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GoToトラベル新潟&長野編・・・⑥日本のミケランジェロ?石川雲蝶 [2020・11月新潟県大湯温泉そして長野県白馬]

見る者を惹きつける、繊細かつ力強い作品を数多く残した幕末の名匠・石川雲蝶。
「良い酒とノミを終生与える」との条件で、彼は越後へと来たらしい。
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ここ永林寺に作品を残すきっかけは和尚様との賭け事だったと言われ、その破天荒さを示す逸話が語り継がれる一方、ノミを握ると凄まじい集中力を発揮したとも言われています。
とあるテレビ番組が発端となって、日本のミケランジェロと称されている…石川雲蝶。
中でも13年の歳月を費やした欄間の浮き彫りには、妖艶な表情で迎える天女が、女性らしい曲線で彫られています。
本堂の前室からぐるりと巡る形で院内に残された彫刻の数々、そのどれもが目を見張る素晴らしさでした[ぴかぴか(新しい)]

永林寺1.jpg
魚沼市堀之内の集落の外れまで走る事で、その作品群を観ることが出来ました。
永林寺2.jpg
約500年前に建立された永林寺は、10万石の格式を賜り、葵の御紋を許された由緒ある名刹ながら・・・。
現在は、石川雲蝶の彫刻が数多く残されている事により注目を浴びています。
永林寺3.jpg
内部のカメラ撮影は禁止ゆえ、一見したらただの古刹[バッド(下向き矢印)] 拝観料を納めて廊下の先から見学の開始をする。

江戸の雑司ヶ谷生まれながら、金物の町「三条市」に拠点を置き、近隣で創作活動を行っていた雲蝶。
「永林寺」で時の住職「弁成和尚」と出会い、和尚との賭けの約束としてこの地に作品を残しました。
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しかし、ダ・ヴィンチ、ラファエロと並ぶルネサンス期三大巨匠のひとり・・・ミケランジェロ。彼こそが最大の巨匠ではと感じずにはいられない・・・彫刻家、画家としてのほか、建築家の才能までもつ本物のミケランジェロの作品たちの凄さ!・・・ルネサンス芸術を象徴するひとつである「ダヴィデ像」。
バチカン「サン・ピエトロ大聖堂」内の「ピエタ 」。
晩年手がけた「システィーナ礼拝堂」天井画、そして壁画「最後の審判」…等、今から500年も前にどのような構想でもって描かれ、完成となったのか。その比類なき才能とスケールの大きさとでは比べようもなくと思えてなりません。

永林寺4.jpg
この場の他には「越後日光」とよばれる開山堂でも雲蝶が手掛けた彫刻・絵画・漆喰細工の数々が所狭しと配されて、その作品のすべてが新潟県文化財となっているそうです。

永林寺での拝観料は500円、そして納経の証(御朱印)の500円で頂いて参りました。
                             永林寺5.jpg
他の木々同様、半数以上に落葉が見られた・・・境内の紅葉でした。
静寂の中で聞こえてくるのは、落ち葉のかさかさする音だけ。こんな一時も、時には良し[グッド(上向き矢印)]
この後は、日本海へと向かいます。
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コメント 9

ぼんぼちぼちぼち

手がしなやかで、とても綺麗だなあと思いやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2020-12-08 21:49) 

hana2020

ぼんぼちぼちぼちさんへ
天女像は数か所にあり、うりざね顔に白い肌、しなやかに伸びた手足と、当時の美の基準が見てとれる気がしました。
by hana2020 (2020-12-08 22:09) 

末尾ルコ(アルベール)

