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12月年末の福島・・・③「もてなしのかくれ宿すわや」夕食 [2020・12月福島県奥たまかわ温泉]

夕食は6時15分からだったかと。時間になって下へ降りていきますと、廊下の右の食事処へ案内されました。
部屋により部屋食となりますから、我々の隣は空いてます。
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テーブルに置かれていた、丸盆の上に可愛い器♪
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お品書きがないから、女将さんからの説明もうろ覚えですが…。取りえずビールで一番搾り。                           ご飯3.jpg
これは先付?金色の高台には、海老とさよりの手綱巻き・かずのこ・ひたし豆。
丸い巾着みたいな器には、なますにイクラ・鮭の西京焼き・八幡巻き・干し柿&バター・蓮根・くわい・花豆の前菜。
豪華な絵付けが施された木曽塗り椀の中身は、蟹しんじょう、お出汁が上品でとても美味しい[ぴかぴか(新しい)]柚子も効いてます。
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石川町豊国酒造による「すわや」ラベルの純米酒へと替えて。
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これまた凝った四角い深鉢はお造り、天然カンパチ・白身魚はなんでしたっけ?・タラバカニ。丸い高台の中は鯛と言っていたような。どれも新鮮で美味です。
「こちらは、随分凝った器ですね」との会話から、尾形光琳の兄・尾形乾山の…窯名として用いる「乾山」の作品を模した焼き物のひとつと思います」と、プリントアウトして手渡してくださった。

※「琳派」のうち主に陶芸に携わった尾形冠山。その多くが自由な発想から実験的なものであったり、遊び心があったりで、商売品と考えていない焼きものの自由さが伝わってくる・・・作風との事。

隣りの有田焼の深鉢には、そばの実まんじゅう・鮑・牡蠣。
左下は蟹の甲羅焼き、そこに福島牛のイチボ(お尻の部分)ロースト・野菜添えがきてしまったものだから、慌てて柚子サワーを追加オーダーをします。この状況で呑まない訳にはいきません。
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創作会席料理だそう、ひとつひとつが美しく丁寧に作られていて、味も勿論!                         ご飯8.jpg
ここまで出たら、ご飯にお汁と思いますよね。
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しかし最後に卓上コンロ、ふぐ鍋登場!並んだふぐ刺しはそのままでも、または好みでお鍋へ入れてもどちらでもと[グッド(上向き矢印)] 
人里離れた4部屋しかない宿で、このご馳走尽くしは凄い!8人の客の為に、腕を振るってもてなす心。
有田焼きに、木曽塗りと言った一級の器で運ばれてくる料理から、拘りの心で作っているのが伝わってきました。
慣れた足さばきで頻繁に、料理を各部屋へ届ける女将。
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お鍋が終わった頃合いを見て、女将が手早くご飯と玉子でふぐ雑炊に仕上げてくれます「ご飯は湯通ししてありますね」と尋ねましたら「それは、粘りが出てしまいますから」と。
優しい味わいで、もっと食べたかった(*^_^*)

〆のデザートはロールケーキ・苺・柚子、紅茶で終わります。
全く気にならなかったのだけれど、食べ終えたら8時40分を過ぎていました。
接客は素朴そのものながら…
提供される料理は、まさに「和」のオーベールジュ、素人レベルとは一を線ひいた、プロのもてなしであった。
あとから伺ったところ、ご主人は京都の料理旅館「炭屋」で、その後は銀座の和食店で修業をしてきたとか。
そこで宿を引き継ぐにあたって、湯治宿から方向転換を図って、今の形態へシフトしたのでしょう。基本的にはご夫婦二人で、お掃除だけ手伝いの人がいるそうながら…。
どれも美味しく、楽しめました。ご馳走様でした!
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そら

器もお料理も美しいです。素晴らしい芸術作品ですね。ほんとに素敵なお宿。
これだけのものを納得出来る形で出そうと思えば確かに4室が限度かもしれませんね。
なんと贅沢なこと!羨ましいお時間です。
炭屋さんは茶室の素晴らしいお家ですよね。
hanaさまが感動し楽しまれてる空気が伝わってまいります。女将や花板でもあるご主人にとっての一番の喜びなのでは無いでしょうか。
とても良いものを見せて頂きました。
ありがとうございます。
by そら (2021-01-18 23:40) 

