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二月ぶりの小旅行・・・③五浦と言えば・・・ [2021・11月茨城県あんこう鍋の宿]

2時ではチェックインするには早すぎます。どこかで時間を潰さなくちゃと思っても、その時間でも寒くなってきました。
以前に行った事のある、それ程離れていない、北茨城市にある五浦(いづら)海岸へ。
5つの入江が連なり、断崖絶壁の続くこの地←五つの浦(磯)を称して五浦。
五浦海岸独特の美しい景観ははじめからあったわけでなく、太平洋の荒波と波の力で岩石が少しずつ少しずつ削られてきた…特徴的な地質によって生まれたもの。
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松林の続く石畳の道を進むと、険しい岩に白波が砕け散る、絶景を臨む先端スポットへ[ぴかぴか(新しい)]
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北茨城第一の名所である「六角堂」。「六角堂」のある「茨城大学五浦美術文化研究所」へは、@400円なりを支払い杉皮葺きの「長屋門」から入場します。
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目の前は太平洋。再建なった六角堂。「六角堂」までの道々の脇には、白い浜菊、黄色のツワブキが色を添えます。
険しい岩と崖、そこに打ちつける太平洋の荒波。目の前に広がる厳しくも美しい自然を前にして、岡倉天心は日々なにを思い、どのような考えを巡らせていたのでしょう。

六角形の赤いお堂「六角堂」は、岸壁すれすれに建っています。この先の足元が危険すぎてこの日の私はここまで、六角堂まではたどりつけませんでしたが・・・それでも以前見た時、建物内部は畳を組み合わせて六角形となっていたはず、それが板張りなのです[exclamation&question] 作れる畳職人さんがいなくなってしまったせいで?
現在の「六角堂」は、2012年に再建されたばかりの新しい建物です。2011年3月の東日本大震災の津波により、元あった建物が流失。

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明治から大正にかけて、国際的視野にたち伝統美術の再興に尽力、、東京美術学校(現・東京藝術大学)を創設、日本近代美術の父と称された岡倉天心(1863~1913)。
伝統を受け継ぎ、自然と一体となった生活の中でこそ生まれる芸術があると、ここ五浦の景観を気にいり居を構えると、東京美術学校で教えていた横山大観、菱田春草、下村観山、木村武山の画家たちを呼び寄せ指導しました。

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2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災に伴う約10メートルの津波の直撃を受け、六角堂は土台のみ残して姿を消した。津波で流され基礎部分しかなくなり、岡倉天心が住んだ「天心邸」や庭園までも浸水、全てが閉鎖されていた。

磯原海岸に建つ宿「としまや月浜の湯」も一階部分は浸水、休業状態から現在は営業を再開。海に漂う気分がウリであった「ホテル山海館」さんに至っては廃業されたのでした。
震災の際の津波の被害と言うと、宮城、福島、岩手ばかりになりがち、しかしこの辺りの被害の大きさも考えざるをえません。
「六角堂」は茨城大学を中心に修復作業が進められ、創建当時の姿に再建されました。

「六角堂」に先に見える、崖の上の「五浦観光ホテル 別館 大観荘」へはまだ元気でいた頃に母と3人で訪れていたのでした。館内にかつての横山大観旧別荘を移築、特別室として利用。筆や絵皿といった愛用品の展示がされているとのことです。
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静かな五浦岬公園近くにある灯台「大津岬灯台」。元の灯台は東日本大震災で被災、建て替えられたものだそう。

ここ「大津漁港」近くの店で以前、あんこうの肝だけ使用する「どぶ汁」を食べたのだけど、それはまた別の時だったのかもしれません。
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同じく観光スポットである「二ツ島」は、二ツ島観光ホテルの影となってチラリとしか見えませんでした。
そろそろ宿へと向かいましょうか。
続きますね。
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thanks 69

コメント 12

英ちゃん

六角堂は、京都のは見た事あるけどこんな所にもあるんだね。
こんな所って失礼だね(^_^;)
by 英ちゃん (2021-11-29 00:09) 

ゲンさんおかさん

かなり以前に行ったことがあります。
私が見た六角堂は流されてしまったのですね。

hanaさんのブログを見てから
あんこう鍋が食べたくて食べたくて・・・。
丁度近所のスーパーで
比較的安く手に入ったので、
早速やってみたのですが、
肝心のあんこうがあまり美味しくなくてガッカリでした。
でも最後に作った雑炊はまあまあで、
ちょっと気が済みました(^_^)
by ゲンさんおかさん (2021-11-29 10:35) 

hana2021

英ちゃんさんへ
京都の六角堂とは、頂法寺ですね。
同じ六角形と言え、その建築時の目的、使用方法は違うもののよう。
そうです、こんな・・・等と言ったら、茨城県民が敏感に反応、英ちゃんのブログも危うくなるかも?なーんてね(^_^)V
by hana2021 (2021-11-29 10:37) 

hana2021

ゲンさんおかさん様へ
私が訪問をしたのも20年以上も前、当時の六角堂が流されたのはニュースで知ってはいたものの、実際の解説を目にしますと、震災による津波は常磐線を乗り越えた内陸まで及んできて、そこに原発事故です。人々は自分たちの安全が第一、六角堂の推移はただ見ている事しか出来ずにいたのでしょう。
あんこう鍋は美味しくて、身体が温まって、秋田のきりたんぽやだまこ汁に匹敵するものかと。また〆の雑炊の美味しさも、書いていたらまた食べたくなってきました。
by hana2021 (2021-11-29 10:44) 

