賞千恵子さんが30年ぶりにお店を訪れて下いまして、飾ってあったポスターにサインしていってくれたのです」とスタッフさんの説明がありました。
平日の午前中とあって客も多かったわけではないけれど、お店の皆さんはどなたも親切、感じの良い接客でした。

次に近くの「港町市場 増毛店」をのぞいてみましたら…。
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晴れた日には積丹半島や天売焼尻島までを望む…日本海に面した漁港だけに、甘エビ、タコ、鮭、タラ、真イカ(スルメ)、ヒラメ・カレイ、ニシン、ツブ、ウニ、アワビ、八角、ハタハタ、ホタテ…とあり。
中でもボタンエビの漁獲高は日本一だが、アマエビやタコなどの水揚げも多いと言います。

その並んでいる品々のどれも、夕陽荘さん昨夜の海鮮BBQで提供されたのと全く同じものだったのでした[あせあせ(飛び散る汗)] この場でこれを見なければ、美味しく楽しい想い出として残ったのに、ガッカリです[たらーっ(汗)]

「駅 STATION」でも重要なシーンが撮影された増毛駅。
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広い北海道内で次々に廃止されてしまった路線のひとつ。
2016年12月に惜しまれつつ廃線となった留萌本線(留萌~増毛)の終着駅駅舎は改装されていましたが、人影も少ない閑散とした駅周辺は・・・作中の撮影当時の面影が残っていると感じられました。
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駅舎内の半分は食堂とお土産物屋さんになっている、現在の役割は、観光案内所の意味あいの方が強く感じられるのだけれど。。
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そして、フランス料理「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーシェフ三国清三さんの出身地が北海道と知っていたものの、ここ増毛であったとは。
「実家の方には飲食店はほとんどなく、ハンバーグやグラタンと言った洋食は働いた店で生まれて初めて食べた」と以前彼が話されていたのは記憶しているのですけれど、生まれ育った増毛で捕れたての新鮮な魚介を食べて。またお母さんの畑から生まれた野菜もずっと食べていたから、自然と「舌」が肥えた。…料理人としての成功は本人の努力、才能もだけれど、その下地はここ増毛の地…であると考えられますね。
増毛には当然、シェフプロデュースの「オーベルジュましけ」もありました。

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旧「旅館富田屋」に隣接する建物は、これまた映画の舞台となった「風待食堂」で、作中の佇まいで残っています。
今では観光施設となっている…建物の内部には、映画のワンシーンを伝える写真がびっしり張られていて。
風待食堂の正面にあった、健さん扮する刑事が宿泊した「増毛ホテル」=日本通運増毛営業所は現在では更地とか。

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鰊と海運で栄えた増毛の往時を感じさせる、重要文化財「旧商家丸一本間家」は道沿いでもひと際目を引く立派な佇まいの建物でした。

夏目雅子主演の「魚影の群れ」のロケ地でもある増毛ながら、こちらの映画は未だ観ておりませんので…。
道内の道路は徐々に広げながら開発してきた経緯からも、峠越えの道の険しさ。。
雄冬(おふゆ)国道が開通するほんの20年ほど前まで「陸の孤島」とまで呼ばれていた、増毛からの定期船でしか訪問が叶わないでいた…わずかな平地に形成された雄冬集落。
雄冬は増毛と国道231号線(オロロンライン)一本でしかつながっていず、通年でのアクセスが可能となったのが1999年。
そんな雄冬こそ、前日に宿泊した「夕陽荘」近くであったのだ[ひらめき]
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断崖絶壁に挟まれた陸の孤島、国道は断崖絶壁をいくつものトンネルで越えて走っている。

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風待食堂建物内に再現されているのは、桐子=倍賞千恵子の店です。そして英次=高倉健と桐子の距離が近づいた時の一枚。
この二人のシーンを真似た記念写真用の衣装も用意されていて、スッカリその気分になりきってポーズをとり撮られた写真の数々には…カップルのみならず、男同士のものまであり笑わせて頂きました。

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その桐子をはじめとして、幼子を連れて英次の元から去っていった妻・直子、通り魔犯・五郎の妹で「風侍食堂」で働くすず子…が登場する映画「駅」については次回になります。
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末尾ルコ(アルベール)

いいですね~。風格ある佇まい。そして30年ぶりに倍賞千恵子が訪ねてきたというエピソード・・・。高倉健はもちろん、倍賞千恵子も昨今の俳優たちとは格違いの大大スターなのに、しっかりと血が通っているんですよね。そして一つ一つの各品に丹精が込められているので、いつまでも大切にするのでしょうね。
『駅 STATION』、また観たくなってきました。RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2018-10-20 03:24) 

hana2018

末尾ルコ(アルベール)さんへ
おはようございます。
北海道が鰊漁で隆盛を極めた頃の栄華の後。往時の面影を垣間見た増毛駅周辺。
倍賞千恵子が、ここ増毛の國稀酒造を約30年ぶりに訪問した話も。
また増毛の町の人々にとり格別な思いのこもった映画である「駅」。そうした事実に気づかぬまま訪れてしまった訳ながら・・・。
それでもこの土地を訪れてしまっただけに、帰宅後すぐ夫婦で観た「駅 STATION」でした。…につきましては勿論、次の記事で熱く語っておりますですよ^^
by hana2018 (2018-10-20 08:06) 

サンダーソニア

絵になる建物があって魅力的ですね。
映画は見ないけど現場になっていると知れば
興味がわきます。
by サンダーソニア (2018-10-21 01:51) 

いっぷく

まあ正直、お店が記念館のようにここがロケ地ですって宣伝をバンバンされると、逆にマニアは探す楽しみがなくなってしまうんですけどね。昨今流行しているのは、場所がわかっているロケ地を巡って、注文した食べ物も手もつけずインスタ用の写真を撮るためだけの「聖地」巡礼ですが、苦労して見つけたお店は、その経験をじっくり味わいたいと思うものです。
by いっぷく (2018-10-21 14:59) 

hana2018

サンダーソニアさんへ
一時は海面を埋め尽くすほどやってきていたと言われる鰊です。今は人影もないこの土地だって、随分と栄えて賑わっていたことでしょう。
そうした栄華のあとが伺える建物でした。

いっぷくさんへ
病気で倒れる前に、最北の地である稚内の町も訪れたことがあったものの、まだ10月頃である今頃でさえ、ホテルから出たら吹き付けてくる霙まじりの強風…失礼ながら、ここは人が住むところではないと思ってしまったものでした。
しかしだからこそ、海は北の海の幸=宝の数々を与えてくれるって。
乗客数の減少から、次々廃線となってしまった鉄道各線、ここ留萌本線も今となっては乗っておくべき路線であったとの気持ちを持ちました。
主産業である漁業でさえじり貧になりつつある今。
町の観光課が危機感を持ち、一本の映画にさえ「ここがロケ地です」と活路を求めるのは仕方のないこと。
>昨今流行しているのは、場所がわかっているロケ地を巡って、注文した食べ物も手もつけずインスタ用の写真を撮るためだけの「聖地」巡礼
…については理解を超える世界ながら、こうして映画のロケ地巡りをするのは、結構楽しいものですよ♪
by hana2018 (2018-10-21 21:48) 

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