英ちゃん

丸盆の上に可愛い器は、そのまま食べる物かと思った(^▽^;)
しかし、おされな料理がいっぱいだね~
by 英ちゃん (2021-01-19 00:46) 

末尾ルコ(アルベール)

高知は昨日まで約1週間ほど暖かめの気候でした。今日から数日は気温が下がる予報。確かに少し寒いです。このような気候の時期も風邪に気をつけねばと思ってます。でも日は少し長くなってきましたね。
わたしも最近夕食にカップ麺を何度となく加えました。もともと好きなので、あまり食べ過ぎないようにはしたいと思ってますが(笑)。でもなにかこう、カップ麺を食べると充実感があります(笑)。
そして乾いた喉に、柚子サワーが心地よく沁みていく・・・これもまた旅の途中の快感の一つですね。わたしは自宅で深夜に炭酸をキュッと飲むのがたのしみなのです(笑)。

こうしたお宿を拝見して思うのは、きっと仕事とか商売とかとは別に、本当にお役さんに喜んでもらうことが大好きな方がやってらっしゃるのだろうなあということです。そのような方々に出逢えるのは本当に幸福なことですね。

『ホワイト・クロウ』をご覧になったということで、もう感激です。あのレイフ・ファインズが、バレエについてのこれほどまでに繊細かつエキサイティングな作品を創ってくれるとは。鑑賞前にも期待はしていたのですが、期待を遥かに上回る出来栄えに惚れ惚れしました。同作の中のファインズの役柄ですが、なにせ彼の最盛期にはインパクト抜群の男性を専ら演じてましたので、自らの監督作の中で地味な役柄を敢えて愉しんでいるようにも見えました。

                          RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2021-01-19 05:01) 

yoko-minato

素敵なお宿ですね~。
ご夫婦で切り盛りされているお宿
お料理だけでなく器にも心配りがあって
美しいだけでなく味も素晴らしいとは
言うことありませんね。
by yoko-minato (2021-01-19 05:16) 

hana2021

そら様へ
提供される器を楽しみ、ご主人の仕事ぶりも楽しめた・・・これだけ繊細で、細やかに細工されたお料理は、仕事と呼んでも差し支えないものかと。食器のひとつ、ひとつにしても食洗機で洗えない、場所も取りますし自宅では使えないものばかりです。
>炭屋さんは茶室の素晴らしいお家ですよね
残念ながら、初めて聞いたお宿でした。ただお高そう!私達が泊まっても良いものか?って(笑)
こちらは四季折々の自然と、ご主人の仕入れでも変わる、創作料理を楽しみに訪れる常連さんが多そうです。それだけに、予約するのも困難なのでした。いいえ、丁寧なコメントを恐れ入ります。こちらこそ、ありがとうございました。

英ちゃん様へ
一見、金魚のような可愛い器は、和菓子みたいですね^^
家のご飯とは違いすぎます~~

末尾ルコ(アルベール)様へ
カップ麺を私は、ほぼいただかないのですけれど、先の三連休中のお昼に一度、夫は一人食べていました(笑)
炭酸系も普段飲むことはないのですけれど、それも時と場合によるものです。
あのレイフ・ファインズがこれ程優れた作品を撮るとは、バレエに全く関心を持たないでいた私でも楽しめて見入ってしまった「ホワイト・クロウ」。レイフと言えば過激と言うか、エキセントリックな役柄がイメージされてしまうから、あえて物静かな控えめな役柄を演じて楽しんだのでしょうね。
モデルとなったダンサーから、あの波乱にとんだ運命に翻弄されるストーリーの「愛と哀しみのボレロ」を観直したくなっております。

yoko-minato様へ
静かで落ち着いた雰囲気に、楽しくて美味しい料理と、こちらは女性受けするのは間違いなし…と思われる宿のひとつです。
それ程色々なところを知っている訳ではないけれど、やはり東北は良いです。サッと行って、サッと帰ってくる。春になったら、気分転換をされるのも良いかと思いますが・・・。


by hana2021 (2021-01-19 08:37) 