この季節のお寺は格別でしょうね。父方の祖父母がプロテスタントで、しかし母もわたしもクリスチャンではありませんが、それでも子どもの頃のキリスト教の影響はわたしにはかなり強く残っています。それが欧米文化理解の大きな助けになったのは間違いありませんが、静謐な仏教寺での修行に対しての憧れも漠然とあります。一方、特段の宗教思想を持っていない神道の自然と寄り添った神社も大好きです。
石川雲蝶の作品、やはり日本人の琴線に触れますね。色は後年塗り直したものでしょうか。いずれにせよ、こうした色使いは気持ちいいです。
ミケランジェロは人間技とは信じ難い創作力ですよね。特に「ピエタ」の圧倒的美と、人間の心を抉る哀しみの表現・・・凄まじい芸術だと思います。                 RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2020-12-08 23:48) 

hana2020

末尾ルコ(アルベール)さんへ
おはようございます。
確かご同居なさっていた祖父母様方がキリスト教の信者でいらしたら、一般的な日本人などは比較にもならないくらい、欧米の文化、そこには当然信教も含まれて身近な存在でいらしたことでしょう。
>石川雲蝶の作品、やはり日本人の琴線に触れますね。色は後年塗り直したものでしょうか。
素材が木ですので、年数と共に改修を経てきているのは想像されます。
バチカンのミケランジェロの作品達は、ツアーで観てきたものだけに威張れた感想ではありませんけれど。その人間離れをした作品の創造、着想から完成までの道のりを思うと・・・とても人間技とは思えず圧倒されました。
こちらへの訪問はすでにひと月も前、新潟県の中越に位置するこの辺り、すでに雪に覆われているのではないかしら?
静かで心の落ち着いたひと時でした。
by hana2020 (2020-12-09 05:34) 

よしころん

荒波と龍、すごい迫力!格好いい!!

谷川岳は私たちの原点の山なので、チバに住んでいる頃からよく通っているのです。(谷川岳には30回、周辺の山々もほぼ登っております^^;)
写真を撮りにということではなく季節が変わると訪ねたくなる感じです♪
by よしころん (2020-12-09 08:25) 

Rchoose19

天女、色っぽいですね。モデルはいたのかしら?
本で見た、浄瑠璃寺の吉祥天みたいです♪
彫刻、すごい迫力ですね!
by Rchoose19 (2020-12-09 08:43) 

ゲンさんおかさん

天女の指先のしなやかさが見事、
龍や波からも躍動感を感じ、
素晴らしい彫刻に思えます。
賭けに勝ったお坊さん、ナイス!
by ゲンさんおかさん (2020-12-09 10:02) 

まつき

良いお酒を条件にお引越しとは呑兵衛ですねぇ(;^ω^)
お酒だけじゃなく良い金物にも出会えるし、
とてもベストな地域だったんでしょうねぇ。
和尚さんとどんな賭けをしたんでしょう(^^;
by まつき (2020-12-09 10:28) 

hana2020

よしころんさんへ
バカみたいなド素人のつまらない疑問には呆れてしまったでしょう?
谷川岳・一ノ倉沢は、ずっと麓となる水上温泉から眺めるだけ。
でも「孤高の人」「 劒岳 ―点の記」「聖職の碑」と言った新田次郎の山岳作品。
真保裕一の「「灰色の北壁」「ホワイトアウト」等。
横山秀夫の「クライマーズハイ」も著書は面白かったのに、映画化されたら別物となっていたのにはガッカリでした。

Rchoose19さんへ
彫刻家など、画家も同じだけれど、人間観察は得意中の得意。
モデルとなる方はいくらでもいたことでしょう。顔、身体、手足とパーツを組み合わせるのも簡単にしてしまえるでしょうし。。

ゲンさんおかさん様へ
確かに素晴らしいけれど、日光東照宮の壁面を飾る極彩色の彫刻の数々とイメージがつながってしまいました。
あれよりはずっと動きが出ていますけどね。

まつきさんへ
>お酒だけじゃなく良い金物にも出会えるし
そこまでは考えが至りませんでした。そうか三条辺りはでは昔から良質なノミ、彫刻刀、錐といったものが入手できますもの。それに昔から豪農の多い新潟、スポンサーとなってくれる家にも困らなかったはずです。

by hana2020 (2020-12-09 13:03) 

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