まつき

おぉ、すぐそこは海な場所に建てられているんですねぇ(@_@)
私も怖くて近寄れ無さそうです(>_<)
六角堂だけじゃなく灯台も建て替えられたんですねぇ。
そうですよね、津波の被害、茨城だってかなり被災したハズなのに、
ニュースは東北の方ばかり目立っていたような。。。
by まつき (2021-11-29 11:23) 

hana2021

まつきさんへ
前に来た時は何でもなかったから、階段が急すぎて。しかしあの際は80近かった母も平気で下りてきていましたね。あの人は高いところ、ディズニーシーの「タワーオブテラー」には一人でもその気十分でしたが・・・年齢制限で引っ掛かりました。
住人の方が逃げる前に撮った映像を見ましたら、この辺りの津波の威力、その怖さが写されていました。
by hana2021 (2021-11-29 11:44) 

末尾ルコ(アルベール)

建築には明るくないですが、このような建物は好きです。しかも海を見下ろす場所と、ロケーションも素晴らしいですね。このような建物の中で一週間くらい住んでみたいですね~。冷暖房完備で、蚊が出ないことが重要ですが(笑)。
蚊に関しては本当に、(まだ出るか?!)という怒りが込み上げてきました(笑)。しかも刺されて痒くなりましたから。それにしても我が家、いささか虫出現率が高いです。

『天井桟敷の人々』とか『大いなる幻影』とか、戦前から前後を生きてきた方々にとってこうしたフランス映画がいかに大きな存在だったか想像するのも愉しいです。
思えばサルトルやカミュくらいまではフランス文学も読む読まないは別として、書店でも堂々と並んでおりました。それは映画では、ドロン、ベルモンド、ドヌーヴの時代はこれら俳優たち、日本人の多くが知ってましたものね。
外国文化に対する日本人の無関心が高まったという由々しき事態もありますが、フランス映画や文学自体もかつてほどの大物がいない、というのもありますね。              RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2021-11-29 19:18) 

hana2021

末尾ルコ(アルベール)さんへ
RUKO様も岡倉天心のごとき心境で、目の前に広がる光景の先に、日本人の今後について思いを巡らされるのでしょうか。
同県内の海辺に、その名もずばり「大洗」と言う地名もあるくらい、この付近の海は大きく激しい流れが特徴のよう。同じ太平洋でも伊豆半島の先端である石廊崎の海は、本当に広々と開けていて、地球の丸さまで伝わってくるような感じがしました。高知の足摺岬灯台の先から眺めたその先に広がる光景が、主人公の私を見舞う不幸の連続の書かれた、田宮虎彦の小説「足摺岬」と重なってしまったからか、荒涼とした海に思えました。温かな高知の海ですのに。
蚊の被害はですね、蚊の子供である幼虫が生まれる環境を作らない、不要となった植木鉢やプランターは捨ててしまう。家では水道を流す桝もストッキングを被せて、蚊の発生を防いでいます。庭の雑草の駆除は無論の事でした。
フランス映画でも、私が観るものは単純で、娯楽性の高いものに限られてしまうのですが、それであっても、挙げられているフランス映画界を代表とする俳優陣の出演作品は、高校生の頃からずっと当たり前に観ていたものでした。それは第二次大戦後すぐからのイタリア映画もしかり。
小田実、ミッキー安川、石川好のアメリカ。沢木耕太郎のユーラシア大陸横断、「深夜特急」の一冊に影響されて、どれだけの若者が海外へ足を向けた事か。それが今や、親がかりの海外語学留学、卒業旅行先としては出かけるものの、泊まるところを探すようなチャレンジャーな旅はごめんだと言った風潮が当然のように。現在と数十年前の世界では危険度の違いがありますし、インターネットの普及により居ながらにして世界と繋がれる環境、文化や風習についての目新しさもなくなってきているとの点もあります。
映画の世界でも現実同様に、それぞれの国がらの違いが少なくなっている、そのような気がしてなりません。
by hana2021 (2021-11-29 23:50) 

ぼんぼちぼちぼち

畳張りが板張りに、、、ちょっと残念でやすね。
仰るとおり、作れる職人さんがいなくなってしまったのでやしょうね。
by ぼんぼちぼちぼち (2021-11-30 10:41) 

hana2021

ぼんぼちぼちぼちさんへ
六角形の部屋に合わせて敷いた畳は、風情があって良かったんですけどね~~
今や畳は、皆C国製ばかり!C国人にこんな丁寧な仕事は無理なのでは?
by hana2021 (2021-11-30 12:06) 

makkun

hanaさん
こんばんわ~(^^♪
五浦海岸には3回行ってますが六角堂は
良いアクセントになってますね~
病気で倒れる前でしたので14年以上も前の事・・・
宿代は私が持ちますから
誰か大観荘へ連れて行ってくれないかな~(笑)
毎日リフレッシュしたいよ~(^。^)y-.。o○


by makkun (2021-11-30 20:39) 

hana2021

makkunさんへ
こんばんは。
3回とは私と同じですね^^ 五浦に来たら、六角堂は基本中の基本!それでもこの時の私は、階段が怖くて下りられなかったのです。
宿代はmakkunさん持ちですか、それでは喜んでご一緒に♪なーんて、しかし時々のリフレッシュは大切ですよね‼ あまり頑張りすぎないで願いますね♪
by hana2021 (2021-11-30 22:32) 

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