ゲンさんおかさん

京都の三大名旅館の一つ・炭屋
そちらで修業されたとあれば、
このお料理の素晴らしさも納得です。

なーんて言っても、
炭屋さんのような高級旅館は
泊った事はありません。
ちょっと格下(?)の、
植物の名前の旅館に
泊った事がありますが、
こちらが若かったせいか雑な扱いで、
お料理も特筆すべきことはなく、ガッカリ。
今でも覚えているのは、
当時最新式のコンタクトレンズを洗う器具に
ナメクジが入り込み、
どうしても泊まりたいと言っていた友人が
泣いていた事です。
かなり高かったのに、部屋は古くて
ナメクジは出るしで、
この植物の名前の旅館には、
いい思い出がありません。
バブル絶頂期で、30前の娘が使うには、
分不相応な宿だったのかもしれません。
by ゲンさんおかさん (2021-01-19 09:46) 

まつき

それぞれの食器が美しいですね~(#^^#)
盛り付けも綺麗で、流石全4室の拘りを感じますね(^^)v
これは気が付けば8時40分ってのは納得です。
我が家の夕飯なんて15分で終わってしまいます(笑)

by まつき (2021-01-19 10:39) 

hana2021

ゲンさんおかさん様へ
>京都の三大名旅館の一つ・炭屋
・・・そう、でしたか!
中学を出てすぐに入られたと話していたかと、まさに修行、厳しい環境下で学んだ技、センスが盛り込まれた料理たち、女将さんが嬉しそうに言っていたのも納得です。「炭屋」さんは、全く知らないお宿でしたけど。
>コンタクトレンズを洗う器具にナメクジが入り込み
「悪いなめくじどすなぁ~かんにんぇ~~」くらいで済まされそうな。京都の人って、相手を見てイケズを言いそうです。・・・ドラマの見過ぎか。
私がかつてパートさんだった時の同僚にも京都の人がいて、感じよくなかった想い出しか。友人も大阪の人と友達になったものの「あのノリにはついていけない」と続かなかったそう。

まつきさんへ
これぞ、日本料理!の見本のような器たちに、繊細な盛り付けでした。
朝食の後のチェックアウト時、タクシーで帰る他のお客さんを観た夫「いかにもリッチなムードで、家とは違う!」と。
家の夕ご飯は、毎回私のやっつけ仕事で用意時間は4~50分。食べるのも夫など10分足らず…本当に嫌になります‼!
by hana2021 (2021-01-19 13:03) 

八犬伝

手の込んだ料理で
見ても楽しめますね。
湯治宿からの大変身ですね。
やはり、センスがいいのでしょうね。
by 八犬伝 (2021-01-19 20:58) 

makkun

hanaさん
こんにちわ~)^^
器も料理も「もてなしのかくれ宿」にピッタリの風情ですね~
こんな素晴らしい宿に一度でも泊まってみたいものです(^_-)-☆

我が家にも電気毛布が有ったのですが
奥さんが押入れに仕舞い込んだままで
探しても見つからなかったようです(笑)
by makkun (2021-01-20 11:08) 

ぼんぼちぼちぼち

最高に美味しいお料理の数々だったとのこと、何よりでやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2021-01-20 13:38) 

サンダーソニア

器が・・と思ったら
やっぱりこだわりがあるのですね。
素敵なお宿です。
by サンダーソニア (2021-01-20 16:21) 

SWEET

なんて美味しそうなお料理なんでしょう。
素敵な時間を過ごされたことでしょうね。
素敵な宿、教えていただきました\(^o^)/
by SWEET (2021-01-20 20:50) 

hana2021

八犬伝さんへ
やはり質の高いものを観て、目がこえているのでしょうね。そして、日々の努力と!

makkunさんへ
こんばんは。
私が泊まったくらいですから、どなたでも泊まれますとも!
福島の温泉宿、ペンションもながら、これまでひとつとして外れがありませんでした。温泉、料理、接客・・・とハイレベルなところばかりです^^

ぼんぼちぼちぼちさんへ
最高に・・・とまでは書いておりませんが、満足感があったのは本当でした。何しろ今は、食べることくらいしか楽しみがないでしょう(*^_^*)

サンダーソニアさんへ
私が知らなかっただけで、炭屋旅館さんて有名なのですね。そこで磨いた腕と、センスを楽しませてもらえてラッキーでした(^o^)

SWEETさんへ
食材の良さもですが、、、そう、素敵な時間は大切ですね♪
福島でも南部、春から紅葉時期がお庭も綺麗と想像出来ました。是非、お出かけをなさってね(^_^)V

by hana2021 (2021-01-20 21:29) 

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